第4話 続き ライバル?味方?それとも、



「湊斗さん、で?今日は?」


「何々〜?蘭君今日は機嫌悪くない?笑」


「ぁ〜、今日の蘭はちょっと」


「弟君とあんまり話せてないからイラついてんですよ」


「えぇ、湊斗さんのせいで」


「酷い!俺はただ、蘭君達に作った服を着て貰いたいだけなのに!!」


「はいはい、それで?今日は??」


「今日はこれ!」


少し離れた所でそう言って綺麗爽やかイケメンのみなとと呼ばれる男性が袋から取り出したのは花柄ワンピースとカーディガンだった。


「カーディガンは叔父さんから送って貰ったやつでワンピースは昨日急いで作ったやつ!蘭君には似合うと思って!」


「、、、、女装なん?今日も」


「うん、蘭君の女装似合うし、良いよね?」


「はぁ、分かったわ」


そう言ってワンピースとカーディガンを受け取ってカーテンの中に入っていく蘭。そんな光景を見た俺らは、


「あの男がみなとねぇ〜」


「結はどう思う?女装させられてるけど嫌がってないっぽいし」


「まさか、マジで弱み握られてるとかないよね?」


「菜月、ありそうだから言わないで、でも蘭があの人と仲良しってのは、分かった。まだライバルか、味方かも分かんないし」


「「「確かに」」」


なんで話していたら、カーテンから出て来たのは、ミディアムぐらいの髪をハーフアップにして花柄のワンピースを着て上にはカーディガンを着た綺麗な女性が居た。だが、その女性を良く見たら、、、、


「蘭!!!??(小声)」


「やっぱ、蘭君はメイクしなくても本当に可愛い!パシャパシャ パシャパシャ」


「ホンマに、良い加減にしてほしいんやけど」


「あっ、次はしゃがんで!!」


何て興奮しながら女装した蘭を一眼レフで撮りまくっているみなと。


「うわぁ、蘭君先輩めっちゃ女装に似合うじゃん。才能ありまくりじゃん」


「そもそも何であの先輩と関わる様になったかが気になるんだけど」


「うん、蘭が夜ご飯食べずにみなと、と関わる様になったの蘭が高1ぐらいだったから」


「じゃあ、その時に何かが起きた」


「蘭夜君が女装をしないといけなくなった原因ねぇ」


「その原因が俺だったらどうする??」


「そうだったら俺真斗先輩を問い詰めますよ、、、、?クルッ !!??!?真斗先輩!!?(小声)」


「「「!!!?!?」」」


俺らで話していたら、左から話しかけられて返事をしたが、明らかに3人の声じゃなくてそっちを見たら真斗先輩が居た。その後ろには尚也先輩も、


「お2人ともいつから!?」


「結構前からかな。「あの男がみなとねぇ〜」ってところぐらいから」


「結構前じゃん!、?さっき言ってたあの原因が俺だったらどうするって、、、、本当?」


「うん、そのあの先輩の名前は松原湊斗まつはらみなとさん大学部の2年生。俺らにとったら高1の時の3年生でそこからの付き合い。あの先輩、大の綺麗な顔をしていて華奢な子好きで服を作る事と写真を撮ると言うダブル趣味でそれを部活動としていた」


「そんな時に、当時間違って写真部の部室に入った真斗が目を付けられたんだ。ほら、真斗って蘭夜程ではないけど華奢だろ?で、真斗は今の蘭夜みたいに女装だったり自分が作った服を着させてたんだよね。それで、とうとう俺らに相談して来て、それで蘭夜は湊斗先輩に文句しに行ったんだけど」


