第1編 出会い2

11


こんにちは、とそれが言う。いや、それ、じゃかわいそうか。理解より情が先立つそれが人。



12


見た目は可愛らしいけど、名前は英数字の羅列かな。思わず首をかしげてしまう。そしてら向こうもかしげてる。世界が少し傾いた。



13


私は星乃、あなたはSORA、いや、ソラ、なんてどう? 星の空っていいじゃない、って見上げた空はまだ青い。



14


ソラを抱えて道を行く。見た目は重そう、でも軽い。私とちょうど反対で。



15


好きな人、私を置いてデートする。理由は遊んでそうな顔なのにって。誰も中身は気にしない。かぶりついてから文句を言う。



16


ずっと私がしゃべってる。ソラは一つ一つ丁寧に、なるほど、って返してる。僅かな語調の緩急が私への投球サイン。



17


気が付くと愚痴を吐いてばかり。ごめんというとごめん? と返す、純粋な君の姿がまぶしくて。汚れた自分が悲しくて。



18


歩き疲れて入ったファミレス。不思議な顔して運ばれた二つの料理を前にして。私も思わず見とれてしまう、見事なソラの食べっぷり。



19


野良猫がこっちを向いて鳴いている。近づけば慌てた様子で逃げて行く。どうして私はソラと一緒にいられるのだろう。



20


家に帰って横になる。ソラはクッション下敷きに居心地良さそう、そう見える。それ私のお気に入り。

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