【番外編】 別の世界線の年末年始




「、、、、寒い、って事は、、、、」


朝目が覚めて1番に感じた事はいつもより寒いと言う、感覚が来た。俺はすぐにベットから降りてスマホを見ると、


「、、、、やっぱり12月31日まだ別の世界線に来たかぁ〜」


2回目なので少し慣れてしまって、俺はすぐに服に着替えて1階に行くと、キッチンから物音が聞こえて来た。俺は少し駆け足でキッチンに向かうとそこには、


「!!?まっ、ママ!!?!?」


「あら、ゆい君、起きたの?早いわね」


朝ご飯を作っているママがそこに居た。


「何で居るn、、、、ぁ、(そっか、12月31日って事は年末だもんな、ママ帰ってるよな。パパも帰ってるよね)」


「?どうしたの?」


「ううん、な、何でもない、!」


俺がそう言うと、2階から足音が聞こえて来た。


「寒っ、、、、ふぁぁ〜、結〜、起きてるn、、母さんっ!!?!?」


らんが降りて来て、キッチンに入った瞬間、驚いた表情と大きな声を出した蘭。この反応は、


「何であるん!?ぇ、仕事休みなんか!?」


「何言ってるの。年末年始なんだから、家に帰るでしょ」


「ぇ?年末年始???」


蘭は驚いた表情をしながら、スマホの画面を見る。やっぱり、、、、俺は蘭の手首を掴んでリビングに連れて行く。


「うぉ、、、、結、どーしたん?」


「あのさ、違ったらごめんなんだけど、別の世界線って言ったら、分かる?」


「、、、、ぇ、結も行った事あるん?」


やっぱりかぁ〜、


「うん、って言っても2回目だけど、1回目はクリスマスイブだったけど」


「俺はクリスマスやったで、、、、俺と結付き合ってたんよな」


「ぇ、俺もって、同じ世界線に今居るしね」


「ぁ、そっか」


何て俺らが話しているとパパの声が聞こえた。


「ぉ、お前達起きてたのか。おはよう」


「「ぉ、おはよう」」


「何か、殆ど変わらん世界線やから普通に過ごすけど、時期がおかしいやろ」


「分かるけど、とりあえず俺はママの手伝いするから、」


「分かった」


俺はそう言って、ママの居るキッチンに向かって朝ご飯の準備を手伝う。


「ママ手伝うよ〜」


「あら、結君、ありがとうね〜、朝ごはん食べた後はおせちの準備とか手伝ってね」


「はーい」


何て言いながら味噌汁用のネギとえのきを切る。





「結、、さっき、姉さん達から連絡あって夕方過ぎには来るって」


「ぁ、そう?ありがとう」


今、俺はおせち料理の炒り鶏、紅白なますを作り終わった所で、市松チキンロールを作り始めようとしていた所に蘭が声をかけて来た。


舞葉まいは姉さんは明日来るって、、言っても俺らは明日には元の世界戻ってるけどな」


「言い方、まっ、そうだけどね」


「今日の夜ご飯何なん?」


「年越しそばを昼に食べるから夜ご飯はかぼちゃのシチューと、白菜使った鍋と鶏肉沢山あるし唐揚げかな」


「めっちゃ食べるな」


「まぁ、今年最後だし良いんじゃない。こっいの世界は」


そう言いながら、人参と大根の皮を剥いて1cm角、10cm程の長さで切る。


「結人、、、、ちょっとこっち来てくれないかぁ〜」


リビングからパパの声が聞こえて来て切っていた包丁の手を止めて、リビングに向かう。


「何〜、?」


「はい、晴樹はるき君、賢治けんじ君、菜月なつき間のお年玉。結人経由から渡しておいてくれ」


「ぁ、ありがと、、3人とも喜ぶよ」


「そうか、、、、」


「じゃ、俺戻るね」


お年玉袋3つをポケットに入れてキッチンに戻る。


鶏もも肉250g×2に切り込みを入れて開き、厚さを均等にする。

鶏肉に大根と人参を互い違いになるように乗せて巻き、凧糸を巻き付けて結ぶ。

鍋にサラダ油を引き、中火に熱し巻いた鶏肉を入れて、前面に焼き色を付くまで焼いたらキッチンペーパーなので余分な油を拭き取る。


水700ml、醤油大さじ4、料理酒大さじ3、砂糖大さじ3、韓流和風だし小さじ3、塩胡椒小さじ1、生姜チューブ5cmを混ぜた物を鶏肉の入った鍋に入れて中火で煮立たせてアクが出たら取り除く。

