俺、何かしたっけ?

第1話



 「なあ、嘘だろ?」




 俺は今、命を狙われている。


 ナイフを突きつけられ、わけもわからないまま視界が揺れた。


 部屋に戻ったら、見たこともない男がいた。


 顔にマスクをしてて、黒いフードを被っていた。


 顔は見えなかったが、明らかに不審者だった。


 警察を呼ぼうとした。


 初めてのことだったし、なんて言えばいいのかもよくわからなかった。



 (…部屋に誰かがいる!)



 端的に言えばそうだったんだが、あり得ない出来事すぎて頭がパニックだった。


 スマホを取り出して、ロック画面を解除する。


 恥ずかしながら、手が震えていた。


 うまく番号を押せなかった。


 そうこうしているうちに男が俺の気配に気づいて、慌てて階段を降りた。


 急いで家の外に出たんだ。


 わずかに開いていたドアの向こうで、男がナイフを持っていることに気付いたから。

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