第4話 恋のカタチ
「好きだよ」
青柳さんがそう言った時、僕は頭に強い衝撃を入れられたような気がした。それから、少し間があり、青柳さんが微笑んでまた、今度は少し加えて言う。
「好きだよ。大草君。だから、アタシと付き合って?」
2回も告白されたことでようやくこれが現実なんだなと気がつく。それから少し考え、今の僕の気持ちを伝える。
「……青柳さんと初めて話した時から今日まで約3ヶ月とちょっと。正直に言えば楽しかった。青柳さんのことが好きだなって思えるほどに。だからーーー」
一呼吸置く。青柳さんは僕が話し始めてからずっと黙ってくれている。
「ーーーだから怖かった。もしも僕から告白して振られでもしたら、今の関係が壊れちゃうんじゃないかって」
少し涙声になる。今まで溜め込んでいたものを一度に、全て吐き出す。そんな僕を、青柳さんが起き上がり優しく抱きしめる。それだけで、自然と楽になれる。
「アタシも……アタシもね、怖かった。もしも一方的な片思いだったらどうしようって。アタシのせいで今の関係が壊れたらどうしようって、何回も考えた」
優しく、包み込むような温かい声で話す。少しして落ち着いてきて、改めて青柳さんの方を向く。
「僕は……僕も、好きです。青柳美空さんが大好きです。僕で良ければ、付き合ってください」
「うん……うん!お願いします!」
青柳さんが抱きついてくる。さっきとは違い、勢いに任せたハグをして、それからしばらくそのままでいる。しばらくして、お互いが離れ、それから向き合ってお互いに微笑む。
「じゃあ、これからもよろしくね?湊君」
「うん……よろしく。美空」
「お、いきなり呼び捨てとは。やるじゃん」
それからまた、お互いが微笑み、2人して街の方を見る。僕の右手と美空の左手は、無意識に重なっていた。
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