第14話 体育祭準備は少し忙しい!、、、、かも?(その3)
「ただいま〜」
シーン
学校が終わり、家に帰るが何の反応もない。まぁ、そりゃあそうか。俺は部屋に鞄を置いてから、椅子に座って机に向かう。
「三つ巴って感じの構図にして〜、動物が相棒っていう感じにもしてから〜」
「兎の相棒を虎、龍の相棒を蛇で、狼、、、、狼ってイヌ科だし、戌で良いよね?なら猪か鳥、、、、鳥の方が良いかな」
ポスター案を考えながら、下書き用の紙に色々書いて行く。
「ポスターのテーマは、、、、「1人じゃない仲間が、相棒が居る」、、、、とか?何かカッコいいかも」
俺は少しカッコいい感じにテーマ名を書く。その隣に可愛い感じに赤眼の白兎と赤虎のイラストと、白い龍と白蛇のイラスト、青狼と青鳥のイラストを描く。
「、、、、ぁ、赤、白、青を混ぜた色を背後に入れてみるか。薄紫色かな、、、、タブレット、タブレット」
少しずつアイディアが浮かび、俺用のタブレットを持って来てイラストアプリで色作る。
「、、、、タブレットって制作した方が、俺には合うか」
俺は早速、タブレットって作成する事に決め、まずはポスター制作に取り掛かる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「、、、、、、、、」 コトッ
俺はタッチペンを置いて、腕を伸ばす。伸ばしながら部屋にある時計に目を向ける。
「ん〜、!、、今何時だ〜?、、、!もう7時になるじゃん」
俺は椅子から立ち上がって自分の部屋を出て1階に降りてお風呂をセットしてから、キッチンに向かい、俺用の夜ご飯を簡単に作る。
「いただきます」
今朝と同じで1人ご飯、簡単にうどんにした。今まで1人で食べる事なんてあんまりなかった。昼ご飯なら
1人で食べるなんて、14歳の時に蘭の修学旅行と父さんの出張、母さんの友人との旅行、
「、、、、やっぱり寂しいなぁ、、」
何て誰も居ないリビングで呟く。蘭も俺と同じ様に寂しいのかな。いつも一緒だったから、いつもは蘭と話しながら食べるからご飯は食べ終わるのは遅いのに、今日は、
「ご馳走様でした」
いつもより早めに食べ終わった。食器を片付けて、俺は部屋に戻ってタオルや下着などを持ってから、お風呂に入る。
チャプッ
「はぁ〜、、、、早く蘭帰って来て欲しいな〜」
何て思いながら湯船に浸かる。
「、、、、ポスターは殆ど決まったけど、次は横弾幕か団旗のどっちかに取り掛かるか」
そう呟きながら俺は頭の中でデザインのイメージを考える。
赤だからやっぱり炎をイメージしたイラストを描いた方が良いかな。ぁ、2年生の団旗だとしたら2年生と言うか、うちの期の色は黄色。3年生は黒、1年は緑色。
2年生だから黄色と赤をメインとしたデザインが良いよな。
「ん〜、漢字入れた方が良いよな。四字熟語が良いよね。明日、
何て考えながら俺は目を瞑る。少し精神統一をしようと思う。
「、、、、、、、、(今の俺が出来る事を考えてやる。蘭だって蘭がやるって決めたから、、、、)」
何分経ったか分からないが俺は目を開けてお風呂を上がる。
「今日はちょっと早めに寝ようかな」
何て思いながらお風呂場を出ると玄関扉から音が聞こえてそちらに目をやると、
ガチャッ
「ただいま〜、、、、ぁ」
「!!蘭、お帰り」
「ただいま。
「うん、ぁご飯食べた?」
「おん、ファミレス行った。俺も風呂入ろっかな」
蘭が平然とそう言ったので、良かったちゃんとご飯食べたと同時に、、、、やっぱり蘭は寂しくないのかな。と言う感情が来たが、そんな事は絶対に口には出来なかった。
「、、、、そっか、良かった。俺もう部屋戻って寝るね、!」」
「そっ?おやすみ」
俺はその場から離れる様に2階に上がって自室に入ってベットにinして目を瞑る。
「(、、、、蘭も俺と同じ様に寂しいんじゃないかってどこか心の中で思ってたけど蘭は今日は誰かとご飯を食べたもんね)」
「(明日はちゃんと話したいな)」
何て考えながら、気付いたら寝ていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今日で3日!3日だよ!?蘭とちゃんと会話出来てないの」
俺はそう
