ヴァンパイアがやって来た!
胸のつかえがスッと消えたようだけど。
まだまだ物足りない・・・次はどいつを殺ろうか。
ぼっち男子がいたなぁ。
イジメられている現場を見ておきながら、スッと逃げるように言ってしまった奴
まぁぼっちだし陰キャだったから仕方ないけどな。正義感が少しでもあれば・・・
そんな奴に期待する方が無理だと思えばそうなんだが。
「魔王さま、この男で良いですか?」
「うん」
ミリアがダークエルフに命じてそいつを連行して来た。
嫌がるそぶりも見せないけれど、死にたいのか?こいつは。それとも?
選んだ武器は槍
出てきた魔物は・・可愛らしい女の子。
「あ!ぴくたん!!」
それは男が推しているアイドルだ。
「こんなところで会えるなんて!」
「わたしもよ。ハグしよ!」
男に抱き着く女の子。
だがその女の子、実は・・・ヴァンパイアだ。
カプッ。
男の首筋にその鋭い牙を突き立てると、
ぎゃぁぁぁぁ
女の子はヴァンパイアに変身した。
「お前の血をすべていただく!」
ジュルジュルジュルルルルルルルルルルル・・・
見る間に衰弱していく男。
「うわぁぁぁぁぁあ・・・・あ・・あ・・あ・あ・あ・・あああ・・・・ああ」
やがて男は、ぐったりすると・・・
バタッ・・・その男は、死んだ。
水晶玉でクラスメイトを観察していた理子。
「ねぇミリア」
「はい、なんでしょうか魔王さま」
「魔物たちはどんなのでも召喚できるって聞いたけど」
「はい、魔王さまの思いのままに」
「じゃあさ、どんなのが召喚できるかやってみてよ」
「承知しました魔王さま」
ミリアは一冊の分厚い辞書を持って来た。
「この中に召喚できる魔物のリストが載っています。
その魔物のページに手をかざし呪文を唱えることで召喚することが出来ます」
理子はまず最初のページに乗っていたダークエルフに手をかざした。
「魔王さま、私がこれからいう呪文を唱えてください」
「大地の力よ、魔界の力よ、この魔物を呼び寄せよ!」
というと、男女一人づつのダークエルフが現れたのだ。
「これが召喚方法です。お気に入りの魔物が居れば同じようにやってみて下さい」
「解ったわ」
男女のダークエルフへ
「あなたたちは私の僕となって働くのです」
「魔王さまの仰せに従います。どうかご下命を」
「ではあの連中から、男女一人づつ連れて来なさい。そしてそいつらと戦うのです」
「御意」
男女のダークエルフは、クラスメイトがいる部屋に入っていった。
そして一組のカップルを連れ出した。嫌がる二人だが否応なしに別の洞窟の中へ。
ダークエルフは武器を二人に渡した
「なにするの?」
「戦うのだ」
「誰と」
「私たちだ」
「出来っこないよ!」「やらなければ帰れないんだ!やろう」「やだ!殺すなんて」
「そんなこと言っては帰れないんだよ」
カップルの男は女を庇う様にダークエルフに立ち向かった。
エイッ!
ヤッ!
武器を振り回すもダークエルフたちは余裕で交わしている。
はぁはぁ・・・
「どうした?もう終わりか?それならこっちからやるぞ!」
男のダークエルフが短剣で腕を切り裂く。ぎゃっ!
次は足を斬る、胴体、肩、頭、つぎつぎに切り傷を負わせていく。
女のダークエルフは、カップルの彼女に襲い掛かる。
ぐさっ!
ぎゃぁぁぁぁ
いきなり足を斬るとバランスを崩し地面に倒れた彼女に馬乗りに。
手を足をバタバタさせて抵抗するがそれは無駄な抵抗だ。
「死ね!」
と言うや否や、短剣を心臓に突き立てた。
ぎゃっ!
彼女が死んだことを見た男は反撃に出るも
ダークエルフの前にはなすすべ無し。
全身血だらけの男に、「止めだ!」
彼女と同じく心臓を一突き!
ぐわっ・・・
カップルは死んだ。
「あーあいつらも死んだか・・・いい気味だ。
二人してあたしをイジメてたしな。気持ちいいわ!」
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つぎつぎに虐殺されていくクラスメイトはすでに、半分にまで人数が減っている。
「思うんだけどさ、これってあの福田をイジメていたろ?その報復なんじゃね?」
「んなこと出来っこねえよ、あいつにそんな度胸なんて有るもんか」
「あーでもさ、なに考えているか解らなかったろ?そう考えればさ、こういう復讐も
有り得るんじゃないか?」
女子生徒の一人は、
「もうやめようよ!こんなこと!私が悪かったよ!ごめんね!福田さん!!」
「なんだよ、おまえだけかよ。ここにいるみんながそうだろ?一人だけ謝ったって
だめだぞ!」
「じゃあ、どうすんのよ!」
揉め始めるクラスメイト。
そこへ例のダークエルフが入って来た。
「静かにしろ!お前たちに魔王さまからの食事の提供だ!有難く思え!」
硬いコッペパンと、薄いオニオンスープ、ほんの少量のサラダと肉。
「ええええーーーーこれだけ?俺たち何にも食べてないんだけど!」
「これでもお前たちには十分すぎる食事だ!おまえたちは魔王さまに嫌がらせを
していたそうだな。その報いと思え!」
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「ふふふ・・・いい気味だわ。あたしが食事をしている間だって
弁当をひっくり返されたり、水をかけられたり、ホントに嫌だった・・・」
当時の事を思い出したのか、泣き始めた理子
「魔王さま、いまは泣いている場合ではありませんよ。あいつらへの復讐のみ
それを考えましょう。さぁ次は誰を殺りますか」
「そうだね、ミリア。でももう少し、待ってくれる?」
「解りました。魔王さまの仰せの通り。私はあなたのおっしゃることを忠実に対応
いたします」
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粗末な食事が終ると、残ったクラスメイトは
「なぁ俺たちもさ、このままだとみんな殺されるだけだ。
だから、なにか団結して対応しないと、だめだよな」
「それは解るけど、どうすればいいのさ」
と、そこへダークエルフが入って来た。
「貴様たち、これから武器を与える。そして戦う訓練をする。いいか!
帰りたいと思うのなら、これから訓練をするのだ!」
部屋を出て、
地下のおおきな洞窟に入れられると、複数の武器が置いてあった。
刀、槍、鉈、槌、魔法の杖、弓矢、大小取り交ぜ、いろいろなものが置いてある。
「俺は武器はいらない」
そう言ったのは柔道部のキャプテンを務める男。
その男は全国大会でも優勝した事のある猛者でもある「だから要らねぇって言ってんだろ!」
「ホントにいいのか?」
「ああ」
一通り武器を手にしたクラスメイト。
「でもなんで、あいつは俺たちに闘う武器を与えたんだ?」
ダークエルフは「ただただ殺されているだけでは、つまらないとのお考えだ」
「つまり、あたしたちが殺されるのを楽しんでいるってこと?」
「そうだ。貴様たちはいじめをして楽しんでいただろう?同じ目にあうことで
いじめられた人の気持ちになってみろ!そう言うことだ」
完
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