天泣は君の涙とともに

@826029

「天泣は君の涙とともに」

第一章 「天泣は君の言葉とともに」


雨の日は嫌いだ

靴は濡れるし、気分は落ち込むし、

いいことはひとつもない。


今日は雨の日で高校に行かなきゃ行けない。

明日が期限の課題を机の中に忘れてしまったからだ。

せっかくの日曜日なのにこんな目にあうなんて最悪。

そう思い、いつも通りの道をただひたすら自転車で進む。

高校に着つき、自分の机を漁っていると、

「瑞希!」

七都先輩に遭遇した。

七都先輩は全校生徒が知る超絶イケメン男子だ。

私ははっきり言って先輩が苦手だ。

イケメンではあるけど、どこか強引で明るすぎる性格で、

私はそこが苦手だった。

「瑞希はなんでここにいるの?」

「課題忘れたから」

「そっか」

「先輩こそどうして2年の教室にいるんですか?」

「君を見つけたから」

「え?」

意味がわからない。

なぜ私を見かけてついてきたのだろう、別についてくる

必要は無いはずだ。

「実は君に言わなきゃいけない事があって」

「はい?」

「実はさ、君のことが好きなんだ。」

は?私は咄嗟に出そうになった言葉をひたすら押し殺す。

「何を言ってるんですか?」

「言葉通りだよ」

なぜ私なのだろうか、他にも美人な子が沢山いる中で、

しかもよりにもよって先輩からの告白、 正直ことわりたい。

しかし私は甘かった、だからその告白を受けてしまった。

もっと他の返し方があったかもしれないのに。

窓の外は晴れているのに雨が降っていてとても綺麗な空だった。

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