一章:序節 第二十一話 融通
リミカルド
「だから死んどけよ」
意識が取られたイリアスにその
ハクはイリアスを庇い、リミカルドの凶刃を受ける。
ハク
「あなたとんでもないほど
リミカルドは笑う。
「卑怯で結構 殺し合いは
イリアスは動揺しながらも聞く。
「父は....父は....本当に...?」
リミカルドは動揺するイリアスの言葉に耳を傾ける。
「ああ、うちのボスはロンドール おまえの父親だよ」
イリアス
「な、ならど...どうして...」
リミカルドはその言葉の
「わかりにくかった? よくよく見ろ 俺たちダンタリ騎士団の旗とロンドールの家紋に
ダンタリの紋章には真ん中が空白、ロンドールの家紋は周囲がない。
これを合わせることで、俺たちが繋がっていることを意味しているんだよ
な、わかった?」
イリアス
「僕の言葉を無視するなぁ!!」
そう
「どうして 父が僕を殺そうとしている!!」
リミカルドははぁとめんどくさそうに髪をかき上げる。
「知るかよ てめぇがやらかしたからだろ?
ガキ」
「え....」
「こちとら
ハクはその言葉に苛つきの左の口角を上げる。
「まさか イリアスさまの話を無視していたのは、
リミカルドはハクに答える。
「そうだよ? 親友のガキ殺すなんてしんどいじゃないか? だから別のこと考えながら殺そうとしているんだよ」
ハク
「 どうして 殺さない って選択肢が出ないの?」
その言葉には威圧感があった
リミカルド
「は? 依頼は依頼 イリアス暗殺の依頼に
テオドア・マルクグラーフ・ロンドール本人だ
約束もある。」
ハク
「約束?」
リミカルド
「互いのガキに問題が起こったら、恨みっこなしで殺そうってな」
イリアスはその言葉に絶望をし、膝をつく。
イリアス
「そ...んな だけど だけど!! 僕は何もしていない!!!」
そう胸に手をあて、訴える。
リミカルド
「ガキはいつだってそういう
てめぇがやらかしたことに一切気付かないことが多いからな
てめぇに
イリアス
「........」
リミカルド
「暗殺依頼が出てるのはその証左だ」
ハク
「信じてあげないのですか?」
リミカルド
「信じるもくそも 殺せと言われたから殺す それが仕事だ」
イリアス
「.....なにもしていないのに?....」
リミカルド
「だから死んどけって俺たちのためにも
暗殺でも暗殺されるほどなんだから、立派なことしたんだ 誇れよ」
イリアス、ハク
「「は?」」
リミカルド
「だから もう依頼された時点でおまえはもう死ななきゃいけねぇんだよ....」
両者ともに怒りで顔が歪んでいく。
地団駄をふむイリアス。
「俺が なにもしてないって言ってんのに
なんでひとっ
リミカルド
「うるせぇなぁああああクソガキが!
俺たちに迷惑かけた時点で
だからてめぇは父親にも捨てられたんだよ」
イリアス
「リミカルドぉおおおお!!!!」
イリアスは激昂し、リミカルドに剣を振る。
リミカルドは右手にある手斧でその剣を受け止める。
リミカルド
「てめぇは同じこと何度すませば気が済むんだよ!」
受けた衝撃をそらし、斧の刃で引っ掛け、弾き飛ばそうとしていた。
イリアス
「それはおまえのほうだろ!!!」
その弾き飛ばす力を利用し、柄を滑らせリミカルドの指への切り込みを狙う。
それに気付いたリミカルドは、持ちての方向をずらして、イリアスを内側に、自身の蹴りを放つ距離まで引っ張り持っていく。
「させません!」
ハクはその隙に出来た脇に蹴りを放つ。
イリアスは逸らされた剣撃をもう一度立て直し、もう一度リミカルドへ向けて斬り込む。
その食らった衝撃でリミカルドはそこから一歩離れるようにイリアスの攻撃から避ける。
脇腹をおさえたリミカルド。
(ヒビが入ったか....)
「てめぇのせいで俺たちは狂ったんだ」
イリアス
「まだ言うか!!」
リミカルド
「そうだよ まだ言うぜ てめぇのせいで俺たちは狂っったんだよ
俺たちが一体どれだけの犠牲を払って、この学園を作り上げたと思う?」
イリアス
「.....は?」
ハク
「
リミカルドは笑う。
「この学園は...この平和は、
俺たちが一体どれだけの努力でこの学園を作り上げたと思っている」
イリアス
「それが!! 僕に関係有るのか!!」
リミカルド
「あるさ ここを暗殺現場にしたおまえに責任がある」
イリアスはもう理解したくないほど、聞きたくないほどの怒りが込み上げてくる。
「てめぇは俺たちの努力を無駄にしたんだ?
