閑話休題⑩

◆ドラゴンゴールド◆

古より伝わる黄金の硬貨。

その輝きは、竜の息吹とともにあると伝えられる。人々はそれを「富」と呼び、欲望の果てに手を伸ばしてきた。


しかし、幾千幾万の時を経てもなお、その硬貨に秘められた"真の意味"を知る者はほとんどいない。


竜たちの血と契約、その遺産が何を約束し、何を奪ったのか。この金が象徴するのは、ただの欲望なのか?それとも……滅びの兆しなのか。


かつて、黄金の中に鼓動した何かは、今も深淵に眠っている。

人々は語る。この金貨を巡り、栄えた国々がやがて衰え、滅び去ったと。

その答えに触れる者は、果たして……


「数え切れぬほど模造された黄金の中で、一枚だけが真の輝きを宿している。だが、それを見極める者は多くない。愚かな者どもは、ただの金に心奪われ、命を燃やし尽くす。―――――だが、」



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