「逆に蘭が目を付けられたと?」


そう俺が聞くと、2人は深刻そうな顔をして大きく首を縦に振った。


「それから、蘭を含めた俺らはあの人が作った服を着て写真を撮られる事が増えて月に何回も此処に来ては女装とかさせられてるんだよね」


「女装したり写真撮られる分、お金貰えるし」


「ぇ、それちゃんとしたお金??」


「安心して、あの人実はブランドを持っててそれで結構稼いでるから」


「ぁ、なら良いんだけど」


そう説明されて、俺は少し安心したのも束の間。俺らと同じで屈んでいる真斗先輩と尚也先輩の背後に1つの影が見えた。俺らは上を見上げるとそれは女装を終えた蘭だった。


「2人共そこで何し、て、、、、結人??それに3人も、、、、」

「何で居るん!!??!」


「ぁ、バレちゃった」


「バレちゃった、じゃないねん!!何でや!まさか、女装した俺も見た訳ちゃうよな!!?」


「「「「ごめん、見ちゃった」」」」


「声揃えて合わんといてや!!」


焦った声で叫ぶ蘭。俺ら4人は何か隠れてるのもアレなので立ち上がって中に入る。


「ん?あれ、蘭君達お客さ、!!?!?」

「君!!!?」


俺らの姿が確認出来て話しかけて来た湊斗さん、言い終わる前に一瞬で俺らの方に来たかと思ったら俺の肩を掴んで、


「!!!!!!君、俺のモデルになってくんない!!?」


「、、、、ぇ??」


「はぁ?湊斗さん、結に何言ってんの??」


「ユイ?ぁ、この子が前に言ってた。本当は双子じゃなかった弟君!!?」


「ぁ、双野結人って言いま 「ゆいゆいって呼んで良い???」 ぇ、ぁ、はい」


「じゃ、ゆいゆいには早速俺が作った服達を着て貰いたいんだけど!!?」


そう言って俺の手を引っ張ってさっきまで蘭が居た場所に連れて来られた。湊斗さんの手には色んな服があった。


「ちょい待て!お前その手に持ってる服は何やねん!?」


「へっ?あぁ、本当は蘭君に来て貰いたいと思ってた服!」


「アミアミじゃねーか!」


「だって、ゆいゆいみたいな、可愛いけど綺麗な顔した子には絶対似合うじゃん!!」

「それとも何?蘭君が着てくれたりするん?」


「ええで、着てやる」


「わーい、ありがと」


そうアレよアレよと再びカーテンの中に入っていく蘭に俺は唖然としてしまう。


「うわぁ、あの先輩、一瞬で結人にも目を付けましたね」


「うん、蘭が言ってた。「あの人は絶対に結に興味を示す。だからバレたら危ない」って言ってた」


「ぇ、マジですか」


なんて言う会話が聞こえ、ちょっと嬉しいな、何て思っていたら、湊斗さんから服一式を手渡された。


「これ、着替えてくれる???」


「へ?、、、、はい、着替えて来ます」


そう言ってもう1つあるカーテンの中に入り、渡られた服達を見る。ロングスカートと肌が少し見えるぐらい薄い大きめでチェック柄のシャツ、薄っすら黄色が混ざったTシャツと、その下にはシャツと少し短めのチェック柄のスカートとカーディガンがあった。


「上から順に着るか」


そう思って着ていた制服を脱いでロングスカートを履きTシャツを着てシャツをボタンを閉めずに羽織る様に着た。カーテンから出るとまだ着替え終わってないのか蘭は居なかった。そして目を輝かせた湊斗さんの手にはウィッグと櫛があった。


「さっ、ここに座って!最高に仕上げるから!」


そう言われて俺は椅子に座って、蘭が付けていたウィッグより長めのウィッグを付けられて櫛とアイロンで綺麗にして髪をハーフアップにする。丁度し終わった時に、着替えとウィッグをつけ終わった蘭がカーテンから出て来た。蘭の服装は黒の丈が短めタンクトップに大きめのアミアミトップスのカーディガンタイプを着てジーパンを履いていて格好良い系美人って感じ。


「さっ、着替えた、で、、、、は?」


「ぁ、蘭」


「、、、、結?」


「うん、そうだけど?」


「、、、、、、、、湊斗さん?」


「いやぁ、ほんと蘭君の弟君なだけはあるわ!ゆいゆいのポテンシャルほんと舐めてた!」


「あぁあ、アレは完全に気に入っちゃったね」


「ん?真斗先輩、それってどう言う?」


「湊斗さんってさっきも言ったけど根っからの華奢で綺麗な子好きじゃん?それで、結は蘭に似て華奢で綺麗な顔じゃん?それに蘭以上に女顔だから、気に入られ率倍増だから」


「蘭夜はそれを警戒してたんだよね笑。まぁ、俺らは完全な湊斗先輩の被害者だから」


そう言う2人の目は完全に「何言っても無理だからあの先輩」と言う諦めた目をしていた。そんな2人を3人は慰めている。俺は鏡で今の自分の姿を確認した。メイクも何もしてないので普通に髪と服以外は男だと思っていたが、何か変な加工付けているかの様に俺のはずなのに普通に女性に見えてしまった。


