2学期と両思い編

第14話 体育祭準備は少し忙しい!、、、、かも?(その1)




湊斗みなとさんとの問題が解決した2日後俺は現在軽くスキップをしながら教室に向かって明るく挨拶をする。


「るんるんるん♪ おっはよ〜、!」


「「「あはよう〜、」」」


「、、、、ゆい何かご機嫌だね?」


机に鞄を置いたら早速晴樹はるきに不思議そうに言われた。


「えへへ?そうかな?気のせいじゃない?」


「いやいや、その明るさは気のせいじゃないって」


「、、、、ぁ、ぁ〜、そうじゃん。僕、忘れてた、今日体育祭で出る種目決めるじゃん」


「「、、、、ぁ」」


菜月なつきがちょっと声を暗く言うと晴樹と賢治けんじは忘れてたと言わんばかりの声量で揃って言った。俺は椅子に座って口を開く。


「ぇ〜、3人共忘れてたの?体育祭だよ?学校行事だよ!?」


「忘れてたって言うか、、、、湊斗さんの事もあったから、頭の中からスッパ抜かれてたわ」


「そっか!だから結はそんなに楽しそうだったのか。まぁ、俺も分かる!」


「だよね!賢治!」


「、、、、はぁ〜、体育祭とかマジめんどくさい」


「菜月、それマジ分かる」


俺と賢治は両手でハイタッチをしていると横で大きなため息を吐く晴樹と菜月。この2人運動神経は悪い方ではないのだが、


「僕足遅いし、何でこの学校出場種目1人2種目なんだよ。あと二人三脚はマジ無理!」


「俺体力ないし、絶対躓くし、ダンスになったら俺この学校爆発する」


「怖すぎるだろ、この2人。結、どう思う?」


「菜月も晴樹も去年色んな意味で死にそうになったもんね、笑」


菜月は体力はあるけど走るのが苦手で若干球技系が苦手。本人もそれを自覚しているのかは定かではないが、ボールを目の敵にしている節がある。

晴樹は体力は菜月よりもなくて本人曰く10分間走り続けるのはマジで無理だし、ましてやリズム感も問われるダンスなんて死んでもやりたくない。と言うぐらいの人である。

去年、菜月は100m走、玉入れに晴樹は綱引き、ダンスをやっていて本気でやってて最後ぐらいには生気がないんじゃないかぐらい疲労困憊だったんだよね。

因みに、俺はダンスとリレー、賢治は綱引きと騎馬戦に出ました。


「まっ、今年の場合俺と晴樹は赤組、菜月と賢治は白組なんだし、当日までお互い知らせない様にしなきゃね。去年は同じ組だったけど」


俺らの学校は同じクラスでも3つに赤組、白組、青組で別れるので結構普通。今日は2年生が出場種目を決める日で6時限目の時間に赤組は大講堂で、白組は体育館、青組は大食堂で決める。3年生は5時限目。事前に体育祭の種目は例年通りの種目から生徒達の投票で決まった種目1つを追加した10種目を行う。全員参加の競技と各種目から2つの計3種目に出る事になる。