分かるか?クソガキ
俺が クライトス王家に生まれ、国は滅び、てめぇの親父と事業を立ち上げ、ようやくここまで来れたんだ。
てめぁが今まで生きてこれたのは、長生きしてきた俺たちのおかげだ
なのにてめぇは俺たちに迷惑ばっかかけさせやがってふざけてるのか!!」
イリアス
「ふざけてるのは おまえだよリミカルド
何が迷惑だ!!何が努力だ!!!
それを褒め称えろ!?
裏を調べもしない、信用もしない、会話もしない!! それで迷惑?
勝手に突っかかってくるのはてめぇらだろ!!
ふざけんなよ
それのどこに褒め返す要素があるんだ!!」
ハク
「それはあまりに身勝手すぎます
本当に調べもしない大人がする所業ですか?」
イリアス
「黙れよクソアマ てめぇは部外者だろ」
ハク
「被害者です 当事者ですよ 勝手に部外者にするのはやめてください」
リミカルドはブチギレる。
これだから子供は嫌いなんだ。
これだから.....―、
昔の話だ。たった一言で終わる話。
"裏切られた"。
ただそれだけだ。
元々クライトス王家の第二王子として、生まれごく平凡と生きていた。
王家として生き、王家として育てられたが、
その教育の厳しさからある一言を発した。
「こんな厳しいなら王家なんて要らない!!」
と子供ながらに微笑ましい話だった。
だが、
気がつくと国民たちの反乱が起こり、呆気なく国は
理由は色々とあった。
だが最期のきっかけは"その言葉"だった。
その言葉のせいで私は家族を亡くし、家財を亡くし、未来を亡くした。
家臣たちは散り散りとなり、ゆく当てもなく奴隷商に拾われた。
陵辱、コロシアムなどを転々と売られていく人生だった。
そして最期に出会ったのがロンドール家の実験用の奴隷として買われたことだった。
「おまえの
と自分と同じ歳の子供がそう言った。
時が経つと、傭兵団を立ち上げた。
そこで俺は、俺たちは悪名を轟かせた。
クラカルはどうしようもないほどの煽り屋。
ダントルは過去の人生で陵辱された結果、自身も陵辱したがる癖になった。
ハミルトンはスラム街から俺が引っ張り出した。
マルドは言う事聞かねぇが、有用だから気にいっていた。
そして、ロンドールに立ちはだかるモノを殺し、依頼でも殺し、子供も殺してきた。
するとどうだ?
俺たちの功績のおかげで学園が出来上がったそうじゃないか?
血なまぐさい学園なこって
そこで学園に入れるガキはなんだ?
貴族だ、王族だ なめてんのか?
俺だって王族だった。
ふざけてるのか? てめぇらは地獄にいたことねぇのに何幸せそうな顔してんだよ
俺たちのおかげでその幸せな学園生活できてんだよ 感謝しろよ
なめてんのか?
脳裏に思い浮かぶあの言葉。
『こんな厳しいなら王家なんて要らない!!』
それが自身の囁く言葉として止まらなかった。
後悔か、懺悔か もう聞くのが嫌で嫌で仕方がなかった。
ああ、だから俺は子供が嫌いなんだ!!!
リミカルド
「黙れよ 黙れよ!! 暗殺は決定事項だ
なにもしてない? バカにするな!
てめぇはロンドールから剥奪されてんだよ
依頼書通りにな!!」
イリアス
「ほざけ!! 僕が一体なにをしたんだ!!」
リミカルド
「だから知らねぇよ てめぇやらかしたんだろ? てめぇがやらかしたことに責任を持て!!」
イリアスは以前としてこの言い合いを続けようとした瞬間、
「イリアス!!!」
会堂の玄関口から声が響く。
そこには血だらけではぁはぁと息を吸っているクレスが居た。
「話は聞いた もうこれ以上は
もう
イリアス
「クレス.....だけど...」
クレス
「話が通じない時はいつだってある。
それはお前もいっぱい経験したんだろ?」
イリアス
「............」
凄む顔で剣をもう一度握り直すイリアス。
リミカルド
「わかってんじゃねぇか ダントルは?」
クレス
「殺したよ とんでもないクソ野郎だったよ」
リミカルド
「3対1か 楽しみだな!」
そう言うと自身にある光の縄を回し、手斧を振り回す。
「ようやく 殺し合いが出来る!!」
そう会堂中に響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます