【本当にあった怖い話】TikTokで起きた怖い話。炎上したいティックトッカーが本当に炎上してしまった末路…【洒落にならない怖い話】
【本当にあった怖い話】TikTokで起きた怖い話。炎上したいティックトッカーが本当に炎上してしまった末路…【洒落にならない怖い話】
【本当にあった怖い話】TikTokで起きた怖い話。炎上したいティックトッカーが本当に炎上してしまった末路…【洒落にならない怖い話】
天川裕司
【本当にあった怖い話】TikTokで起きた怖い話。炎上したいティックトッカーが本当に炎上してしまった末路…【洒落にならない怖い話】
【本当にあった怖い話】TikTokで起きた怖い話。炎上したいティックトッカーが本当に炎上してしまった末路…【洒落にならない怖い話】
▼登場人物
●吉田由美(よしだゆみ):15歳。女子。高校1年生。
●梶田詩織(かじたしおり):15歳。女子。高校1年生。
●駅員:男性。40歳くらい。一般的なイメージで。
●サラリーマン男性:40歳くらい。一般的なサラリーマンのイメージで。
(イントロからメインシナリオのみ=4141字)
イントロ~
「ネット炎上」この言葉はもう流行語である。
なぜ炎上するのか?
だいたい挙げられるのは「不快感極まりない迷惑行為」を連続的に続けた時だ。
そういうのが堂々とアップされたり拡散されれば、たちまち炎上の的になる。
今回は、その炎上から更にレベルを超えた、身の毛のよだつホラー譚にまでなった話だ…
メインシナリオ~
ト書き〈人気(ひとけ)の無い電車の窓に顔を挟んで遊ぶ様子〉
由美)「ねぇねぇ、またアレやろっか?」
詩織)「そだね♪今度はどぎつい顔して映ってやろ♪どんな反応あるか楽しみだね」
語り:由美の声で)
アタシ達は今年高校に入学したばかり。
高校に入学したっつっても喜んだのは束の間で、入学してから日が経つにつれ、段々毎日がマンネリして来て退屈になる。
そんな退屈を打破するのに思い付いた事!
それは人気ユーチューバーにでもなって、リア充を確保するって企みだった。
でもユーチューバーはいろいろ知識が必要で面倒臭く、結局、ツイッターとかインスタで「珍しい画像・動画をアップしまくる!」ってのに落ち着いた。
ト書き〈由美が電車の中にいてスマホで撮影〉
由美)「ぎゃははは!おもろいおもろい♪ってかアンタ、めちゃくちゃひでぇ顔だよ!あっはっはは♪」
語り)
まずアタシが電車に乗ってスマホを構え、ホームに残った詩織がわざと電車の窓に顔を挟んで変顔をする。それをじーっくり撮影した後、ソッコーでツイッターに投稿。
初めにこれを投稿した時、何故かこういうのがウケるのか、どっとフォロワーが付いた。「いいね」もかなりの数!
それに味を占めたアタシ達は、今これにハマっている。
ト書き〈ドアがまた開いて駅員が怒って走って来る〉
語り)
でもそんな事すりゃすぐ駅員にバレて怒られる。
一度閉まりかけていたドアが「ガタン!」と音を立ててまた開いて、この時もホームの向こうのほうから猛スピードで、怒った駅員が走り込んで来ていた!
