2「天泣は君の涙とともに」
第二章 「天泣は遊園地とともに」
結局先輩と付き合ってしまった。
先輩いわく「嫌いなままでいい、いつが好きにさせるから。」
そんなこと出来るわけないと思うけど。
あの日からちょうど2週間が経過していた。
相変わらず先輩は私に話しかけてくる。
「きのう何食べた?」
「今度ここ行かない?」
はっきり言ってどうでもいい。
「昨日は唐揚げ食べた」
「まぁ、いいよ」
適当に質問に返事をしていく。
どうやら先輩は遊園地に連れていきたいらしい。
その日は予定がなく暇だったので仕方なくOKを出した。
遊園地当日
周りはカップルがたくさんいてがやがやと騒がしかった。
先輩は「これ乗ろうよ!」。
先輩が誘ってくれたのはコーヒカップだった。
なんだか子供みたい。少しだけ可愛いと思った。
コーヒカップでは先輩は目が回ったらしくフラフラしていた。
気づけばもう日が沈みかけていた。
「次はあれ乗りたい!」
先輩が言ったのは観覧車。
高いところは苦手だが仕方がない。
「いいよ」
先輩は観覧車の中で、
「俺まだ言ってないことがあるんだ」
一体何なのだろう。
「俺さ、一週間後、いや今日はありがとう一緒に来てくれて。」
「いえ、こちらこそ」
もっと重大発表的なやつだと覚悟してたが、大したことは無かった。
観覧車に夕日が差し込む。
夕日は君の瞳を照らし、世界は暁色に染められていた。
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