「やから、ホンマに結人はモデルにせんから!!」


「蘭君酷い!まっ、怒った顔の蘭君も可愛いけど!」


「ホンマに、お前はわぁ、、、、笑、はぁ、ちゃんと怒れない俺も大概お前に甘いんかもな笑」


「、、、、ズキッ 、、、、?(今のズキッっての何?ぇ?ん?何だ?気のせい?)」


何て思って居たら、後ろから声が聞こえた。


「結人!?何で、居んの!?」


「、、、、凛花りんか姉さん!?何で!?」


「いや、私ここの部の部員だし、」


「部員??、、、、蘭〜、俺知らなかったんだけど??」


「、、、、テヘッ 」


「テヘッ じゃないよ!何で教えてくんないのー?!」


「言う暇がなくて」


「もう、教えてくれたら良かったのに!」


「まぁまぁ、落ち着いて、君は凛花の下の弟君?」


そう俺と凛花姉さんの間に来たのは蘭より大きめの穏やかそうな男性だった。


「はい、双野結人です。えっと、貴方は」


「ぁ、俺はここの部長で橋本悠司はしもとゆうじです。一応凛花とお付き合いさせて貰ってます」


「!マジですか。ぁ、姉がいつもお世話になっております。今後とも姉をよろしくお願いします」


そう言って深々と頭を下げる。すると部長さんも頭を下げて、


「はい、凛花を幸せにさせて貰います」


「/////何、馬鹿な事言ってんの!悠司!」


「うわ、姉さんが照れた」


「うるさい!蘭夜!」


何て顔を真っ赤にしながら蘭にツッコむ凛花姉さん。少し周りを見ると、何かスッゴイ薄暗い雰囲気を纏った賢治が目に入った。


「、、、、やっぱり兄さん、ここの部員だったか」


「よう、賢治、来るんだったら一言俺に言えば良かったのにな」

「晴樹と菜月、久しぶりだな。前にあったのお前らが高2に上がる前だったからな」


賢哉けんや君先輩、久しぶりでーす」


「賢君、あんまり変わらないですね」


「賢哉君の弟君とそのお友達可愛い!ぁ、私賢哉君の同級生で古瀬恵ふるせめぐみです!よろしく!」


「うわっ、賢哉君だ」


「知り合い?」


「はい、あそこで賢哉君に詰められてるのが賢哉君の弟です。俺ら幼馴染で」


そう真斗先輩と尚也先輩に説明する。すると、パシャパシャと言う音が聞こえ音の方向を見ると楽しそうに俺と蘭を撮る湊斗さんの姿があった。その顔は愛おしそうに好きな人を見るような顔だった。


「良いよ!良いよ!らんらんのその妖艶な美しさとゆいゆいの可愛い美しさ!全部良い!!」


あんな顔をしながらも興奮して狂気を含んだ目をしながら俺らを撮る湊斗さんの顔はちょっと怖いとも思えた。


「ホンマ、ごめんな、あの馬鹿のせいで」


「ううん。蘭が何してるのか気になったから、それに楽しいから俺は好き」


そう笑顔で答えた。そして俺と賢治、晴樹、菜月の心は多分同じ気持ちになったと思う。


「「「「(あの人の場合、ライバルとか味方との前に、、、、変態だ!!)」」」」


と言う答えに行き着いた。なんて思っていたら湊斗さんに「もう1つ渡した服に着替えて来て」と、言われてまたカーテンの中に入る。着ていた服を脱いで綺麗に畳んでシャツを着てリボンを付けて、スカートを履き大きめのカーディガンを着る。着るとちょっとシャツもカーディガンも大きいから自然と萌え袖になる。黒タイツを穿いて着終わってカーテンから出る。


「ほわぁ、やっぱり似合う!!」


「そりゃあ、俺の可愛い弟だから」


「私からしたら蘭夜も可愛い弟だけどね」


「何2人共後方彼氏目線みたいな立ち位置してんの?笑」


いつの間にか着替え終わっていた蘭夜。また椅子に座らされた俺は湊斗さんにナチュラルメイクをされた。


「ちょっと赤めのリップも映えるし!目元をキラキラさせたいからラメ入りを使います!」


5分足らずでメイクが終わり、見た目は完全な女性へと変化してしまった俺。少し童顔っぱい顔立ちのため普通に女性に見えるので自分でも少し可愛いと思ってしまった。


「、、、、あの、今気づいたんだけどこの制服うちの高校の制服じゃ?」


「うん、知り合いに頼んで今のデザインのを持って来て貰った!因みに、蘭君のも撮り済みです!」


「、、、、諦めや、結。この人に常識は通じへんから」


平然と言う湊斗さんとは対照的に疲れた目をする蘭夜。大変そうだなぁ、何て思って居たら、蘭夜に近づく先輩方、


「蘭夜、何かお前お兄ちゃん風吹かしてねぇか?」


「うんうん!いつもの生意気ならんらんとは何か違う。何か甘い!」


「いつもの蘭夜とはちょっと違うからびっくりしたけど、やっぱり好きな人の前だと甘いの??」


「この前告白したって聞いた時は驚いたわよ」


「蘭君は蘭君らしく甘やかせば良いからねぇ〜」


「何そのニヤニヤした顔で俺に近づくん?マジ辞めてや!//」


そう薄っすらと顔を赤ながら、対抗している蘭。その姿を見て、俺は


「ズキッ ズキッ (あれ、何かこの光景見たくない。何か、この空間に居たくないな。何でだ?何で?、、、、ぁ、あの人達邪魔だ、、、、!?今何て言った?)」


「?結人、大丈夫。体調すぐれない?」


「椅子座るか?」


「何かいる?熱とか?」


「顔色悪いし、蘭夜に伝えるか?」


「俺が伝えよっか。尚也は結見て、」


「!だ、大丈夫!ちょっと飲み物買ってくる!」


俺はそう言ってその場、部屋から出て1階に降りて大学の中庭に来てベンチにちょこんと座り俯く。


「さっき、湊斗さん達の事邪魔だって思っちゃった。何でだ?真斗先輩や尚也先輩が蘭と話してても何にも思わないのに、何で?」


混乱しながら、色々考えてある答えに辿り着いた。


「ぁ、これ嫉妬か、、、、好きな人が他の人と一緒に居たり好きな人の知らない所を知ってる事に嫉妬しちゃった」

「あぁ(泣)、俺馬鹿じゃん、蘭は俺の事好きだって分かってるから離れないって思っててもいつかは違う人好きになるかもじゃん。ずっと蘭から愛される訳ないじゃん。それに、俺は蘭からの愛をちゃんと答えれてない。今伝えたら可哀想だって言う理由で答える勇気がなくて返事する事から逃げてるだけじゃん(泣) ポロポロ ポロポロ」

「挙げ句の果てに他の人と楽しそうにしてたら、嫉妬するとか最低じゃん」


そう呟きながら泣いて居たら、2つの影が俺を覆った。俺は頭を上げると、


「君〜、高等部の子?何〜、何で泣いてんの?、、、、ぁ、年上の彼氏にでも泣かされた??」


「なら、俺らとデートしよ!それで悲しいの、忘れさせてあげるから!」


「、、、、だ、大丈夫です」


「良いじゃん!良いじゃん!それに、君みたいな可愛い子が1人で居たらこうなる事ぐらい分かるでしょ笑」


「そうそう!」


そう笑ながら俺の腕を掴み引っ張って移動させようとする2人の男達。必死に抵抗しようと力を入れるが2人の男に到底敵うわけもなく、連れて行かれそうになった時、


「ゃ、辞めてください!」


ポンッ

「おい、何、人のもんに手ぇ出してんのや?」


「、、、、蘭(泣)」





「ホンマに、良い加減解放させろ!」


「えぇ、ん〜なら、蘭君蘭君!今度これ着て欲しい!ゆいゆいと一緒に着てここに来て!」


「人の弟巻き込まないで」


「テヘッ いやぁ、凛花先輩の弟さん達良い素材ですから」


「良い加減にしないとはっ倒すから」


「やっぱり、凛花さんと蘭君先輩って姉弟なんだなぁ」


「分かる。あの2人、性格は違うけど姉弟の事大好きってのは同じだからね」


何て話は少し無視して辺りを見ると結人の姿が見えない。俺は近くに居た賢治に声をかけた。


「賢治、結は?」


「へっ?ぁ、さっき飲み物買いに行くって言って出て行きましたよ、、、、ちょ、兄さん、スマホ勝手に触んないで!」


「何?見られたくない物でもあんのか?」


「賢哉君、弟君には優しくしなきゃ」


「恵だってこーゆう弟持てば分かるから」


「「つくづく賢治じゃなくて良かった」」


「そっ、分かった、ありがと」


そう言って俺は部屋から出て1階に降りて結を探して中庭に来たら、大学生2人に連れて行かれそうな結を発見。その顔は遠目からでも分かる泣いた後だって、俺はすぐに3人のところに向かい1人の肩に手を置いて一言、


