第4話 幸せな不安
『りょうた。』
『なんだよ。』
『久しぶりだね。』
『だな…』
『変わんないね。』
『お前は…』
『可愛くなったでしょ?』
『そうやって言っていいのかわかんなくて。』
『僕は僕だから。男でも女でもない。だからなんて言われても平気。』
『なんて言われたら嬉しい?』
『なんでもいい。褒められてるかけなされてるのかはすぐに分かるから。』
『……嫌なら突き飛ばせ。』
一年?ぶりくらいに会うかけるがあまりに愛しくてたまらなくて体が先に動いて抱き寄せた。
『嫌なわけない。』
『……なんて言えばいい。。』
『りょうたの気持ちそのままでいいよ』
『…ずっとお前が好きだった。』
『僕もだよ。』
───────────────。
変わらない。
何ひとつ。
隣で眠るかける。
向かいでご飯を食べてるかける。
ウキウキしながら買い物してるかける。
ちょっと妖艶に酒を飲むかける…。
ちょっとだけ雨に濡れたかける…。
ダメだ…。全てが愛おしい…。
全てが…。全てが…。
「かける…。愛してる…。」
寝てるはずのかけるが少し微笑んでいる。
たまらず頭を撫でた。
ずっと続けばいい。
ずっと終わって欲しくない…。
「かける…。死ぬなよ。ずっと生きてろ。
…俺は女か…。」
人を好きになりすぎるとこうなるのか…。
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