REPLAY(リプレイ)~外れスキルで無能扱いされた俺、幼馴染みを救うべく何度でもやり直す(仮)
たくミン☆
第1話 『転向者』来る
【プロローグ】
――ザクッ!
迷宮にて、魔物の
薄れゆく意識の中、俺の脳裏に走馬灯のように『
【ここから再生しますか?】
目の前に現れる無機質な文字。だが『今の俺』にとって、これほど『頼もしい』ものはない。
考えるまでもない……俺が迷わず【Y】を選ぶと、視界が歪んだ。
最初こそ戸惑ったが、もう慣れた。俺にとって『必要不可欠』なのだから。
◇ ◇ ◇
俺の名は
朝一で考えるのが、今日は学校にいくか否か。
ちょうどやるゲームがなくなったので、今日くらいは行くか。そろそろ単位も危ねぇしな。
俺は今、ボロアパートで独り暮らしをしている。昔から両親とは、折り合いが悪かった。学費など、最低限のカネは送ってくる。足りない分は、バイト等で
深夜バイトが出来ないのが難点だが、小遣い稼ぎにはなった。ゲームの新作も買えるしな。
「うおっ⁉ 眩しぃ!」
俺は思わず、朝日を手で遮った。なんせ普段は土日のバイト以外、カーテンを閉めた部屋に引きこもってるからな。
よく男のクセに、『色白』とか言われてる。髪も色素が抜けて灰色、ゲームのやり過ぎか目は赤く充血している。
これじゃまた
「あっ、裕! 今日は登校するのね⁉」
そう思った矢先、声を掛けられた。赤毛ショートの女子が腰に手を当てて、俺を見据えていた。
「もぅ! 連絡してたら、迎えにいってたのに」
「要らねーよ、ガキじゃあるめぇし」
花怜は昔から世話焼きだ。頼んでもねぇことを色々やる。それに登校するかどーかは、俺の気分次第だ。
「裕さぁ……今まで『色々』あったのは分かるけど、もう高校生なんだからちゃんとした方がいいよ? 自動進級じゃないからね」
「分かってるって。バイトもしてるだろ? ホント、花怜はお節介だよな」
とはいえ、花怜には大きな『借り』がある。
ガキの頃に俺がふざけて道路に飛び出した際、花怜が俺を庇って車に
それが、今の『一人暮らし』に繋がっている。花怜には、いつか借りを返したい。
「分かってるならいいけどさ。でも裕が引きこもらず、たまにでも登校してくれて嬉しいよ」
「花怜は俺のお袋かよ。って、もう着いたぞ」
時は5月、登校はGW明けて初だ。4月は入学式以来、何度か登校しただけ。教室に入ると、花怜は女子から「おはよ花怜」と挨拶される。
クラス委員長の花怜は、人気もある。対称的に俺は「あんなヤツいたっけ?」という反応だ。
幼馴染みを除いて、俺はいわゆる『ぼっち』属性だ。俺も群れる趣味はない。さっさと窓際の席に着く。ん? 前の席が『空いてる』が、誰か欠席か? まーあまり興味はないが。
「皆さん、おはようございます。連休明け、無事に登校できてよかったです。あら? 真上君、久し振りですね。お変わりないですか?」
教室に担任の
俺は「問題ありません」と短く答えた。隣の花怜に「ちょっと裕っ」と注意されるが、俺はあまり興味がなかった。
「コホン、とにかく元気そうでなによりです。今日は皆さんに『転校生』を紹介します」
その一言で、皆が先生に注目した。男子は「先生、男ですか? 女ですか?」と食いつく。
「落ち着いて。エリカさん、入ってきて」
ガラっと引き戸が開き、一人の『少女』が入ってきた。クラス中が息を呑む。それもそのハズ。
腰までスラリと伸びた、金髪のロングヘアー。整った顔立ちにルビーの瞳が印象的で、『絶世の美少女』という表現がピッタリだった。
パッと見、『帰国子女』といったところか? 少女は黒板の前に立つと、スラスラと『日本語』で自身の名を書いた。そこには……
【エリカ・シュタインズ・リボンズ】とあった。
「皆さん初めまして、エリカと申します。どうぞよしなに」
振り向き挨拶した彼女に、クラス中が「おぉ」とどよめく。日本語まで
「エリカさんって、どこの国の出身なのぉ?」
早速、女子の一人が手を挙げて質問する。すかさず先生が「質問は後にしてください」と制すが、エリカは「お一つだけでしたら」と微笑。
「私の出身は、リボンズ王国ですわ」
「リボンズ……? 聞き慣れないけど、リスボンじゃなくて?」
花怜が訊き返す。リスボンって、確かポルトガルの首都だったか。どう見ても、西洋系だしな。
「いいえ、リボンズで合ってますわ。私は
シーン……その一言で、クラス中が沈黙する。女子らは「このコ、天然?」とヒソヒソと話す。
「あー静かに。エリカさんは、真上君の前の席でお願いします」
俺の前かよ……空いてたのは、転校者用か。 エリカは着席する前、俺に一言。
「
「は…………?」
俺は思わず、エリカを見上げた。記憶にねぇが、もしかしてガチの天然か? 注目されるから止めれ。俺は極力、目立ちたくねーんだ。
「さて、エリカさんの紹介も終わったところで……一時限目は、私の現国ですね」
――キンコンカンコーン。
午前9時、始業のチャイムが鳴る。『日常』が始まった。俺も
瞬間。
――ビキッッ
「……
REPLAY(リプレイ)~外れスキルで無能扱いされた俺、幼馴染みを救うべく何度でもやり直す(仮) たくミン☆ @takumin1110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。REPLAY(リプレイ)~外れスキルで無能扱いされた俺、幼馴染みを救うべく何度でもやり直す(仮)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます