第2編 喪失1

81


留守番と言い聞かせて飛び出す朝。昨日のことが気になって頭の中はいまだに星の中。



82


二人でこれからを考える。ソラは何をしに来たのだろうか。どれだけ頭をひねっても私たちは蛇口だけ。



83


相談相手を探そうと二人で意見を出し合うけれど、思いつかないもの。信用と信頼は一日にしてならず。



84


授業中、ふと七恵を見る。独りじゃ抱えられないものも二人だったら耐えられる。そこにソラも加えられたら。



85


夕暮れを少し速足で一人進む。微妙に冷たい風に触れ、肌に寂しさを感じている。



86


家の前、見慣れない車が外にいて、誰かと話すお母さん。横断しようとした私の前を通る車。



87


緊急のガス漏れ調査、と言われて締め出されたままの私たち。確かにもれて困るものがあるけど。



88


家の中から出てくる人たち。私をじっと見つめてくる。車に消えるその一瞬、いないとつぶやく声がして。私は寒いと一言だけ残す。



89


部屋の中、おかしな空気を感じてしまう。あるはずとないはずが同居する。私の推しがあり得ない方を向いている。



90


ソラがいない。窓を開け、日の落ちた星空を見つめながら目を凝らす。変わらない光だけが瞬いて。

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