鬼ヶ島で賭博する桃太郎

道楽byまちゃかり

この始末

 鬼ヶ島は絶海の孤島だった。が、世間の思っているように岩山ばかりだったわけではない。


「ギリギリ綱渡りで、ドキドキ一か八で。鬼退治に来たぞ。猿と犬で。キジは途中で食べちゃった」


「GOGO!」


 僕、桃太郎は肌で賭博の匂いを感じたのだ。岩山だけではできない。この音、この高揚感。ボートレースの音が聞こえる!


 桃太郎賭博録ボートレース!


「桃太郎連中が、鬼ヶ島に降り立った。なにやら、呑気に賭け事をしているぞ」


「みるやらみるやら大敗全敗。消費者金融駆け込み、借金手にして無問題!」


 あっ、消費者金融から借りた金が全部無くなった。無くなったなら何をすればいい。


「てことで宝出せやゴラァ! 目玉どついたろか!」


「正義は我にありワンワン!」


 そう、脅迫だ☆


 鬼達は大政奉還時の老中の様に一斉にひれ伏した。そして『これで見逃してください』と爺さん婆さんから盗んできた宝を差し出してくる。


 僕はこれを元手に賭け麻雀を始めた。あと猿は高く値が張ったので売り渡した。


 グルグル賭博の闇。グルグルサイコロ回る。負けた。まだまだ賭けれる。犬売り払って大金叩いてドッキャッンタン!


 次々大敗する。どんどん借金増える。


「見てる鬼ども、金貸せオンドラ。僕は桃太郎、凄いんだぞ!」




 このあと僕は何故か投獄された。桃太郎なのに鬼に捕まった。


「桃太郎がなんだ! 地下労働行きじゃあ!」


「ふっざけんなよ! 僕は桃太郎だぞ! 目ん玉ほじくり回してやろうか!」


「黙れ! 借金返せ!」


 この世はまさに理不尽である。

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鬼ヶ島で賭博する桃太郎 道楽byまちゃかり @macyakari

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