青緑の瞳を持った少女の運命

Rosequartz-ローズクォーツ

彼女は星崎夏美。

彼女は、抜群の記憶力を持って生まれた。


母譲りの栗色の髪に、父譲りの青緑色の瞳をしている。彼女は、今は亡き父に買ってもらった青いカチューシャを付けて過ごしていた。彼女は常に自慢げに、「お父さんが買ってくれたの。かたみだよ。お父さんは、猫さんの命を救った救世主様なんだよ!お父さんは救世主様になって、空で私達を見守ってくれているんだ!」と言っていた。幼き頃から父を亡くしていたが、父を亡くした辛さを感じさせないような元気いっぱいの笑顔を見せつけていた。


そして、彼女は『星崎家』の力をしっかり受け継ぎ、「記憶力」に恵まれたのだ。そして、幼いころの記憶なんて忘れたことがなく、彼女の明るさで常に夕飯時の笑い話にしていた。

「初めて喋れた時は私もすごくうれしかったな~。」

母も記憶力は抜群だが、時が経つうちに衰えつつある。そのため、家族みんなが彼女の話を楽しんでいた。彼女は星を見るのが好きだった。幼いころに見たり描いたりした星の形や名前もしっかり憶えている。いつも望遠鏡で遠くの星を眺めては、「いて座だ・・・・・・座も。」とつぶやいていた。そんな彼女は、父譲りの青緑の目で生まれたため、利き目に異常があった。みんなからは綺麗な目と羨ましがられるが、羨ましくなんかない。青緑色の目のため、もともと色の判別が難しかった。そして、母のお腹にいる間も、徐々に目は衰退していたのだ。


最終的には利き目がやられてしまい、今ではまともに色の判別ができない。


それでも、星崎 夏美は決してくじけることなく、自分の明るさと好奇心を失わなかった。夏美は家族や友達の支えを受け、困難に立ち向かう強さを持っていた。彼女は星を見上げ、夜空に散らばる星々に自分の未来を重ねることで、希望を見出していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

青緑の瞳を持った少女の運命 Rosequartz-ローズクォーツ @aomidori-ocean

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る