「そうだったね。ぁ、そう言えば、らん君先輩達はどっちなんだろ」


「ぁ〜、そう言えば、そうだね。結人ゆいと知らない?」


「ううん、まだ知らない。、、、、昼に呼び出すか」


「この弟、平然とそう言ったぞ」


「賢治、これは結人にとっては日常茶飯事だよ」


「菜月、変な事言わないで」


俺はそう言いながら、カバンから教科書を取り出しながら、蘭に後で連絡する事を決めた。



・・・・・・・・・・・・・・・・



「ご馳走様でした」


「「「ご馳走様でした、!」」」


お昼休みになり俺らはお弁当を食べ終わった瞬間、教室の外が騒がしくなってきたのに気づく。


「来たかな?」


何て思いながら扉付近に目をやると、見慣れた3つの人達がそこに居た。


「結〜、来たで」


「時間通り、流石蘭」


「計算してたの!?」


「結ならやりかねないとは思ってたけど」


「晴樹、何その怖い話」


俺らはお弁当を片付けてから蘭達と所へと向かった。


「で、俺らを呼び出した要件は?」


「ぁ、それは」


俺がそう要件を言おうとしたら、周りからの声に気付く。


キャー


「今学期もイケメン双子の絡みが観れるとか最高!はぁ〜やっぱ、学校行きたくないけど双子を観れるなら死んでも来るわ」


「夏休みを経てさらにイケメンに磨きがかかった気がする!」


「分かる!距離も近いしやっぱり付き合ってるんじゃ、でも双子だし、!」


「双子を取り巻くイケメン達も見所よね!」


なんて言うクラスメイトの女子達の会話に少しビビってしまう、と同時に隣に居る晴樹達は、


「そうだった。皆結と蘭君先輩が双子じゃないの知らなかったんだった」


「そうだわ、俺ら慣れすぎてるって言うか、既に双子じゃない事がインプットされてたわ」


「今の僕らには常識だもんね。それが」


何て言う会話をしていた。それで蘭が口を開く。


「もっかい聞くけど要件は?」


と言われて、忘れてた、と言わない様にしながら返事をする。


「ぁ、いや、あのさ。3人って赤組?白組?」


俺がそう聞くと、3人はぁ〜と言う顔をしながら、口を開いて答えてくれた。


「俺となおは赤組、、で、蘭が、、、、」


「「「「蘭が??」」」」


蘭夜らんやは1人白組」


「、、、、そうなの?」


「結、悲しそうな声で俺に言わんでくれる?」


明らかに落ち込んでいる雰囲気を纏う蘭に俺は咄嗟に謝った。なので、後ろに居る2人に目をやる。


「ぁ、ごめん」


「大丈夫ですよ、!俺と菜月も白組なんで!同じですよ!」


「そうだよ!蘭君、安心してよ!」


2人がそう励ますと、真斗まさと先輩と尚也なおや先輩が気まずそうに口を開いた。


「その、蘭が落ち込んでるのにはもう1つ理由があるんだよね」


「「「「ぇ?」」」」


ドタドタ バタバタ


「ぁ、そろそろ来るな。この音は」


「「「「ぇ?、、、、ぇ?」」」」


「蘭夜君〜!!!!!!」


2人の疲れた顔と右側から聞こえてくる大きな足音で俺達は混乱した居た瞬間、目の前に飛び込んで来る1つの物体が現れた。それは蘭に向かって飛び込んだが、蘭は華麗に避けた。