由美)「早く逃げろ逃げろォ~~!」
詩織)「きゃあああ~~(笑)」
語り)
アタシ達はいつもわざと、人気の無いプラットフォームを選ぶ。
そうすれば捕まる危険も少ないし、こんなふうに遠くから駅員が走って来てもすぐ逃げられる。
そして階段が近い場所を前もって選んでおき、駅員とかがこんなふうに走って来たら、ソッコーで階段を降りて雲隠れ。
電車内も出来るだけ乗客が少ない時間帯を選んでいた。
ト書き〈走る電車の中〉
由美)「よしっと、これで投稿完了!またまたこれで注目度アップだなぁ~♪」
由美)「にしても詩織のヤツ、上手く逃げられたかなぁ」
ト書き〈駅にて、トイレの中にいる詩織〉
詩織)「はぁはぁ…ここに隠れてりゃ絶対安心なのよねん♪オッサンも入って来れないし。由美のヤツ、今頃もう投稿してくれてる感じだね♪また今夜にでもじっくり今日の成果を楽しませてもらいますか♪」
語り)
こんな感じで、今日も退屈しのぎの為の一応の成果物を投稿できた♪
これをアタシらは学校や、家の場合は夜寝る前なんかに何度も見返しながら、自分達ながらの達成感と充実に浸るってワケ。
乗客が迷惑するって?あっはは、そんな事一切考えない♪
アタシらが楽しかったらそれでいーの♪
ト書き〈炎上している彼女らのツイッター〉
語り)
その日の夜、アタシの家に詩織が泊まりに来て、一緒に今日の成果を送ったツイッターを見た。すると…
案の定、炎上していた(笑)
「バッカじゃねーのこいつら!」「迷惑行為はやめて下さい!」「どーせこいつらの偏差値、地中に埋もれてんぜw」「バカ田高校の工作員役2名」「アホ丸出し」…
数限りない悪口雑言が、いかにも華々しくアタシらのツイッターに贈られていた♪
由美)「はは♪来てますねー来てますねー♪てか人気爆発だねこりゃ(笑)」
詩織)「いー感じだねぇ~♪こーやってコメント寄せられるって事はさぁ、つまりアタシら注目されてるって事だよね?つまり有名人?有名人?あっははははは!」
由美)「そうそ♪高校生にして、他の一般人とは比べモンになんないくらいの有名人になったのよん♪い~感じよねぇホントォ」
由美)「ね、ここ炎上したらさ、また別のアカウント作って投稿続けよ♪ね?IDなんかポイ捨てでやりゃいーんだしさ、それ繰り返してたら超BIGになれんじゃない?」
詩織)「いぃいねぇソレぇ!やろやろ!絶対やろ!盛大にやろ♪」
語り)
アタシと詩織はメチャ喜んでいた。
とにかく「自分らが注目されてる」ってのが嬉しくて、更にもっとネット上での栄冠を増やそうなんて考えていた。
サイトを2つ創っておいて、1つは捨てる用のサイト、あと1つは公式アカウントのように管理して、炎上しない程度に運営して行く。
どーせネットで爆発的人気を獲得したヤツらなんか、こんな炎上何度も経験してる♪
まーったく問題ではない♪
そんな感じでアタシらは、取り敢えずいま自分達のサイトで人気のある「電車のドア 顔挟まり隊!」の活動を、更に大々的に展開していった。
ト書き〈J駅にて〉
由美)「よし、スタンバイOKよん♪詩織ィ、今日はちょっと長く挟まる感じでさ、苦しむような演出頼んますよ♪」
詩織)「駅員のオッサンとか他の人らもいないよね?…よっしゃ♪任せとき!熱演見せてやんよ!」
語り)
このJ駅は都内でも沢山の人が利用する有名な駅。
ここであの「電車のドア 顔挟まり隊!」やれば、駅の知名度も相俟って、そのぶん注目度もアップするというものだ。
この日、アタシと詩織は朝早くからガッコの制服を着てカモフラし、いかにも「登校中」を装ってタイミングを待っていた。
学校行ったって詰んないし、それより「こういうので有名になったほうが遥かに価値がある…!」な~んて思いながら、アタシらは学校を休んでずっと駅にいる。
ト書き〈電車がホームに入って来る〉
由美)「あ…来た来た…!詩織、行ける…?大丈夫…?」
詩織)「うん、OKよん…!」
語り)
朝からずっと時間待ちして、ようやく絶好のタイミングが訪れた。
先ず駅員はいない。
それに撮影に邪魔になる乗客もほとんどいない。近くにいたのは年老いた婆ちゃんとガキだけで、どっちも大人しい感じだったので問題なかろう。
由美)「よし!先ずアタシ入るからね、あんたスタンバっといてよ!」
語り)
いつも通りにアタシが先に乗り、スマホのカメラを用意して、その後ドアが閉まる瞬間に詩織が顔を挟む…この2段階の単純な計画を立てていた。
ト書き〈撮影開始〉
車内アナウンス)
「えー間もなく発車します、お乗りの方は~」
由美)「(よしっ!来い詩織ィ!)」
語り)
間もなく発車するその直前、アタシの手招きの合図に合せて詩織が勢い良く挟まりに来た!
が、その時…!
