第1編 出会い5
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図書室で見つけた星空の図鑑を手に取り、思い描いた彩色を頭のパレットに手あたり次第出してみる。
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雨降る中を歩いてく。傘越しに見上げた空は雲が舞い散る晴れの舞台。
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相合傘を見かけたら、見知ったあいつと知らないあの子。関係ないと分かっていても傘の下に雨が降る。
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家に帰ると書置きに、今夜はいないと一言あって。今時SNSも使えない、そんな臆病心にため息ついた。
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ソラの瞳が輝いて感情なのかと思っていると、映し出されるプラネタリウム。心が躍るのは私の方。
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窓の向こう。雲も雨も見当たらない。振り返るとソラがいて。今ならどこへ出歩いて行ける。
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ソラは一人で宙を舞い、私の隣についている。こんな夜更けの夜空の旅はゴム底のパーカッションから始まった。
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見上げれば点と点が散らばって、何にも見える世界を作る。月は新しい顔にメイク中。
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瞬いた星の一つ一つに名前が合っても知っているのはごく一部。見上げる私もごく一部。
60
夜空の下に広がるたった二人の世界。無限に広がる星空は今は私たちだけのもの。
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