-2- 不調

 火曜日。玄関を開けたとき、めまいがした。

 しかし、休みの電話をすれば上司の口からどのような言葉が飛び出すかわからない。綱渡りのように心を落ち着かせて出社した。


 会社に近づくにつれ、暗くなる視界。まるで、暗いところで万華鏡を覗いているよう。

 くるくるまわる、色。深海じみた、音の曇り。


 誰かがなにかを言っている。それを言葉として捉えられない。それを、人として認識できない。脳みそだけが、ゆりかごに揺られているみたい。


 気が付けば、夜。手にはビニール袋とお弁当。

 アパートの前。電灯そばの暗がりで、アパートを眺めていた。──寒い。どれだけ外にいたのだろうか。

 どうも、朝から体調がよくない。


 足早にアパートへ近づく。廊下に、また、手紙。


 それをまたポストに入れた。なんとなく湿っぽい気がした。昨日より、厚く、重い、そんな気もした。

 DMかなにかだろうか。だいぶしつこいんだな、そんなことを、思った。

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