「わっ、!、、ちょちょ!蘭夜君、何するの!何で避けるの!」


「いや、避けたつもりはあらんけど」


「もう、危うくこける所だったわ!それよりも、私を放っておいて2年生の教室に何の様なの!」


「、、、、だ、誰?」


何かキャラの濃い女性?が蘭に話しかけていた。身長は160cm後半と意外と高く、髪はハーフツインでスカートは意外と短い人。俺の経験上から言える事はこの女性は







、、、、、、、、蘭に好意を持っていると思われる。


すると、すかさず真斗先輩が俺らに教えてくれた。


「彼女は野崎沙奈のざきさなさん。1学期の終わり頃に転校してきた人で、、、、、蘭の事が好きみたい、で」


「「「「ぁ〜」」」」


真斗先輩が気まずそうにそう言って、俺らは色々納得した。俺の代わりに晴樹が言う。


「その、彼女が蘭君先輩と同じ白組だと?」


「正解。彼女今までの蘭夜が好きになった人とは違って断られてもぐいぐい行くタイプだから」


「だから、お前には関係ないやろ?ただのクラスメイトなんやから、いちいち干渉してくんなや!」


「酷いこんなにも私心配してるのに!」


「うっさいねん!」


野崎先輩は蘭の腕をぎゅうぎゅうに手で掴みでギュッとしたいのか引っ張っている。蘭はそれに全力で対抗している。すると、真斗先輩が心配そうに声をかけてくれた。


「、、、、結、大丈夫?」


「ぇ?何がですか?」


「ぇ、いや。蘭が女性に触られたりされるの。嫉妬とか?」


「いやいや、それないですよ。真斗先輩、結人がそんなやっすい嫉妬なんかしませんし、!」


俺の代わりに答えた菜月に真斗先輩と尚也先輩は驚いた表情をする。続けて賢治が答える。


「何故なら、蘭夜君はそこらにいる女性は目に入りませんし、結は今まで蘭夜君を好きになる女性が撃沈する場面を何度も見て来てる。そして、何よりも」


「彼女、いえ、彼男性ですよね?」


晴樹がそう言い菜月も賢治、そして俺も肯定の意味で頷くと、、真斗先輩と尚也先輩は驚いた表情をして俺達の方を見て大きな声を出す。


「ぇ!!?、ゎ、分かってたの?」


「ぁ、2人も知ってたんですか」


「うん、転校初日に家の都合で女装しているので、女性扱いしてください。と、言ってた」


「へぇ〜」


俺達がそんな話をしていると、蘭と野崎先輩の会話が終わりを迎えようとしていた。


「だから、何でこの階に居るの!」


「あぁ、もう、やから、俺は弟に会いに来ただけや」


「、、、、ぇ?弟?」


「そうや!」


蘭が人差し指を俺に向けてそう言ったので野崎先輩は少し冷静になって人差し指が向けられている俺に目をやる。


「、、、、貴方が蘭夜君の弟?」


「、、、、はい、弟ですけど」


「、、、、私勘違いしてた?」


「そもそも勘違いとされる様な仲やないやろ。お前はさっさとここから居なくなれ」


「ヤダ!ねぇ!貴方、お名前は?!」


元気に俺に挨拶をする野崎先輩に俺はちょっと引きながらも、俺は自己紹介をする。


「えっと、双野結人そうのゆいとって言います」


「結人君ね!ごめんなさい!てっきり、私の知らない女にでも会いに行くかと!」


「会いに行くか。俺は大事な弟に会いに来ただけや、、、はぁ、結。俺もう帰るな、教室に迷惑かけてごめんな。真斗、尚也、帰るで」


「はーい。4人とも、ごめんね〜」


「野崎さんも帰りなよ。じゃーねー」


3人はそう言って自分達の教室に帰って行った。そして残された野崎先輩はと言うと、


「もう、!蘭夜君、酷いわ!、、、、ぁ、ねぇ、結人君、聞きたい事があるんだけど、良いかな?」


「ぇ?聞きたい事?」


「うん!蘭夜君の好きな人って誰かしら?!」


「「「「ぇ?」」」」


「真斗君と尚也君が言ってたのよ。蘭夜君には告白をして返事を待っている人が居るって名前を聞こうとしたら、蘭夜君が止めに入って来て」

「弟の結人君なら知らないかな!?」


野崎先輩にそう言われて、俺は言葉に詰まって声が出なかった。「蘭が好きなのは、俺です!」何て、言えないし。と、思ってたら、一歩前に歩いた晴樹が口を開いて、


「先輩、それ知りたいなら、多分体育祭までには気付きますよ。誰が好きなのか」


「ぇ?、本当?」


「はい、あの人意外と面倒見良いんで少し落ち着いて接すれば分かると思いますよ」


「分かったわ!頑張ってみる!」


そう元気良く言って教室へと戻って行った。そして、俺達も机に戻って椅子に座ると、ドッと、疲れが体に来た。


「あの人、キャラ濃すぎる」


「何か、誰かに似てない?誰だっけ?」


「あれだよあれ、、、、湊斗さんに似てる」


「「「それだ。あの人、湊斗さんの亜種だ」」」


菜月がそう言うと俺達は、口を揃えてそう言う。

何だが、少しの間にとてつもなく疲れてしまった。ちゃんと、6時限目まで起きれるのだろうか。


何て思いながら5時限目の授業の準備をする俺達。

















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