「会話何てお弁当持って行く時と帰った時ぐらい。帰って来ても何か俺変に意識して部屋に篭っちゃうし」
「はいはい、結が大変なのも、蘭君先輩と話せないのとご飯食べれなくて寂しいのも充分分かったから」
「、、、、この時間も
何て揶揄い口調で言ってくる
「それはない。と言うか、蘭が野崎先輩の事好きになる訳ない」
と顔を上げてキッパリと言う。
「、、、、そう?、僕そうやってキッパリと言う
「流石、今まで
「確かに、蘭君先輩の好みは完全野崎先輩じゃないし、蘭君先輩が結以外の人好きになる事ないし」
何て言う三者三様の言葉を俺に投げかけてくる。俺は再び項垂れながら、話す。
「今日もどうせ、ダンス練とかで夜ご飯誰かと食べて遅くなるんだ。ぁ〜、ほんと寂しい、!」
「ダメだ。この子寂しさのあまり廃れ始めてる」
「
「、、、、言える訳ないじゃ〜ん!」
俺はそう言いながらおにぎりを食べる。すると、菜月に肩を叩かれる。
トントンッ
「?何、菜月」
「結人、先輩が呼んでる」
「「「ぇ?」」」
菜月が指を刺している方向には、
「桃瀬先輩!」
ちょっと恥ずかしそうにしている桃瀬先輩が居た。俺はすぐに立ち上がって、教室の入り口に向かう。
「どうしました?」
「ぁ、ごめんね。昼ご飯中に、ちょっと報告したい事があって」
「ぇ?はい」
「今朝データで送ってくれたポスターのイラスト、さっき校長先生や教頭先生から、OK貰いました」
と、タブレットに俺が描いたポスターに二重丸の花丸が描かれた画面を見える様に掲げる桃瀬先輩。
「!ほ、本当ですか、?」
「うん、テーマも良かったし、」
「それで、次が本題なんだけど」
そう言いながら、タブレットを操作する桃瀬先輩。
「ポスターと一緒に出してくれた横弾幕と団旗なんだけど、やり直しです」
「、、、、ぇ?やり直しですか?」
「うん、校長も共闘もこれで良いんじゃないかって言ってたんだけど、3年の団長の
真剣な表情をしながら言う桃瀬先輩に俺は少しだじろってしまって言葉が出ない。
「な、何で?」
「う〜ん、何か絵に変な感情が入ってるって言うか、寂しい感じがするんだよね」
「ッ !!」
俺はそう言われて確信を突かれてしまった。それに気付いた先輩は続けて、
「あれ?図星だった?、、、、絵って良い意味で描いてる時にその時の感情が出やすいと、私は思うんだ。嬉しいや楽しい時は色鮮やかになるし、逆に怒ってる時は何処か怒りが伝わってきたり、悲しかったら寂しいと絵に活気がないって分かるの」
「今の結人君の絵はまさにそれ、何かあった?」
「、、、、蘭、兄が体育祭で忙しいっぽくて中々家でも話せなくて、寂しいな〜、って思ってて、すいません。そんな事思いながら描いちゃダメですよね」
「、、、、そっか。分かった、、、よし、結人君、」
俺の言葉で少し考えてから俺の方を見て真剣な顔で話そうとする桃瀬先輩。
「その寂しいって感情がなくなるまでは絵、描かない様に、と言うか絵の事は考えたりしない様に」
「、、、、、、ぇ?」
「今の状態で絵描かれたら、良い絵が描けるとは思えない。私は結人君を信じてる。結人君が良い絵を描けるって、だから結人君が思う絵を描けるまでは、絵を描かない様に」
と、言われて俺は唖然としてしたい少したじろぐ。少し黙った後、俺は口を開く。
「イヤイヤ、!体育祭まであと土日入れなかったら1週間と2日しかないんですよ!?横弾幕の場合、俺が描いたのを元に絵の具とかで描くんですよ!?時間とか」
「大丈夫、それは団長との話し合いで私達が責任を持ってやってあげる。結人君なら出来るから」
「、、、、ぇ〜」
桃瀬先輩は笑顔で俺の肩をポンッと置いて俺は混乱して焦った表情をしてしまう。
「(寂しいと言う感情がなくなるまでとか、、、、無くなるかな〜)」
何て考えながら晴樹達の元へと戻る。
それから2日後、俺に転機とも呼べる事が起こった。
「ヤッバ プリントの運ぶの手伝うので帰るの少し遅れたな。帰ろっ、、、、って帰っても蘭は居ないけど」
何て誰にも聞かれない独り言を呟きながら正面玄関の靴箱で靴に履き替えて帰ろうと1歩歩き出すと、
ザーザー ザーザー
「雨降ってる。そう言えばプリント運んでる時から雨降ってる?とか思ったけど」
小雨だと思ったが本格的に降りそうだと思い、困っている。
