かえってきたフェアリー
ファイセルは村から出てしばらく南に歩いた。
深夜に出発したのでランタンの
ただ、何の
(ここらへんはきっと
少年はリーリンカのカバンを漁った。
ほとんど薬品は使ってしまい、カバンはだいぶ軽くなっていた。
仕方なく
寒い中、頭から
ファイセルは夜道をとぼとぼ歩き出した。
ふとビンに入れておいた水が
(そうか……復活にも水分を消費するのか。待てよ、もしかして
ファイセルは薬カバンから魔力回復剤を出してビンに移し入れた。
緑色の
いかにも栄養のありそうな薬である。
(これでよし。次の村でリーネが元通りになるまで待機しよう)
少年は周辺の
かなり疲労していたので、彼は宿に転がり込んだ。
そして夜が明ける頃に眠ってしまった。
次に起きたのは昼ごろ、宿屋の主が昼食を告げに来た時だった。
ファイセルは激しい頭痛と
「こ……これは……カゼか……」
すると宿屋の主が朝食を告げに来た。
「お客さん。朝食になります。食堂へどうぞ」
少年は
「ゴホッ……カゼをひいてしまって‥‥。ゴホゴホ……他の方に
なんとかベッドから
死ぬほど辛くてファイセルは転げ回った。
恐ろしいほどに薬が効き、夜になると熱はすっかりひいた。
(寒いのに
とても情けない気分になったが、仕方なかったと割り切った。
水を飲みに起きるとリーネのビンが空になっている。
あれだけ魔力回復液を入れたのにあっという間に
再び普通の水をビン一杯に
3日ほど経っただろうか。ビンの中の水に反応があった。
減りかけた水の表面が激しく
ゴボゴボと鈍い
「ふぇ~~。もう眠ったままかとおもいましたよ~」
それほど日数は経っていないのだが、ひどく
「あ~、良かった。なかなか戻らないから心配したんだよ?」
ファイセルは
それを見るなりフェアリーは顔をぐしゃぐしゃにした。
「ふぁ〜い〜ぜるじゃあ〜〜ん!!」
フェアリーは
ちょっと
「注いでくださった薬がなければ、こんなに早く復帰できませんでした!! なんだかとっても苦くて
うっかり魔力薬を飲まなくてよかったとファイセルは心から思った。
「それで、ヨーグの森は無事抜けられたんですか?」
「ああ、なんとかね」
少年は親指をぐっと立てた。
「それは良かったです。さぁ、早速また明日から
彼は相棒の復活を喜び、今までの出来事を夜遅くまで報告しあった。
リーネもとても喜んでいるようで、目をキラキラさせていた。
こうして互いの
翌日の朝、宿の主人に代金を渡した。
「すっかり元気になられたようで何よりです。旅のご無事をお祈りしています」
宿屋の主人はニッコリ笑って送り出してくれた。
やっぱり旅の宿というのはこうでなくてはと、少年は痛感した。
宿屋のおじさんがくれた
同時にファイセルはオウガーホテルの接客に
村を出るとき、リーネはファイセルが大きめの袋を
袋からはジャラジャラ音がしている。
「お金ですか……?」
「この一帯の森にはね、キツネみたいな顔をしたツネッギィってモンスターが住んでるんだ。木の上に住んでて、
ファイセルは
「こいつらは
少年は
「結構頭のいいモンスターで、
しばらく歩くとまた
「ウヒヒヒヒ!!」
「イィエーーーイ!!」
「ケタケタケタケタ……」
「ほら、
すかさずファイセルは手に持っていた袋に手を
そして1シエール
「まぁ3000シエールくらいあるから
少年がチャリチャリと小銭を
「そんなたくさんの
しばらく歩いて距離を置くと木の上から
毛むくじゃらで、
ケタケタと笑いながら
「それがね、こいつら人間に化けるのもうまくて、拾ったコインを使っていっちょ前に買い物なんかするんだよ。だからこうやって
背後ではツネッギィが
「変な話だけど、モンスターもお金を持ってくればお客さんだからね。持ちつ持たれつってとこかな。だから、ここら辺の村は旅人から巻き上げた
リーネはモンスターを観察している。
見てくれや色はキツネに似ている。
だが、二本足で立ち、耳が大きい。
そして目はギョロっと飛び出していて、
「あ、この近くに
ファイセルは地図を取り出しながら確認した。
「げっ、
「そんなに広い荒れ地じゃないな。水源は……こっちかな?」
すぐに上空からの視線を感じた。地面には大きな影が落ちている。
影の主は地面を
ファイセルは横っ飛びしてこれを
その正体は
「バディ・イーグル・アルバトロスか!!」
少年の頭上に高速のボールがせまる。
「っッ!!」
直撃ギリギリでファイセルは赤くて小さなブーメランを取り出した。
「ルキシー!! 僕を守ってくれ!!」
するとルキシーは高速で
上下左右360度をカバーしている。
超近距離で指を伸ばしただけで接触しそうだ。
だが、その
この赤いブーメランは攻防一体の立ち回りが可能な迎撃タイプである。
ファイセルは手で日光を
影を
(高速回転!!
''リューン''は素早く上昇するイーグルに回転しながら追いついていく。
それを追い掛け、距離をつめる。小回りでは、はるかにこちらが有利だ。
ブーメランはイーグルをとらえると、
大鳥はそのまま、グルグルと回まわりながら
そしてリューンが
持ち主が着地を命令すると少年の指に
「ふぅ、直撃を
彼は肉体強化や反射神経アップ、速度アップなどの補助魔法は全く使えなかった。
「結構遠くまでリューンさんの制御は効くんですね?」
リーネがそう尋ねた。
「うん。結構遠距離までコントロール可能だよ。普通のブーメランより遠くへ飛んでいくし、呼べば障害物とか避けて戻ってくるからね」
荒れ地から水源に着くと何人か人が居た。
なぜこんなところに人が居るのだろうと疑問に思いえる。
とりあえず話を聞こうとファイセルは彼らに歩み寄っていった。
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