第14話 体育祭準備は少し忙しい!、、、、かも?(その2)



ガチャ


「ただいま〜」


学校から帰り、そのまま自分の部屋まで行き、部屋に入って鞄を置いて、ベットに倒れ込む。そして大きなため息を吐く。


「はぁ〜、何でこんな大役任されちゃったかな〜」


そう言いながら、手に持っていたある紙に目をやる。

それは約40分の前の事、6時限目の時、出場種目決めで、


『よしっ!晴樹はるき、騎馬戦、障害物競走の2つ取れた!』


『はいはい、良かった、良かった』


『、、、、晴樹、しょうがないでしょ。人数の都合で、100m走と綱引きに決まったのは』


『俺死んじゃう』


『大丈夫だって』


何て話しながらそのまま家に帰ろうとしていると、3年の先輩で赤組の副団長の桃瀬ももせ先輩に話しかけられた。


双野そうの君、ぁ、結人ゆいと君って呼んで良い?お兄さんも居るからごっちゃになるし』


『ぁ、はい。良いですよ?それで、どうしたんですか?』


『その、結人君って絵上手って聞きたんだけど、本当?』


『まぁ、それなりに上手いとは思いますが。それで?』


俺がそう言うと、先輩は暗い表情のまま頭を下げてこう言った。


『、、、、体育祭に使う横弾幕と2年生の団旗のイラストとポスター結人君が書いてくれないかな!?』


『『ぇ!!?』』


『ぉ、俺が!?ぇ、うちの学校って確か3年生が毎年そーゆうのやるんじゃ?』


『うん、最初は3年生の中で1番絵の上手かった子に頼もうとしたんだけど、その子利き手骨折しちゃって体育祭の1週間前に治るって言ってるけど、それじゃ間に合わなくて、だから!お願い!』


桃瀬先輩の切羽詰まった声と迫力で俺は断るにも断れず、


『、、、、ゎ、分かりました』


引き受けてしまった。


「どーしよ。いくら、絵を描く事が好きって言ってもない〜」


俺は困惑しながら呟き、1階に降りてキッチンに向かって冷蔵庫を開けて麦茶を取ってコップに入れて1口飲む。


「ゴクッ それもまさかの3つ、はぁ〜、断らなかった俺が悪いんだけどなぁ〜」


何て大きなため息を吐いていると玄関から扉を開ける音が聞こえた。俺はコップを置いて玄関に向かう。


「ただいま〜」


「、、おかえり〜、、?何か疲れてる?」


帰ってきたらんは俺が見ても分かるぐらい疲れている様に見える。


「ぇ?、、疲れてる様に見える?」


「うん、何か疲労困憊って感じがする」


「マジか、、、、詳しい事は夕飯の時に言うわ」


「ゎ、分かった」


蘭は負のオーラを纏いながら2階の自分の部屋に向かった。


「だ、大丈夫かな?」


俺はそう思いながらも今日は蘭の好きな料理にしようと思いながらキッチンに戻る。



・・・・・・・・・・・・・・



「ぇ!男女ペアのダンスやる事になったの!?」


「おん、、、、それも相手、野崎のざきやし、、はぁ〜」


大きなため息を吐きながら教えてくれた蘭はとても疲れていた。


「、、、、野崎先輩、そこでも女子扱いなんだね、笑」


「ホンマに無理なんやけど」


「蘭、ダンス踊れるんだし、良いじゃん」


「そうやけど、野崎と踊るんが嫌なの!アイツ圧が強いんよ」


「はいはい、、、、ぁ、俺さ横弾幕と団旗、あと体育祭のポスターのイラスト任された」


俺がそう言うと、一瞬受け入れたがすぐに、


「へぇ〜、そうなん、、、、、、ぇ?ゆいが?3年やなくて?」


「うん、何か任せようと思ってた人が骨折したから、絵が描ける俺にって」


「ほぉーん、大役やん。頑張れや」


「うん、蘭も野崎先輩とのダンス頑張りなよ」


と、少し揶揄おうとそう言うと「忘れようとしてたのに」と小さく言いながら項垂れた蘭にちょっと笑ってしまった。


それから夕ご飯を食べ終わって片付けをしてから、俺は部屋に戻って椅子に座ってイラスト用の紙に目を向ける。


「う〜ん、、、、どんなイラストが良いか。まずはポスター、、、、赤、白、青の3色を使ったイラストが良いよな〜、、、、う〜ん、、、、分からない」


悩みながら困惑しながら色々考えてうちの高校の校名を思い出した。


「ぁ、そう言えば、、うちの学校の名前って兎龍狼うりゅうろう、、、、兎、龍、狼、、、、で、青が狼、白が龍、赤が兎って決まってるから、、それを使えば、良い?」


俺の家にあるスケッチブックを取り出して思いついたアイディアを書き記していく。


「ん〜、どー言う風に描けば良いのかが、分からな〜ぃ!」



・・・・・・・・・・・・・・・



「、、、、無理〜」


あれからどれぐらい時間が経ったのか分からないがスケッチブックが5枚クシャクシャになっているので、結構経っているだろう。

すると、


コンコンッ


「、、、、!、なぁに?」


ガチャ


「結〜、風呂上がったから、、って、荒れてんな〜」


「うぅ〜、だって、全然描けないんだも〜ん、!」


俺が項垂れる様にそう言うと、蘭は部屋に入って俺に近づいたかと、思うと、俺に手を伸ばして、


ポンポンッ


「、、、、へ?、//」


「結が思い描くイラストで良いと思うので、俺は結のイラストが好きやもん」

「それに、悩んでる結の顔は見たくないな。俺は結の笑顔が見たいしな」


「、、、、はっ、 ///// ぁ、ありがとっ!」


俺は少し顔を赤くしながら、そう言って椅子から立ち上がってタオルや下着を持って部屋から出て1階に降りる。


「///////// (あぁ〜、もう本当あの人は、あぁ、絶対今顔見られたくない、!)」


そう思いながら座り込む。


「、、、、ぁ、兎って前の干支が虎ならそれが相棒になったら、面白そうじゃね?」


ふと、思い付いたアイディアに興奮しながら、俺はお風呂に入って行く。お風呂に上がったらイラストの下書きでも描こうと意気込む俺であった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・



