願わくば美しき華のように
床がギィギィ音を立て、誰かがベッドのそばに近づいてくるのがわかる。
「ッシャァアアアアア!!」
突然の叫び声とともに大きな
ファイセルは素早く横に回転してこれをかわした。
そしてベッドから転げ落ちる。
「うわああぁぁ!! ああ……こっ、これはどういう事なんですか!!」
「お前が、全部お前が、お前がお前がお前がお前が全部悪いんじゃぁ!! エモノは逃すし、
今度は
少年はこれを後ろに飛びのいて更にかわした。
床の
娘は
その
美人だったのが嘘のように、とても
肌の色は
長い牙と角も生えていて
それなのに体は
あまりのアンバランスさに少年は
「これが……オウガーか!!」
娘の姿をしていたモノは包丁をベッドから抜くと、ファイセルを
じりじりと距離をつめてくる。今度は外さないと言わんばかりだ。
「お前も他の連中と同じに
モンスターが本音を漏らした瞬間、窓からコフォルが飛び込んできて
突然の
タイミングを見出すとファイセルは腕を振って制服の上着に命令した。
(オウガーに突っ込んで
上着はフワッと壁にかけたハンガーから浮き上がり、オウガーめがけて
まるで
制服は
オークスは壁にめり込むように張り付いており、ターゲットの自由を
「でかしたぞファイセル君!!」
コフォルは
「グアァッ、ゴアッ!! 離せ~!! は~~~な~~せ~~!!」
鬼は激しく身をよじるがオークスがピッタリ
制服はますます相手を
「ふぅ、もうちょっと早く助けてくれても良かったんじゃないですか?」
ファイセルは
ホッとしたからか、いくぶんか少年の張り
「待たせて悪かったね。でも生け
そして今更になって
「や、やめろ。剣先をこっちに向けるのはやめろ!!」
タスクフォースの隊員ははオウガーの首筋にレイピアを突きつけた。
「
オウガーは再び暴れだしたが、オークスの
「何人、
更に暴れると筋肉が
ゴツゴツした
もはや体まで女性の
「オウガーは
ファイセルはコクリと
レイピア使いは関心したようにオークスを
「繰り返えしになるが……どこで
そして、思い出すようにしながら自分が食べた人間のことを話し始めた。
「
急に大人しくなったオウガーの語り方は普通の人間のそれだった。
「アルー
散々暴れたからか、相手は気が抜けたようだった。
がっくりと力なく、壁からぶらさげられている。
「そのまま、だんだん腹が減ってきてこの村を見つけた。
「で、宿の
「殺して、
コフォルは顔を
「
「食い残しの事か? そんなもん台所の
ファイセルにもコフォルにもこれっぽっちの
こいつを
その時、
「コフォル、骨は確認したわ。
「了解だ。ルルシィ。これを
鬼は
「解決? 終わったんだな!?
コフォルはその態度にかなり
「私が救ってやるといったのは”
オウガーは今になって
「ファイセル君!! 制服が
ファイセルの制服はバサバサと
すれちがいに
モンスターは
コフォルはレイピアをヒュンヒュン振ると
「これにて本当の任務完了だ。ファイセル君、協力に感謝するよ」
そういいながら男女2人がファイセルに向けて頭を下げた。
ファイセルはいきなり女性が現れたので驚いた。
「あの……そちらの女性は?」
彼女は顔を上げると名乗った。
「私はルルシィ・オーネ。私もタスクフォースの一員なの。
大人の色気のある女性だ。
「オウガーの
少年はルルシィに全く
同じ
「ははは、
次の
だが、考えてみれば今までつけられていたことにな る。
思わず少年は
「おっと。そんな顔しないで。私の任務は"アクアマリーネ"の
姿を現したルルシィは同時に
「それにしてもダム
ファイセルはうなづいてビンの水を見た。
今はまだ
だが、確かにそこには彼女の気配があった。
「さて、我々はしばらく宿を調べて混乱が起きない夜中のうちに村を出るよ。きっと明日には
リーネが復帰するまで村に滞在しようとしていたが、計画が
酒場でコフォルとの会話は
それに、もぬけの
「はい。わかりました。僕も今夜中に旅立とうと思います」
タスクフォースの2人もうなづいた。
「おっと。そうだ。
ファイセルは首を横に振りながら
「いえいえ、こちらこそ大したこともしていないのに。50万とは十分すぎるくらいです」
するとコフォルはファイセルの
「はは、君は
ルルシィも笑いながら
「
今回の
もっとも、
「では、僕は一足先に村を出ます。コフォルさん、ルルシィさんもお元気で!」
3人はお互いの
そして少年は真夜中のうちに、そそくさと村を後にするのだった。
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