ト書き〈後ろから駆け込んで来たサラリーマン男性にぶつかられてしまう詩織〉
語り)
勢い良く階段を駆け上がって来たサラリーマン風のオッサンに、顔を挟まらせていた詩織は思いきりぶつかられてしまった…!
詩織)「ふぐっ!!」
由美)「あっ…!」
サラリーマン男性)「あ!ゴメン!チっ無理か!…ふぅふぅ…(なんだ…?こいつら何やってんだ一体?)」
語り)
サラリーマン風のオッサンはそのまま立ち去った。
でも勢い良くぶつかられた詩織は顔じゃなく、首が挟まってしまう事態になった!
しかもドアがいつものように開かない…!
由美)「し…詩織ィ!あ、あんた大丈夫…!?」
語り)
周りに乗客はいない。私はすぐシートから立って詩織に駆け寄った。
でも詩織は「グブゥ…!グブゥグゥグゥぐぐぐぐ…!」とか言ってるだけで、言葉にならない。苦しみながらずっとドア向こうから手でバンバンやっている。
ト書き〈走り出す電車〉
由美)「ちょ…!ちょっとォ!コレぇ…!なんでよォ!」
語り)
体をホームに残し、首から顔だけが車内にある詩織は、タッタタッタと小走りしながら電車の動きに合わせて走る。スピードはどんどんアップしていく。
ト書き〈電車のドアを思いきり叩きながら〉
由美)「ちょっと開いてよォ開いてよォ!なんで開かないのよォ!!」
詩織)「ぎゅいいいいいィィィいいぃい!」
語り)
どうした事か、この日はホームに駅員がいない!
どこにもいない!
電車のドアもやっぱり開かない!
アタシは思いきりドアを叩いていた。詩織も続けて向こうからバンバンやってる。
でも開かない。仕方なく詩織はどんどんスピードアップしていく電車に付いて行くしか無い。
ト書き〈鉄柱に思いきりぶつかり詩織は首と胴体が切断される〉
由美)「…!あ…ああ…!詩織ィィい!は…早く…早く首引っ込めてぇええぇ!」
語り)
もう何も言えなくなった詩織にアタシは思いきり叫んだ。
その時ホームの鉄柱がどんどん近付いていた!
鉄柱にぶつかる衝撃音)「バァン!!」
詩織)「グビィィ!!」
由美)「はぁあぁっ…!」
語り)
詩織のドアから向こうの体は猛スピードで走る電車に振られ、鉄柱に思いきりぶつかった。その瞬間、詩織は首と胴体が切断された。
ト書き〈ゴトンと詩織の頭が車内床に落ちる〉
語り)
「ゴトン…!」と鈍い音を立て、詩織の頭は車内床に落ちて少し転がった。
由美)「は…は…はぁ…はぁ…はぁああぁあ…い…イヤ…イヤぁあぁあぁぁああぁあ!!」
ト書き〈転がった詩織の顔はちょうど由美を見る感じで止まる〉
由美)「イヤぁ…いや…ヤだ…ヤだぁ…!あわわ…わわ…助け…助けてぇ…」
語り)
アタシはもう半狂乱だった。
そこから逃げようとした。
その時、床に落ちた詩織の顔がちょうどアタシの方を向き、生気の無くなった虚ろな表情で、一言だけ呟いた…
詩織)「…ア…アタ…シ…どう…した…の…?」
由美)「…」
ト書き〈数日後〉
語り)
この出来事はあれからすぐ「悲惨過ぎる事故」として大々的に報道された。
既に炎上していたアタシと詩織のツイッターも、改めてニュースで紹介された。
由美)「…まさかこんな形で有名になるなんて…絶対…イヤ…」
ト書き〈現実社会でバッシングを受ける由美〉
語り)
この事を受け、全国的に駆け込み乗車やいたずら心でドアに何かを挟んだりする行為への、「取り締まり強化期間」が設けられた。
アタシはこれまで「炎上」をはじめネット社会で散々叩かれてたが、今では現実社会で叩かれている。ネット世界での炎上ではなく、これからは実家の炎上に注意しなければならないようだ…
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=Lh8jj0W40HY&t=135s
【本当にあった怖い話】TikTokで起きた怖い話。炎上したいティックトッカーが本当に炎上してしまった末路…【洒落にならない怖い話】 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます