第6話 サカモト 後編

「気になってるであろう学校に入学するまで何日あるかだな。これはちょうど1ヶ月だ。この世界は今3月9日で入学式が4月の9日だからな」

「暦は前の世界と同じなんですね」

「そうだな。うるう年もあるから完全に一致してるぞ暦は」


うるう年もあるんだ…異世界って感じ全然しないな。


「まぁ入学するまでの一月はこの世界に慣れたりするために使ってくれ。んで、生活についてだが何も心配しなくていい。金なら腐るほどある」

「ご飯とかはどうしたら?」

「あぁ真はメシマズ属性かそういや…お金大量に置いとくから上手く使うかこの世界で友達作って友達に作ってもらえ」

「サカモトさんはどうするんですか?」

「俺は基本この世界とは別の世界に居を構えてるからなぁ…こっち来るのは近況報告も兼ねて一月に一回くらいだな多分」

「基本一人か俺」


ずっと誰かと暮らしてたから新鮮だな…。


「まぁ別に一人でご飯食べるのしんどいってなったら呼んでくれりゃ良いよ10分待ってくれたら着くから」

「10分で世界移動出来るんですねサカモトさん」

「なんせ神だからな」

「神すげぇ…」


サカモトさん拝んでたらご利益ないかな。


「まぁとりあえず説明はこんな感じかな?何か聞きたいことある?」

「家具とか日用品って揃ってます?」

「おうそこら辺はバッチリ用意してあるぞ。まぁこれないなってなったら買ってくれ」

「了解です。あとは…まぁ無いですね」

「良し、んじゃこれで説明は終わりってことで…来たばっかで疲れてんだろ。俺は帰るからゆっくり休みな」


サカモトさんはそう言いフッと消える。


急に一人になってしまったことに少し物悲しさを感じながらも疲労が溜まっているため寝室で睡眠…睡眠…。


「あれ?部屋教えて貰ってなくね?」


2階の部屋にプレートが着いてなかったら危なかったな本当に…。


その日は少しだけ進撃の巨神を読んでから眠りについた。








「………また?」

「またってなんだまたって…せっかく世界を超えて着いてきてやったと言うのに」

「そうだよー頑張ったんだよ私たちー」

「いやそりゃありがたいんだけど…」


ありがたいんだけど…さ。


「あの別れ方した次の日?なんなら当日にもう一度は困惑するでしょ…。父さんに母さん」


しかもまた鍋って…。


「てか父さんも母さんも死人なのにこんな頻繁に夢に出てこれるもんなん?つかそれならもっと出てきてくれよ高校生の時とか」

「いや父さんらも原因分かってないんだよな…いやでも俺に良く似た気配のサカモトってやつがいたろ?」

「いたね」

「そいつが何かしたんじゃねぇかって俺は踏んでんだよ。神だし出来るだろ多分」

「根拠とかあったりする?」

「ない」

「ないかぁ」


それ他に理由思いつかなかっただけじゃない?


「まぁまぁいいじゃんそんなこと。またこうして顔を合わせられてるんだから」

「それもそうだな母さん」

「それもそう…なのか?」


このあと鍋をつつきながら色んなことを話した。




ピピピピピピ


「朝か…」


けたたましくなるアラームの音で夢から覚める。


てかアラームなんてつけてたっけ?


そう思い音のした方を見てみるとスマホが置いてあり、その近くに書き置きのようなものがあった。


『渡すの忘れてたスマホ置いとくね。あんま緊急性がないけど俺を呼びたい時はこれ使って。お金も入ってるから電子決済で全てをどうにかしてくれ』


サカモトさんが書いたのかな?いや書いたって言うか多分これパソコンで書いたやつ印刷した奴だと思うけど。あまりにも明朝体すぎるんだよなフォントが。


そんなこんなで異世界での日々を過ごしていく。


3日に1回の頻度で父さんらと話したり、1週間周期で様子を伺いに来てくれるサカモトさんとスマブ〇をしたりあまりにも古いツイン〇ーと言うゲームをしたりして遊んだ。


そしてついに入学する1日前になった。


「いよいよ明日入学だけど…準備はいいかい?」

「スーツもあるし…時間も把握してるし…大丈夫だと思ううん」

「まぁ不安ならあとで確認するか」


サカモトさんとツインビ〇をしながらそんなことを話す。


あまりにも古のシューティングゲームなので現代のとはまた勝手が違って非常に楽しい。


「いやでも少し不安もあるんだよね俺…」

「不安?どんな?」

「友達…出来るかなって…」

「いやまぁ出来るだろ多分。10人しか学生いないし嫌でも話すことになるよきっと」

「10人しか学生がいない…?」

「あれ言ってなかった?」

「聞いてないですね」


10…え?10?全校生で?


「学園についての詳しい説明そういやしてなかったな」

「説明忘れすぎじゃないです?」


こういう所も父さんと似てるんだよなぁ。


「えーっと…ちょっと待ってな資料持ってくるから」


ツ〇ンビーが一段落したので一旦〇インビーをやめ、サカモトさんが自分の部屋に資料を取りに行った。


1分ほどで戻ってきたサカモトさんが説明を始める。


「えーっとまず学園の名前が…」

「そうか学園の名前すら知らなかったのか俺って…」


俺も抜けてたな…。


神立和江織部学園しんりつわおえべがくえんだな」

「神…立?」

「私立とか公立とかあるだろ?それの神バージョン。名前で分かるかもしれんがこの学園もランダム症になってる」

「学園まで…?」


いやそういや言ってたな一月前ツヴァイ様が全設定がランダムで決められた学園って。


「そのせいで1学年しかないし人数も真含めて10人になってる。しかもお前以外の学生は調べた限り全員ランダム症だな」

「終わった…」

「まぁランダム症とは言え恐らく髪と目の色以外は基本…普通…いややべぇの二人いるな…他は割とましなんだけど」

「不安にさせないで下さいよ入学前に」


5分の1やべぇ奴な学園ってなんなんだよ本当に。


「部活はダンス部とサバイバル部の2つだな。ちなみに部活には強制参加らしい」

「究極の2択すぎません?」


いやでも気になるなサバイバル部…。入ろうかな…。


「そんなもんか?あとなんか聞きたいことある?」

「先生とかって何人いるんですかね」

「担任が1人と学園長が1人だな調べた感じ」

「少な」


学園長…仕事あんのかな。担任が兼用した方が楽じゃない?


「他は?」

「んー特に…ない…ですね」

「んじゃ最後に事前情報1つ言っておくと学生の中に中性的なやつが2人いるから性別は基本ズボンかスカートで判断するんだぞ。この世界にはまだそう言う理解がないから性別通りの制服しか着れないからな」

「多様性はあんま認められてないんですか?この世界って」

「いや何故か薔薇と百合には深い理解があるんだ…この世界なら同性婚も余裕で出来る」

「よく分からないですねそれは」

「本当にな」


そのあとも2個ほど質疑応答しながら喋ることも無くなったのでベッドに潜り就寝する。


夢で「何とか出てこれたわ夢に!」と言う父さんと母さんと話をしてまたいつも通り目覚ましの音で起きる。


今日は入学式だ。


────────────────────

ついにこれでプロローグ終了でございます。


次回!ついに青江仁守里兵衛襲来!お楽しみに。


モチベに繋がるので感想や星や♥よろしくお願いします。

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