「、、、、おはよう、 ボサボサッ((髪がボサボサの結))」


「「「ぉ、おはよ〜」」」


朝教室に入る俺は、髪がボサボサで制服もちゃんとボタンを閉めれてなく、少し焦った表情をしている。


「どーした?寝坊?」


菜月なつきがそう心配そうに聞きてくれて、俺は机に鞄を置いて椅子に座ってから答える。


「うん、絵の下書きに悩み過ぎていつの間にか寝てて起きたら机の上だった」


「絵?あぁ、桃瀬先輩に頼ませた?」


「そう、それ」


「「絵?何それ?」」


菜月と賢治けんじが不思議そうに聞きて来て、俺の代わりに晴樹が答えてくれた。


「体育祭で使う横弾幕や団旗、あとはポスターのイラスト、結になってくれないかって頼ませたんだ。担当の先輩が骨折したから」


「へぇ〜、結凄いじゃん!」


「結人、絵描くの好きだから嬉しかったでしょ?」


「、、、、嬉しいけど、!考え過ぎて死にそう!!」


俺が机に項垂れながら大きな声でそう言うと、晴樹達は同情するかの様に、


「分かる。好きな事を考え込むと最終的に何が良いかとか、僕も分かんなくなる時ある」


「何が最善で何が最良なのかとか分かんなくなるよな」


「悩み過ぎたら、俺らに相談したりしても良いし、な?」


「うぅ〜、俺はこんな最高の幼馴染達に会えて良かった〜、!」


何て少し明るくなって俺は鞄から教科書などを取り出す。


それから数時間後再び赤組の集まりの時、


「はい、2年の赤組のダンスの曲はこの3曲で行くので、フリは確実1人でやってから全体練習をやって行く様に」


「「「「「「「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」」」」」」」


「、、、、結、俺当日休んで良いかな?」


「休もうとしたら、当日晴樹の家まで皆で押しかけるからね」


「結の鬼」


「怒られたくなかったら頑張れ」


何て言う会話をしてから俺達はその場で解散する。

その日も次の日もいつも通りの日常を過ごしていたが、















それから3日後、






「おはよう、、、、って蘭は起きてないけど〜、」


いつも通り起きて、1階に降りて玄関の方に目を向けると、蘭の靴が無い事に気付いた。


「?、、、、ぇ?」


俺は急いで2階に戻って蘭の部屋に向かうと、いつもはベットで寝ている蘭がそこには居なかった。


「どー言う事?」


と思いながらリビングに行くと、リビングの机に1枚の紙が置かれていた。俺はそれに目をやると、


「、、、、「結へ、今日から朝からダンスや二人三脚の練習なのでもう出ます」、、嘘〜、学校ある日に俺が言わなくても起きたとか、蘭凄」


俺はそう呟きながら朝ご飯の準備と昼ごはんの準備もする。



・・・・・・・・・・・・



昼休みに俺は蘭の教室に向かって、蘭にお弁当を手渡す。


「はい、蘭、お弁当」


「ありがとう、てか別に作らへんくても良かったのに、食堂とかで済ませるのに」


「それだとちゃんと野菜とか摂取しないでしょ。俺が作った方が良い」


俺がそう言うとちょっと照れながら弁当を受け取る。すると、思い出したかの様に、口を開く。


「ぁ、そうや。今日から帰り遅くなる日が多くなると思うわ。夕飯は弁当とかで済ませるから、夕飯作らんでええで」


「ダンス練?」


「おん、後は3年やから色々な準備とかせんといかんから、」


「分かった。気をつけてね」


俺が蘭からの伝言を了承したら、蘭の背後から何がが現れた。


蘭夜らんや君!何してるの〜?!って、結人君じゃん!」


「野崎先輩、こんにちは」


「ヤッホ〜!ぁ、それって結人君が作ったお弁当!?」


「そうやけど、何?」


この前と同じで野崎先輩に塩対応をする蘭に明るく話し続ける野崎先輩。


「私も食べたいn 「食べさせる訳ないやろ。結が作ったのは俺のだけや」、、、んっもぉ!蘭夜君酷い!」


「蘭のだけではないからね(やっぱこの感じ、湊斗みなとさんに似てる)」


「ええやろ。ご飯食べるの、邪魔すんなよ」


「、、、、はーい」


野崎先輩はそう言って教室の中へと戻って行く。


「じゃ、遅くなったら遠慮なく寝てもええからな」


「うん、、、、分かった。けど、頑張ってね、!」


「、、、、結も絵、頑張れや。結の絵俺好きやから楽しみにしとる」 ポンポンッ


蘭はこの前と同じ様に優しく俺の頭を撫でてくれて、俺は安心と同時に嬉しくなって照れてしまう。


「、、、、/// ぅ、うん、、じゃ、俺もう戻るね!」


照れ隠しをする様に俺は蘭から離れて自分の教室へと戻る。


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る