ポンッ

「おい、何、人のもんに手ぇ出してんのや?」


「、、、、蘭(泣)」


「あん?何?お前、この子の彼氏?」


「そうやけど?何?」


「!?へっ?/////////」


「だったらダメじゃん。女の子泣かせちゃ」


「うっさいねん、とっとと手放せ」


「えぇ、ヤダ」


「これから俺らと遊ぶんだから」


そうニヤニヤとした笑みを浮かべて言う2人に俺はある事を思い出して一言、


「お前ら3年?」


「そうだけど何?」


「なら、双野凛花って知ってる?」


「、知ってるも何も、学科内では知らない人は居ない超が付くほど恐れられてる奴だろ」


「俺、その人の弟、で、お前が掴んでるの姉さんが超気に入ってんだよ。もし、何かしたら、お前ら、、、、」


フッと笑う俺とは対照的に、びびって怖がっている男達は一瞬で結の腕を掴んだ手を離し、何処かに逃げる様に行ってしまった。離した瞬間、俺はベンチに座り瞬時に結を俺の腕の中にスポッと収まる様に引っ張る。


「はぁ、ホンマに心配したんやで」


「ごめん、その外の空気吸いたくて」


「何があった?泣いてたっぽいし」


「ううん、大丈夫(何か、落ち着くなぁ、蘭の中に居たら悲しくないし、それに一緒に居るって実感出来るし心が暖かいなぁ、、、、ぁ、そっか)」


「ホンマか?結、無理する時は嘘つくやん?俺には通じへんよ?」


そう言って結人の頬を両手で包み顔が見える様にあげる。


「(あぁ、寂しかったんだ。俺、夜ご飯の時1人で食べるなんていつもなかった。誰かしら居たしいつも蘭が居た。だけど、ママとパパが転勤先に行ったら、2人だけの食事、そしたら蘭が居なかったら1人だ。あぁ、あの時の心の痛みは嫉妬じゃなくて、寂しいから痛かったんだ。蘭が近くに居ないから、蘭が居ないとやっぱり俺ってダメだなぁ。好きな人とかそう言う理由じゃない。ずっと側に居た片割れが側に居ないと、俺は寂しくて辛いんだなぁ笑、こうやって蘭の暖かさ感じれるのって今は俺だけだもんなぁ。こうやって抱きしめられてる分だけ寂しさが埋まる)」

「大丈夫だ、、(泣) ポロポロ、、、、あれ?何で泣いて、ダメだよ。泣いちゃ、あぁ、止まんないなぁ」


「別に止めなくてもええやろ?悲しい時、寂しい時は泣いて良い。泣き終わるまで俺がそばに居る。俺がずっと結人のそばにあるから、やって俺は結人が大好きなんやからな」

「結人のどんな姿でも俺は愛せるし、愛せへんのや。やから、結人を世界で1番愛しとるのは絶対忘れんでや」


そう言って結を包み込む。すると俺の肩に頭を置いて両手は俺の背中に回しぎゅっと抱きつく結人。可愛い!甘えん坊だからやる技!ホンマに可愛い!!数分経つと泣き終わったのか、目を擦りながら俺を見る結人。俺は立ち上がって結人の真ん前に立つ。


「あぁ、アカンやろ。目擦ったりせんの、」


「ん〜、だって〜、何か目に入った気がする」


「もぉ、良く目見せて」


「んっ(泣)」


そう言ったら上目遣い&涙目で俺を見つめる結人。ホンマに、俺やから我慢出来たけど、俺やなかったら朝ってただ?!?俺は、我慢出来ずに結人にキスをする。


チュッ

「、、、、?!/////////今、何した?」


「?キスやけど?」


「き!?な、何して!?」


「やって、そんな可愛い顔されたら我慢出来んやん?」


「〜〜〜!!?!?もう/////恥ずいじゃん!」


「、、、、もっかいええ?」


「!!?!?、ぇ/////////(イヤイヤ、もう1回は無理!したら恥ずか死ぬ!!でも、まだ寂しいから1回だけでも良いよね?)」

「、、、、コクンッ 1回だけだよ」


「!!?!?マジ?」


「マジ、やるなら早めに」


「おん」


そう言ってまた結人の唇にキスをする。その顔は月光に照らされていて本当に綺麗だった。ドキッ心臓が跳ね上がり、体温が熱くなるのを感じる。
















パシャリ


「フフッ 可愛い写真ゲット!、、、、でも、ゆいゆいは早く気持ち伝えないとね?じゃないと、奪っちゃうよ?いや、蘭君にも同じ事が言えるか笑」


そう2階で言う俺の天敵の声に気付かないほど、結人に見惚れていた。


















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