輪郭編最終回数値4 逃げ続けているうちにやがてたちむかう
俺達は
リング上でどれだけの毎日にたちむかっても強さだけでは目立てず、乱立した格闘技団体でSNSや動画配信にスポンサーを集めて何かやらないといけない。
そして。
これだけやっても売れないし食えない。
しかも俺達が任されている仕事もきな
別のファイター
リングネーム・
だから俺達は
しかし。
「
「ここを
本当にきな臭いな。
どんな人生も。
--
もともと運動が好きな少年で曲がったことが大嫌い。
こう聞くと昔のヒーロー
この世界のありとあらゆる現実は誰かを好きに生かそうとしてはくれない。
終わらない
そしていつまでも昔からぬけだせない歳上と自分達。
「くそっ!」
特に気晴らしにはならず、壁にあとを残す
誰も助けてくれないと分かっているのに
辛いと分かっていても
ただ王者として戦い続ける以外になにか自分を満たしてくれるものは見つからなかった。
それは夢なのか?
愛なのか?
今なら二つの問いに迷うことはなくなりつつある。
せめて後輩の
「また悩んでますね」
まじか。
高校三年生に見せちゃいけないところを見せてしまったか。
「
「たまたま見ただけで別に
どこかで買ったのか
「誰も信用してないかもしれないけど、俺は
そういえば自分のことばかり考えるようになってしまったなあ。
格闘技一本でいくか大学受験か専門へ行くか悩んでいるのは
それでもひとつ気になった。
「うたがってるわけじゃないんだ。ちょっと気になったことがあって。なぜこの場所を知っている?」
とっくにバレていたのならなんの問題もない。
ただここは二○二四年に見つけた
スマホだとかヘッドフォンも全て外し、
つけられた
隠しカメラはさっきチェックした。
なぜ
「知らなかったんだ。
逃げ場?
こんな都会の中で特に汚い場所で何もないのに?
「
どうやら目のつけ所は似てしまっていたってことか。
「たまたま特訓しにきたら
ものすごく
リング外でも人間から身を守るために使える上に
俺達は
なにかが起きれば自分達の身は自分で守らなければならない。
そんなディストピアで。
「悪かった。本当に悪かった。
「出来てないから壁にあたっているんでしょう? もうやめようぜ。今どき全部一人でかかえてかっこつけたり、逆に味方増やして
おいおい。
別に
イラついたままなのも良くないからここは彼の提案にのった。
「どこで覚えたんだ? そんなはげまし」
「いくら
こうやって日常へとまた戻っていく。
--逃げるは恥でもなければ負けでもない。でも簡単じゃない--
男子高校生ファイターにとって……いや、女子高生ファイターとそうか。
もうやることは全て終わらせて格闘技の練習をしようとはならず、
先輩ファイターの
残りの高校生活は別に
「帰りぐらい送らせてくれてもいいじゃないか。やっぱ俺は二番手か三番手か」
別に彼女が他と誰と付き合おうが今どきそんなこと気にしない。
もう恋愛は楽しんだしあとは向こうから振られるのを待つだけ。
「ゲームでもするか」
AIはなんか怖いからガキのころ楽しんでた今ではすっかり古いと言われている機種のゲームを部屋から引っ張り出すか。
来年の四月には引っ越しているわけだし。
「プロになったら単位どうすっかなあ」
先輩の
おかげで高校生活は最後まで『
スマホをしまって街を歩いていると誰かに追跡されている気配がする。
「あんたら
「
足の速さに自信があったからかリングの上で使えないトレーニング
さっきなぐってきた瞬間もカメラに撮ったしあとはこちら次第だ。
逃げる。
逃げる。
逃げ続ける!
ドラマでもそんな話があった。
よく見てないから知らないけど受験にたちむかってリングで強者とたちむかってもいる男子高校生ならこれくらい逃げたってなんも恥ずかしくもない。
前をさえぎられたらダイビング部に
「な、なんだこの身のこなしは?」
「あんたらにいいものみせてやるよ」
先輩に見つかる前まで秘密の場所で特訓してたんだ。
壁を蹴り、つかめるものをつたい、電線をヤカラ達に巻いて誰も逃がさない。
「先にやったのはあんたらだからな」
スイッチ、オン!
「うぐあぎあああああああ!」
理由は知らないけど相手が悪かったな。
電気トラップで
「専門分野じゃないけどこの程度の工学スキルは取得済みでね」
多数の幸せがあるらしいのに資格はそんなにいらない気がすると何度も拒否したのに。
将来のために使える資格なんてほとんどないじゃないか。
そうは思わないで取った資格の活かし方は応用しておいてよかった。
「
あれ?その声は。
「
リングネーム・
三つ歳上の男性ムエタイファイター。
関東とは違う都市に住んでるはずなのになぜ?
「
「助ける助けないは置いておいて。
「そこで何が起きたか俺は知らない。でも君たちに損はさせない頼みだ」
どんな内容なんだ?
どうせろくでもないんだろう?
決めつけないようにうたがっていた。
「
「聞いた事はある。女性の
「気がついているのか」
この流れでそんな話題されたらたどり着く答えは一つだ。
「
別に
工学スキルだって工業高校や
「俺達のような人間を信用してくれとは思っていない。ただ俺は
ふうん。
なら
「わざわざ高校生の進路が落ち着く秋頃にねらってやってきたのもそのためか。何が目的だ?」
「君の工学スキルと格闘技を使ったパルクールでしか解決出来ない案件。だからこそ
「教習も受けてる人間に
「その心配はない」
って
そういえばグループは登録していたのか。
立華先輩も彼と仲良くはないけど。
「
そう言われると腹が立つ。
何にとは言わないけど。
「二人とも。話は最後まで聞いてくれ。俺の頼みは単なる
もういい
合図があり、影から誰かが現れる。
そしてもう一人は?
「詳しい話はファイルにまとめておいた。もちろん紙だ。そんな難しいことじゃない」
渡された資料に目を通すと衝撃的なことが書かれていた。
ある
こうして
--全ての資格を役に立たせるために--
ここまでに
教習も無事終わり、
授業の単位に影響がない
「時間にうるさい日本人とは思えないくらい今回の依頼はゆるいね」
「仕事ともちがうし急ぎじゃないしな。その辺りは
一人行方不明の
いくらリングでは最強を
「ヤンキーのいたずらではなくガチの
「
「これは非合法だけどな」
ある
「こんなクソ遠い場所まで来たんだ。はやく終わらせよう」
忙しいからな。
こっちは。
モノを設置したあとに
「おいおい。ホラーかって」
「
これは
だってこれ心霊現象だろ?
まさか
「俺達って現実世界に立ってるんだよな?」
「馬鹿野郎!
人間相手なら逃げていた。
でも素手を使えるって最高だ。
迫ってくる
「そういえば
行動に無駄がないぞあのファイターたち。
もし
出口まで二人は
逃げるのもいい。
でもやっぱ向かってくる奴らとは正面でぶっ飛ばしたい!
俺達の考えはいまここで動くことだけで
*
「
「
自分達が
「
死んではいないと思っていたらしいがまさか人の力を超えて復活していたとは思っていなかったみたいだ。
ざまあみろ。
「お前たち。俺の身勝手な頼みを受け入れてくれてありがとう」
そもそも交流があったわけでもなかったから。
「お礼を言うのは
そう。
さっさと切り上げねえとな!
俺たちをねらう幽霊達を
それでも現れては
「霧だけにキリがないか。だから
「それは確実にありえません。あの二人は
それはそれでいいか。
「ま、別に
俺達だってはやく帰りたい。
生きてもどれるかは
*
「まったく。試合や仕事以外で
「
逃げる。
逃げる。
帰るついでに
まさかここで戦ってる?
「
「
そうだよな。
人間の方が、怖い。
迷いながらも時間はなくなっている。
--
不自然なほどの
「特に後先考えなかった俺達も問題はある。でもあの
二人はただ
「マジであの三人死んでたらどうしよう」
「これスポーツ新聞? 格闘技に関してはボクシングしか取り扱わないメジャーな
写真はなかったが文章で
「あの
「はあ。誰をこれから信用すればいいのやら」
一寸先は闇。
*
自然な
一時期
「何と契約したんだ?」
「いつか話す」
「思ったより
「大都会だけ
力を持つ
「俺達のコンプラも守れるんだ。怒りは試合でぶつけろ」
理解が追いつかない現実はいつもつきまとうもの。
仕方がない。
三人は何一つ語ることなく扉へと入り、爆破した
これからも消えていくことがない現実を生きていく一人の人間として。
【
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます