第2話 再進攻

——世界軸53 「ノムラバス星」 魔境


 遡ること6年前の魔境。まだ、あの施設や鉄道が完成する前の時代。

 魔境とは主にノムラバス星の1部の大陸の総称であり、魔族や鬼が主に住んでいる。そして、最大の特徴は空間に存在する魔力が人境と比べて遥かに濃く、訓練された人間ではないと立ち入ることが出来ない地域でもある。

 魔境の魔王城の1室を覗くと側近と魔王が話していた。とても、緊張した雰囲気で。


 「魔王様。穢れから援軍要請が入りました。如何なさいますか?」


 側近は魔王に向けてそう相談をいれる。すると、少し圧をだす。何処に原因があるのかは分からないが圧を出した。そして、話し始めるのであった。


「側近よ。人間をそのように呼ぶな。条約を交わしたのを覚えていないか。我らと人間は敵ではない。だから、その呼び方……。早急に取り消せ。そして、二度と使うな。分かったな」


「申し訳ございません」


側近は魔王の圧に耐えながらそう謝り、少しの空白の後。話し始めるのであった。


「本題なんですが、援軍は如何なさいます?」


「四天王をだしてやろう。それと、ホーンに我からの命令として、今回の援軍の指揮をとれと側近よ。伝えておいてくれ」 


「はい。了解しました」


「支度が出来たものからすぐに向かうよう指示を出せ」


「仰せのままに。魔王様」


 側近は一礼を取るとその部屋から出ていくのであった。そして、魔王は1人残った部屋で言葉をこぼすのであった。


「……神話生物。奴らの目的はなんだ。本当に」


 神話生物。この世界軸に4年前に突如として現れた正体不明の生物。名前の由来は、神のような強さを誇る上、無限に湧いてくる様から付けられた。真っ先に被害にあったのは人境であり、そのつぎに魔境も被害にあった。しかし、直ぐに殲滅できた為に退いていった。しかし、最近また被害の報告が相次いでいた。そして、今。人境の中心である。「アルミティア王国」と交戦状態である。


——世界軸53 ノムラバス星

      人境 「アルミティア王国」


 世界軸53のノムラバス星の人境にある「アルミティア王国」。人境と言われているのは、主にアルミティア王国のある大陸「アペラミフィシー大陸」を指している。人境と言えど、人間だけが住んでいるわけではなく獣人やエルフなどの種族や魔族の1部が暮らしている。魔境と比べると明らかに治安が良く。そして、豊かな自然があることで有名だ。魔王もたまに人境に忍びで来て森林浴や観光をしているのである。

 そして、その大陸の中心にあるのがアルミティア王国である。面積や人口密度はトップクラスであり、更に高い壁で囲まれていることから超要塞国とも呼ばれている。大陸の各地方から人が集まるため文化なども集まり大変賑わっていた。しかし、最近はそう言う風な良いことが続いていなかった。


——時は5日前。深夜2時頃。


「俺の家がぁぁ。あぁぁぁぁ」


「キャァァァァ。助けてぇぇ」


「チッ。押すんじゃねぇよ。あぶねぇよ」


 神話生物が突然王国の近くにワープホールのような空間の裂け目から出て来るのであった。そして、案の定。王国にたいして攻撃を始めていた。軍隊が戦闘をするも、飛べる神話生物により大国内に侵入を許してしまい。一気に破壊されていった。そして、爆薬庫等を破壊された際に火薬が爆発し火が近くの家に付き燃え広がっていった為に火災も起きた。そんな惨状を魔王は耳にしていたが、軍を派遣することはなかった。何故なら、頼まれてないのにわざわざ戦力を失くす必要がないからだ。しかし、要請が来たので軍ではないが四天王を派遣したのであった。


——アルミティア王国軍

       「師団長室」にて。


「師団長。報告に上がります。現在、魔境からの援軍で四天王が到着されました」


「そうか。では間も無く此処に来るな」


 師団長がそう話した時。扉を開けた音と共に、魔族が入ってくるのであった。そして、横一列にならび、ホーン・マルッテドが話し始める。


「第14代目魔王「リミナス・ハイドラ」の四天王。要請を受け、今ここに参上しました」


「ご苦労。要請を受けていただき。感謝する」


「我々四天王は、戦闘に参加する流れですが何処をメインに倒していきますか?」


「大国の東側と、大国上空。この2つを頼みたい」


「はい。では、我々は戦闘に参加します」


 ホーンがそう言うと師団長は小さく頷いて、それを見た四天王は部屋から出て持ち場へ向かうのであった。

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異世界鉄道 ~世界を救う者の物語~ 小宮 アオイ @Aoi_Komiya

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