第6話:チーム結成③


 翌日。

 エクシアとセラフィムは一緒の朝食を食べた。クラスも一緒で、そのまま午前は座学を受けた後、午後は実戦訓練となっていた。

 訓練場では魔導兵装がずらり、と並んでいる。

 訓練室の大きさの都合上、クラスを五つのグループに分けて訓練する事になっていた。また教導官だけではなく、実戦を経験している上級生もその訓練に教える側として参加している。


 ナインボールのグループは、エクシア、セラフィムの二人だ。


「揃っているね。遅刻欠員ないようだ。教導を担当するナインボールだ。よろしくお願いしよう。まずは魔導兵装の習熟度を見る。セラフィム、前へ」


 セラフィムが前に出る。


「まずは五発。標的に向かって。構え、撃て」


 セラフィムが模擬標的に向かって弾丸を発射した。煙が晴れると、全ての標的が五個の穴が空いていた。セラフィムが模擬標的に弾丸を全て命中させたことを示している。


「流石、実戦経験済み。上手いね」


 エクシアはまだ魔導兵装に触れて短い。あんな風に当てる事はできないだろう。


「動かない的に当たるなんて訓練にならなぁい」

「凄いわね」

「感心してる場合ではないね、次」

「はい」


 魔導兵装を手に取るとずっしりとした重さが伝わってくる。銃形態へ変形させながら構える。


「構え! 撃て!」


 エクシアはトリガーを引いた。しかし弾は出なかった。


「……どうして」

「弾が出ないのか、考えられる要因としては魔力が無いからだろう。魔導兵装のコアに触れてほしい」


 ナインボールが隣で指導する。


「最初の実戦を思い出してほしい。適正試験の時のように魔力を高めるのではなく、自分の魔力を魔導兵装と繋げるように意識するんだ」

「自分の中にある魔力と魔導兵装を繋げる」


 言われた通りイメージすると、魔力クリスタルが輝いた。


「そして構え」

「はい」

「トリガーを引く」

「はい」


 魔導兵装から弾丸が発射された。しかし的には当たらず周囲に弾痕を残した。


「初めてならこんなものだろう。最初は反動に慣れる事から始めてみると良い」

「わかりました。ありがとうございます」



 仮想モンスターが出現して、エクシアとセラフィムに襲いかかった。

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