落とし蓋をして、中火で10分程煮たら落とし蓋を外して、煮汁にとろみが付くまで中火で煮詰めたら火から下す。


「よし、ジッパーに入れて冷蔵庫に入れるか」


ジッパーに入れて冷蔵庫にしまったら今日の作業は終わり。


「蘭、、、、凛花りんか姉さんと悠司ゆうじさんが来るまでこたつでぬくぬくしよ〜」


「はいはい、そうやな」


なんて話しながらコタツにinする俺ら。何か2回目だからか、あんまり気にしてない。それに元の世界の蘭が居るから安心、安心。こっちの蘭はちょっとヤバいし、、、、






「「いらっしゃい、姉さん、悠司さん」」


「ただいま〜」


「お邪魔します」


7時半に姉さんと悠司さんが家に来た。


「あれ?父さん達は?」


「鍋の準備してるよ」


「ふーん、てか、寒いわね、今日も」


「さっきも言ってたよ、凛花」


「姉さんは年中寒がってるんで」


何て話しながら、リビングに向かう。


「ぉ、悠司君、!来たか!お酒を用意してるよ!ウイスキー?日本酒?どっちが良いかな!?」


「ぇ、ぁ、ほろ酔いでお願いします」


「父さん!今日はあんまりお酒飲ませないでよね!」


「お父さん、嬉しいから、まだ蘭君、結君飲めないから」


「しょうがないやろ、俺らまだ高校生なんやから」


「あと数年待ってね」


なんて楽しみながらコタツに入ってご飯を食べ始める。


「では、今年最後の夜ご飯いただきまーす」


「「「「「いただきまーす!」」」」」


俺の挨拶でみんなが言って食べ始める。


「パクッ モグモグッ モギッ !かぼちゃとじゃがいもの甘さとシチューの濃厚さがあって美味しい!」


「でしょっ!結人の作るシチューは超美味しいのよ!」


「白菜と豚肉のミルフィーユ鍋、美味しいわ.体が芯から温まる感じだし」


「そうだな。豚肉の旨みが鍋に出てるな」


「んっ!唐揚げ美味〜、これはご飯に会うで!結、おかわり!」


「まだ、お椀に入ってるご飯あるでしょ、食べてからね。ん〜次は塩味の唐揚げにするか」


何て楽しみながら食べ続ける。元の世界の年末年始もこんな感じなのかな〜、何て思いながら、シチューを1口。


「そう言えば、舞ちゃんとこの麻莉奈まりな、あの子等々お年玉で一眼レフ買うって宣言したらしいわよ」


「「「「、、、、マジ?」」」」


「へぇ〜、凄いね」


「麻莉奈、俺ら取る気満々やな。誰に似たんやろ」


「舞葉姉さん似だよ。秀斗しゅうとさんと付き合ってた時、秀斗さんの写真撮りまくってたんだし」


「そう言えば、妹も義弟君の写真良く撮ってたな」


「そう言えば、そうね。弟は嬉しそうだったけど」


「?皆さんなんでそんな顔してるの?」


不思議そうに俺らの顔を見る悠司さんに、俺は。


「弱湊斗さんタイプの3世代の親子孫の話ですよ」


「、、、、ぁ、そう言う」


「何でそれで理解すんねん、笑」




・・・・・・・・・・・・・・・



「悠司君、日本酒もっと飲みなさい、!」


「まだ飲んでいるので、飲んでからで」


「だから、お父さん飲ませすぎないで!」


悠司さんにお酒を飲ませようとしている父さんVSあまり飲まないように頑張っている悠司さんと絶対酔い潰させない様にしたい姉さんの構図が生まれている。


「鍋にうどん入れたら普通に美味いわ」


「だね、、ぁ、エビあるけど入れる?」


「入れる、入れる。絶対美味いやんか」


「良く食べれるわね。私もうお腹いっぱいよ」