「傘持ってきてないんだよな〜、どーしよ」
と、鞄を犠牲にするかと考えていたら、背後から気配がし、振り返ると、
「!!、、、ら、蘭、!?」
靴を履いて帰ろうとしている蘭が立っていた。
「よっ、結」
「ぇ?何で?ダンス練は?今日あるって言ってたよね?」
俺が混乱しながら聞くと、
「無くなった。何か色々準備があるからって」
「そーなんだ」
「んで、結は何でこんな所で立ち止まってるん?」
「、、、、蘭分かってて聞いてる?」
「どっちやと思う?」
少しニヤつきながら俺に聞き返す蘭にちょっとイラつきながらも、嬉しいと言う感情が出てくる。
「忘れたの。雨降るって忘れてた」
「ふーん、、、、入れて欲しい?やったらo 「ふざけた事言ったら今日の夕ご飯お米じゃなくてパンにするよ」ごめんて」
「それでよろしい」
謝りながら傘を開いて俺を入れる様に俺の横に来る蘭。そして俺らは歩き始める。
久しぶりに長く話せるのはとても嬉しいと感じる。
「結ん所のダンス練はどうなん?」
「俺の所はギリギリまでは個人練習とかあとは授業でやるって感じ」
「ほーん、俺の方はホンマに大変なんやから、いちいち練習とかせんといけないし」
「大変そうだね」
何て話しながら帰っていると、俺はある事に気付く。
これ、、、、相合傘じゃね?
「、、、、(蘭、これ気付いててやってるとかないよね?、、、、蘭ならあり得る。うわっ、気付いたら何か恥ずい、近い/////)」
いつも近いのに何故か相合傘になっただけで恥ずかしがっちゃう俺はどうにかしていると思いながら、歩いていると、急に蘭が俺の肩を掴んで蘭の方に引っ張る様に抱く。
すると、
パシャッン
「わっ」
「、、結、大丈夫か?水かかってへんか?」
「ぅ、うん /////(うぅ〜、蘭に抱きしめられてる〜、嬉しいけど恥ずかしい〜)」
抱きしめられて嬉しくなるが少ししたら離れて再び歩き始める。
「、、、、何かこうやって、結斗ちゃんと喋るのは久しぶりやな」
「、、、、ぇ、ぁ、そうだね。蘭も俺も忙しかったしね」
「それに、俺結の料理食べられへんかったし、結とたわいもない会話好きやったから。誰かとご飯食べてても何か寂しかったわ。1人やないのにな、笑」
「やっぱり、誰かと食べるよりも結と食べたら喋る方が楽しいわ、笑」
と、笑いながら俺に言う蘭に俺は言葉が出なかった。
蘭も俺と同じで寂しかったんだ、やっぱり俺と同じだったんだ。俺だけが寂しい訳ない、俺の寂しいなんて感情はただのまやかしなんじゃないかって思ったりもしてたけど、同じ気持ちだったんだ。
俺は気付いたら泣いていた。
「ポロポロッ ポロポロッ (泣)」
「!!!?? ゅ、結!?ど、どーしたん?!ぇ、俺なんか変な事言った!?」
俺が泣いたから混乱している蘭に俺は目をゴシゴシしながら、話す。
「違っ、、蘭も俺と同じで寂しかったんだ、って分かってちょっと嬉しくて」
「、、、、結も寂しかったん?」
「うん、朝ご飯も夕ご飯食べる時は蘭が居る事が殆どなのに、いざ一緒じゃない寂しいし、お互い忙しくて中々喋られなくて、悲しかったし、、、、」
何て話しながら俺らは歩く。すると、考えながら聞いていた蘭が開いて提案をする。
「、、、、そっか、、なら交換日記するか?」
「交換日記?」
「そっ、ほら、
「、、、、ぁ、蘭が小6の時?」
「そう、やから、俺とやらん?忙しくて喋れんくてもノートやったら伝えたい事伝えられるし、それに体育祭終わったら、沢山喋るし、、、、どう?」
蘭からの提案に俺は少し考えて、立ち止まって蘭の方を見る。
「、、、、良いよ。その提案、乗った!」
「、、、、良かった。じゃ、早速日記用のノート買いに行くか?」
「うん、夕ご飯の材料も買いたいし、!」
何て話しながら俺らはスーパーへと向かう。
この時の俺はすでに寂しいなんて言う感情は無くなっていた。それとは違って嬉しいと幸せと言う感情しかない。
いつも居る存在は急に遠く感じたりする事はあるかも知れない。それは、離れてから分かる幸せだってあるかもしれない。だから、今の幸せを大事にしていこうと思い始める今日この頃。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます