第5話 森の中に現れた闖入者
俺のいる世界──フィッテスト大陸には種族によって分けられた7つの領土がある。
人族領、
今俺がいるのは大陸の東端にある人族領最大の王国──ミーム王国。
その王都周辺の森だ。
人族領の人と情報が集まるミーム王国で異世界転移の方法がわかっていないことを考えれば、人族領の情報集めよりもここから比較的近くにある
現在は王都から離れていく内に森の中で夜となってしまったこともあり、近くに宿屋もないので野営している。
「おやつ感覚で食べてたから晩御飯って感じではないな」
《地牛松吉のメガネの専用武器『地牛松吉』の強化値が+265から+266に上がりました》
「久しぶりに上がったな」
アイテムボックスからオリハルコンを取り出して齧ると俺の武器強化値が上昇した。
今回で元の世界に帰るつもりだったので手持ちの食料がなく、強化値を上げようという狙いなどなく、ただ仕方なくこの世界に武器として召喚されてから食べられるようになった鉱物を食べただけだったので久しぶりに上がった強化値に少し驚いた。
前の強化値上昇からミスリル百個以上とオリハルコン十個以上食べた後だからな。
二週間以上は経つはずだ。
まあもう別に何かを倒したりする必要もないので、上がってもさして意味はないが。
「おう! おう! 地牛松吉のメガネさんよおお!! クソ雑魚のくせによくも俺のかわいい後輩にせこい魔導具で恥かかせてくれたなあ!! おい!!」
あと三つ程食べようと思うとサングラスをかけた男を中心にガラの悪い騎馬集団が俺を中心に囲み始めた。
「兄貴!! やちゃってください!!」「こっちは集団だぞゴラアアアア!! 終わったぞ!! オメー!!!」
よく見ると王都に入る前に寄った宿屋にいたモヒカンと眼帯のチンピラが俺から一番離れた位置からヤジを飛ばしている。
どうやら前回のことを不服に思って、仲間を呼んでお礼参りに来たらしい。
「すいません。前回はそちらの方々に暴れられて仕方なくしたつもりなんですが」
「ああ? 雑魚が何言ってんだボケが!! テメエみてえな雑魚に文句垂れることは許されてねえんだよ! クソタレがあああああ!! 闇ギルド舐めってんじゃねえぞ!!!」
全然こっちの言葉を聞いてくれないな。
何か起こる前に「威圧」で散らせるか。
人の暴力や血も見るのは嫌だし。
レベル差が小さいと成功確率が下がるのでサングラスのリーダー格のレベルが低いことを祈ることにしよう。
「弁えねえ雑魚はなます切りじゃああああゴラアアアア!! 修羅場潜って来た俺にはしょうもねえ魔導具なんて効かねえぞオラああああああ!!!」
「失せろ」
「「「ヒィ、ヒィィィィィィィ!!!」」」
ちょうど馬上から俺にサングラスの男が剣を抜いて斬りかかろうとし、周りのチンピラたちも各々武器を掲げて狭てくるタイミングで「威圧」を掛けるとビビって暴れ始めた馬から落馬しながら恐慌に陥ったサングラスの男とチンピラたちがその場から逃げ始めた。
「置いてかないでくれ!!」「まだ死にたくねえよ!!!」
全員余すことなく「威圧」に掛かり、馬とともに逃げ去ったかと思うと落馬した時に怪我をしたのか、逃げるチンピラに揉まれて怪我をしたのかわからないがモヒカンと眼帯のチンピラが取り残されているのが見えた。
ここに居座られても困るし、逃げれるように回復させがてら釘を刺しに行くか。
「あああああああ!!!」「く、来るなああああ!!」
近づいていくと絶叫を上げて、足を引き摺りながら必死に逃げようとするがほとんど動けていない。
「ヒィィィ!! すいません!! こんなこと二度としません!! 許してください!!!!」「俺だけは見逃して下さい!! 俺はこのモヒカンに唆されただけなんです!!!」
そのまま近づくと失禁しながら土下座し始めた。
許してもしょうがないので無視して釘を刺すことにする。
「次ふざけたことしたら闇ギルドごと消すからな。メガネさんお願いします」
「ヒ、ヒィ!! すいません!! すいません!!」「うわあああああああ!!!」
釘を刺して絶叫した状態で傷を治すとそのままチンピラ二人組は逃げ去っていく。
これで二度とこっちにちょっかいをかけてこなくなればいいが。
闖入者も消えたので野営に戻るか。
元の野営地近辺がチンピラたちが漏らしたこともあって臭くなったので、野営地を移動してオリハルコンを三つ齧ると俺は寝た。
───
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