『短歌の秋』投稿作品 ─ 冬に至るまで

@Naonttqpwe

冬に至るまで

長月や 季節に惑う 熱を抱き

木々涼やかに 葉に紅を引く


茹だるよな 暑さの日々を 上り来て

見下ろす紅葉 彼岸の頃


また明日 言って別れた 放課後は

アルバムの中に 秋の夕暮れ


その音を 歌う虫の名 知らねども

彩る名月 誰が知らずや


常夜灯 オレンジ色が 夜暖めて

のんきな鈴虫 いるよと弾(はじ)く


夜を沸かす ライブに耽る 虫の音も

北風吹けば 波のように去る


涼しくて 土鍋と同じ 気持ちなの

そろそろおでんで 温まりたい


雨薫る 夜の静寂の虫の音の

誰も居ない夜が 傷跡を知る


木枯らしや 枯葉に似たり 黄色蝶

まだ散らざると 花蜜を探し


秋紅葉 佇む猫の 待ち人いずこ?

ただしんしんと 秋は深まる

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