何てコタツでぬくぬく食べている末っ子2人とお母さんの図がこっちで生まれている。


「あと約10分で年越すな〜」


「だね〜、何も起こらずに年越せると良いな〜」


「結、辞めろ。フラグになるで」


「ぇ?、、、、ぁ」


蘭が真顔で俺に言って来て、ぁ、そうだ。この世界にはあの人も普通に居るんだったと気付いた時には遅かった。


「フラグ回収だね、笑 蘭君、ゆいゆい」


「「ぇ、、、、ギャッ‼︎ 湊斗みなとさん!!?」」


俺と蘭の背後からあの声が聞こえて振り返ると、あの人こと松原湊斗まつはらみなとが立っていた。


「なっ、何で、貴方此処に居るん!?此処俺ら家やで!?」


「ふ、不法侵入の前にどうやって入ったんですか!?」


俺らが困惑している少し駆け足でリビングに向かう音が聞こえて来たと思ったら、


「みぃ〜、なぁ〜、とぉ〜!!お前、何馬鹿な事したんだ!」


「「「「とおる/さん!」」」」


透さんがリビングに入って来た。ママとパパはと言うと、


「凛花達のお友達?」


「凛花、あの子ら酒飲めるか?」


「父さんは今それじゃない!」


少し混乱してから蘭が湊斗さんと透さんを正座させる。


「、、、、湊斗さんどうやってこの家に入ったんですか?鍵はちゃんと閉めてましたよね?」


「いや、その、はい。これ」


湊斗さんは観念したのはポケットから鍵を取り出した。


「これって家の鍵?」


「凛花さんが今年最後の集まりで部室に来た時に忘れて帰って、連絡しようと思ったけど、俺忙しかったから、今日しか暇じゃなくて、で、凛花さんは実家に帰ってるって言ってたから、丁度良いなって、透と話してそれで」


「俺もちゃんと止まればよかった。ごめんな」


「、、、、話は分かったけど、それなら事前連絡、驚くからホンマに辞めてや」


「ごめんって、俺ら家族なんやし許してくれるかと思ったんだもん」


「「家族じゃなくて、友達ね」」


「もう、酷い!」


俺と蘭の言葉で嘘泣きする様に項垂れる湊斗さんを透さんに任せる。


「とりあえず、鍵はありがとうだけど、帰って。今日は家族団欒の日なの」


「悠司さん家族じゃないでしょー!」


「私の彼氏だし結婚するから、家族だから!」


「ぇ、、、、凛花、、ぇ、ぁ、ありがとう」


「じゃ、俺湊斗引っ張って帰りますね。本当に失礼しました」


本当に透さんは湊斗さんを引っ張って家を出て行った2人に安心したのも束の間。


「ぉ、もう年越してるぞ?」


「「、、、、ぇ?」」


パパの言葉で時計をすぐに見たら、0時1分になっていた。


「もう!湊斗さんのせいやん!」


「騒いだだけで帰ってたもんね。湊斗さん、本当透さん可哀想」



・・・・・・・・・・・・・・・



次の日、1時過ぎに眠ってから起きると、普通に少し暖かかった。俺はすぐに隣の部屋に向かう。


「、、、、おはよう、蘭」


「、、おはよう。ホンマ昨日って言うより別の世界線は良い意味で疲れるわ」


「だね。朝ご飯すぐ作るね。、、、、こっちの世界では絶対起こらせない様にしようね」


「やな。今日はご飯たっぷり食べたい気分やわ」


「うん、任せて」


何て話しながら1階に降りる。また別の世界線に行くかもしれないが、その時は絶対に蘭と一緒が良い、と思える今日この頃。





































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