一章:序説 第二十七話 わからないことだらけ!!
ハッ!? そう目を覚ますと知っている天井が目の前にあった。
トリステルが顔を覗かせる。
「あ、お姉ちゃん 無事!?」
「え? え!? トリステル様!!」
驚いて起き上がるミエラ。
周囲を見渡すと、医務室に居るようでトリステルと槍を支えに寝ているグラディウスが居た。
不思議とみんな無事だということに、安心したのか一息つかせる。
「お姉ちゃん すっごい血出てたけど、大丈夫? 今も痛くない?」
そう言われ、無意識に顔を触れる。
そこに何の痛みも、違和感もなかったため、ミエラは「大丈夫だよ」とそう伝える。
トリステルは安心し、ベッドの横にあったイスに座る。
「よかったー」
その勢いで出た音で起きるグラディウス。
すっと焦点を合わせるとベッドから立ち上がっていたミエラを見るやいなや、急いで駆け込み「大丈夫か!?」と
ミエラはグラディウスも安心させるように、
「大丈夫大丈夫」と逆にグラディウスを心配する。
「ああ、俺は騎士だ これぐらいの怪我なら全然....それにクラカルのあれは本気じゃなかった」
それは私も思う。
本気で殺そうとしていたなら、
"もうとっくに殺されていた"
そんな力量を感じさせるほどの相手だった。
一瞬ハミルトンの.....姿を思い出す。
それで吐き気を催してしまうミエラ。
大丈夫か?と優しく背中を擦るグラディウス。
「グラディウス様はすごいですね
私は結局なにもできませんでした」
「いいや一番勇敢なのは君だ ミエラ
君が居なければ、俺はもうとっくに...」
トリステルが割って入る。
「そんなことはどうでもいいよ 2人とも無事だったんだから ....僕憲兵呼んでも、全然入れなくて心配で心配で」
そう目をうるわせていた。
すると部屋へと入る人が何人かやってきた。
そこにはアルトとアルランとマクナガルが入ってきた。
3人とも私を見つけるやいなや、一同「大丈夫か?」と駆け寄ってきた。
3度目です。
(みんな心配してくれたんだ....)
―、
アルト
「結局今回はダンタリ騎士団の暴走が原因なのか?」
グラディウス
「.....分からない」
アルト
「分からないって ミエラも巻き込まれててそれを一言で済ましていいのか?」
グラディウス
「.....」
アルランはその2人の間に入る。
「ともかく今回の首謀者を学園側は捕まえたという話だ」
アルト、マクナガル、ミエラ
「「え」」
トリステル
「そうなの?」
ミエラ
(ちょっと待って、)そう顎に手を添える。
アルト
「ま、待て 首謀者? 本気で言ってるのか?
そんな噂1個も....」
マクナガル
「
アルランは顔を崩さずに話す。
「元々この学園は様々な国の貴族の子たちが入学する仕組みで国家間の法にのらない独自の法がある。
だから、ここの領地を持つ
グラディウス
「.......首謀者は誰だ アルラン」
アルランは目を閉じ、少し声を落として言った。
「今回の首謀者は....
クレス・カルエ・デ・サルゴという人物だ」
一同は皆目見当がつかない様子だった。
ミエラは"その名前に聞き覚えがなかった"。
(私は知らない....
え? 本来ここで追放されるのは、
クレス・ロンドールって子じゃないの?)
クレス・ロンドールとは、
いや、作中では確か辺境伯の
白い髪に不思議な色合いをした高身長の少年だが、様々な問題を学園に持ち込むアルテメリア学園での悪役だった。
悪役令嬢はアリス・カルタミナル様だけどね。
だけど、今回の事件のせいで首謀者だと疑われそのまま追放処分になる子だった。
(名前が似てる....だけど カルエ・デ・サルゴがノイズすぎる。)
ミエラは疑問からさらなる疑問が浮かび上がる。
ミエラは立ち上がり、その疑問を晴らすために動く。
アルト
「ミエラ?」
ミエラ
「すみません ちょっと野暮用が」
アルト
「その体で!? ついていこうか?」
グラディウスは立ち上がる。
「いや俺が」
トリステル
「僕も」
ミエラは大丈夫と言いながら、そそくさと出ていった。
ミエラ
(この学園には裁判所があるはず 今すぐに向かわないとクレスが追放されちゃう!)
医務室に残された一同に沈黙が走る。
グラディウス
「.........」
アルラン
「グラディウス ミエラは戦えたのか?」
アルト
「おい アルラン いくらなんでも」
グラディウス
「本人は戦いたくないとおもう」
マクナガル
「....ふん 羊飼いの1人が血に染まる必要はないのにな」
トリステル
「でもグラディウスを助けようとしていたよ?」
アルランは少し俯かせる。
「.........彼女はなにかを知っているそうだな
貴重な情報源だ グラディウス彼女を護衛しろ」
グラディウス
「御意」
アルト
「俺はミエラが心配だから俺も彼女の側に居る」
トリステル
「ぼくも」
アルランは「そうか」とそう冷たく言い、そのまま医務室に出る。
マクナガル
「調べ物がある すぐに出る。」
彼もすぐさまに出ていった。
―、
アルランは壁を叩く。
「クソッ 俺が近くに入れば彼女は傷がつかなかったはずなのに....首謀者は
そう意気込むアルラン。
―、
マクナガルはすぐさまにミエラたちが戦った場所とクレスという首謀者の逮捕現場へと向かっていた。
「暴いてやる この落とし前 高くつく」
そう凄んでいた。
――――――――――
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