数値.2 運命はいつも意図的なものなのか
-ある
今日もまたやりたくないことばかりやらされる。
全てが
遊び場がもうここしかない。
ゆめもきぼうも何もないぼくにはここしか。
ひろい上げた”人形“はまるでぼくを笑うように見つめていた。
いまもあるんだ。
こんなドクロの人形。
少しだけあたりをみまわしている間にぼくのかたに痛みが走った。
人形にかまれたのだ。
痛みとともに小さなぼくの声が全てが
--俺は人間失格--
今日もまた勝った。
内容はともかく。
一般人なら大学入試か
どちらにしろ起業以外は俺とは
もう
「また誰も救えなかったくせに勝者ヅラしてるよ」
いつものクレーマーか。
それでも痛いところをついてくる。
嫌な時代かもしれないが仕方がない。
人間の
女性が減り続け、出生率が下がりやがて誰もいなくなる場所。
そうは言われても子供はまだ存在している。
俺達には
ライセンスには厳しい
それとは別で
ただし人間以外には使えず、
それを生きづらいととらえるか仕方ない
俺がかつて
あの少年でさえ。
--消えない
自分の出身地が
それでも試合に勝たねばならなかった。
多くの子供たちの笑顔を守るため。
そしてもう二度と会わせてもらえない故郷にのこした子供と
さらに
使いたくなかったが
様々な事情があって好きで産まれたわけでもなく、ましてや好きで生きてるわけでもない人間が多いからか日本にしては治安が悪いらしい。
「だからって俺たちファイターを使ってまで治安を守ろうなんて。人間は
送っている日常が日常なので
昔は今でこそ想像がつかないかもしれないが
勝ち続けているから俺は人間じゃないのだろうか。
悩みをかかえたまま
俺は幸せとはなんなのかよく考える。
子供たちと過ごすことも多く、あの子たちの
俺がやってきた
高校生の頃に
「まったく人間がいないなんてことはないはずだ」
なんで
インターネット社会じゃ嫌でも触れる。
ただ
虫がただ逃げていくだけ。
「こんな所で誰が依頼なんか」
さっ……
人の気配?
大人ではないし
誰だ?
「こんな誰もいない所に見たこともない服きてる。お兄さんはだれ?」
親や兄弟はいないのか?
明らかに小学一年生前後の男の子が一人。
「ここにちょっとしたお宝があるってきいてやってきた。あまりいい思いをしてこなかった男だ」
いくら
ここで俺にまかされた依頼が他とは違うことをさっした。
「お宝なんてそんなものないよ」
「じゃあどっか遊ぼっか。俺、この場所知らないから君が
男の子は
「あそこ」
お宝について気にしてくれていたのか
それに男の子は元気がない。
遊ぶつもりもない中、俺に声をかけてくれたのか。
「お兄さんはここからしばらく帰れなくてさ。もしなんなら君の遊び相手になれないか、考えさせてもらってもいい?」
男の子は
*
ゴミ捨て場からは何も
何もかもが
ただ静かな空気があたりをただようだけだ。
男の子は話しかけてくれたのに心をあまり開かない。
誰しも
俺も昔……いや、いいか。
池でおぼれた子を助けられなかった話なんて。
男の子がねむりかけてこちらへ顔をよせる時に支えていると肩に傷あとが見えた。
『この傷は何かにかまれたあと?』
傷も医者に治してもらったようなちゃんとした形ではなかった。
少しだけ
『この
ゴミ捨て場から音がした。
ただの動物が去った後。
男の子を起こさないように
端末の電源はオフにしてある。
俺の
それも男の子を起こさないですむからいいのだ。
ここで
その正体が男の子をいじめている可能性はある。
俺はその時に
まだその
ちゃんと調べてからだ。
すると
エンカウントってやつだ。
ゲームはあまり知らないけど。
これくらいは
それ以上の攻撃は決してするつもりはないから。
キョンは恐れをなして逃げていく。
誰もいないかもしれない場所でねむる男の子に少しは気をつかえ。
いくら動物だとしても。
「あんな攻撃できるんだ」
目が覚めたか。
それとリングじゃ子供たちが
「い、いや今のはちょっとしたマネだよ。俺も男だし」
男の子は特に何も言わずに俺の背中からおりるとまた手をつかんで奥へ走らせる。
「え?な、なに?」
男の子の意志の強さに負けてまた見たことのない場所へ連れていかれる。
今度は
ここに住んでいたのか。
もしもの時のために俺はそなえた。
男の子はただ俺を連れていくだけ。
いつの時代か分からない人形や置物がまるで生きているように感情をあらわしていた。
あくまで俺にとってそう見えただけだったが。
「ここで……」
男の子が指をさした場所には
リングで血を流し、流させてきた俺でも最初はビビった。
それでも作り物にしては
「おまえの力はぜひ私たちのために使ってほしい」
男の子が人形が転がる部屋へ俺をつきとばし、
「き、きみはだれ……なんだ……」
最後まで表情をゆるめなかった男の子は姿を変えて目が飛びでているようなカラクリをした機械人形となった。
「ずいぶん前にやってきた子供を食った
だから
「いまは便利だなあ。少し
何も攻撃もしなければ油断もしていない。
人形の刃物にあたればひとたまりもない。
「
「そうだな。さっきも言ったようにあんたを探していただけ。その身体を乗っ取ってインターネットで弱った人間達を支配なんざ考えてねえからさあああ!」
そして真っ先にとがったパーツで攻撃か。
あんななりして戦い方は
「子供に化けてまで近づいたのはなぜだ?それに元の子をどうした!!」
攻撃をよけては弱点となる
それでも壊れない。
「もうこの世にはいねえよ。とっくにな!」
そうかよ。
最初から
「許さない」
「だからどうした?いくら
あの子の肩に後をつけた正体が
それとあの子は乗っ取られても弱点を教えてくれていた。
「
俺は人形の
「な、なに?」
あの子の傷あとから考えてかまれたのは事実。
そこから
「あんたの隠し方が下手だった。それだけだ」
せめて人形が化けた元のあの子のかたきを取りたかった。
よし。
これで少しだけ気が晴れた。
グズッ
「うっ……!」
パーツが
「おまえの身体はいただく!こんな
ひとつだけ約束しろ。
「お前の意思に
人形はなんらかの儀式でもしたのか俺の身体を奪いさろうとした。
広がった不気味な空間へ俺はさけぶ。
「俺の身体と意思は……返してもらう……!」
残った力で人形の動くばらけたパーツを壊しまわった。
「こ、これほどとは」
「人形の弱さとひきかえに俺と
恥ずかしいセリフだがあの子のかたきをとって生きて帰るため必死だった俺に余裕はなかった。
不気味な空間はまるでうなずいたような空気で人形をひきずり、俺の身体をつかんだ。
「これで……いい……!」
その時に
コロナ
今なら助けられる!!
子供の手をつかんで池から陸へ優しく投げたあとに俺は目が覚めた。
そこはいつも俺が暮らしているマンションの屋上だった。
「夢なわけ……ないか」
どうやら俺の身体はもうただの人間ではなくなったらしい。
なくしたはずの
相当な
さっそくミッション完了の連絡を送る。
「
「それはこっちのセリフだ
やっぱもう元の生活に戻れそうにないか。
手のひらには
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