第2話 (椿) 初恋拗らせ野郎は俺です



「おはよ〜」


「おはよ〜、椿つばき


すみれ君、はよ。あれ、星治せいじ君と、蓮華れんげは?」


「前のお仕事、押してるみたい。後もう少しで着くんじゃないかな」


「そっか、」


俺の名前は咲野椿さきのつばき、23歳。今をときめくカラフルブーケのセンターを務めている。今日は、歌番組の生放送に出ると言う事でいつもより、少し早めに楽屋に来ている。メンバーで最年長の若藤菫わかふじすみれ(27)に声をかけた後、ソファに座って、スマホを操作し写真を見る。そこには、、、、


「はぁ、このさくらも本当、可愛いなぁ、特にこの笑顔とか、はぁ、マジ天使((ナース服着て恥ずかしそうにスカートを伸ばそうとしてる桜の写真を見る椿))」


「うわぁ、まぁた、隠し撮りしたの?良い加減にしたら、変態だよ。椿?」


何て背後から写真を見て来て若干引いているのはメンバーで同い年の、黒葉白翠くろばしすいに声をかけられた。


白翠しすいは黙ってろ、これは俺の趣味だ」


「イヤイヤ、趣味って言葉だけで片付けられないからね?もし、それ桜にバレたらどうすんの?」


「ハッ バレた所で、今の桜が俺に逆らえたり出来る訳ないからな」


「うわぁ、脅してるわぁ」


菜乃葉なのは君は黙ってて」


近くで聞いてた同じメンバーの山吹菜乃葉やまぶきなのは(25)に黙って貰う。


「本当、初恋拗らせた野郎の最終的に行く先って椿みたいな盗撮野郎みたいな事なのかな」

「それに、桜の両親に「高校生でも危ないものは危ないから1人暮らしはダメって」言って、根回しした事で桜の一緒に暮らしてるとか、本当引くわぁ」


「初恋拗らせた野郎って言うな、殴るぞ」


「うわ、脅して来た。酷い」


すみれ君、コイツ、黙らせて!!」


「いやぁ、でも、全部事実じゃん?」


「うぐっ」


そう言いながらコーヒーを啜る菫君の微笑んでるけどちょと怖い顔と正論パンチで怯んで黙ってしまう。


「それに、椿は桜ちゃんにセクハラまがいの体のどこかにキスしたりしてるしねぇ」


「それ初めて知った時は鳥肌もんだったけどな」


「星治君、蓮華、、、、!」


今し方来た青根星治あおねせいじ(26)と桃瀬蓮華ももせれんげ(22)にもそう言われて、俺は追い詰められた気分になってしまった。そして、ずっと黙ってる菜乃葉君に少しイラつく俺。


「最初は唇、意味は“愛情“」


「次が腰で、意味が“束縛“」


「それで喉が“欲求“で」


「それでこの前が、手首で“欲望“!」


「これでも、自分は初恋拗らせ野郎じゃないってしっかりと言える?」


上から星治君、次が菫君、蓮華、菜乃葉君、そして最後が白翠。

そう言われて俺は認めざる負えない状況になった。そうだ、俺は小さい頃から従弟である桜が恋愛的に好きだった。恋に落ちた瞬間はしっかりと覚えてる。あれは、俺が小6の時、桜が保育園の年長さんで髪が長く女の子みたいな時だった時、


『椿君!これ、保育園で描いたの!!』


『?何これ?絵?なんの?』


『えっとね、大きくなった僕と椿君の結婚式!』


『ブフッ ゲホゲホゲホッ』


突然の衝撃発言で飲んでいたジュースを吹いてしまった。その絵はドレスみたいな服を着た桜?とスーツみたいな服を着た俺?が幸せそうに描かれてた。俺はすぐに伯母の方を見る。


『あぁ、えっとね、桜ね何処で知ったのか、従兄弟同士が結婚出来る事知ったから保育園で描いたみたいでね。ほら、桜って椿君の事大好きだから』


『マジかぁ、、、、桜、俺の事好きなの?』


『うん!だいしゅき!』


『、、、、マジ?』


『マジ!』


『どれぐらい?』


そう聞いた次の瞬間、桜が俺に向かって突進した方思ったら、俺の頬にキスをした。


チュッ

『これぐらい椿君の事、だいしゅき!!ニコッ』


『、、、、、、、、ブワッ //////// 俺も、桜の事大好き』


その瞬間、俺はこの時、恋に落ちた。それも初恋と言う蕾を宿らせてしまった。それからだろう、俺は桜に意地悪したりする様になったのは。

今まで彼女だって作ろうかなって思っても桜の顔がチラついていくし、桜の色んな表情が見たくて意地悪したりしてる。

そして最後は事前に伯父さんが転勤だって知って、チャンスだと思って、色々根回ししたおかげで一緒に暮らせてるし、本当にラッキーだ。桜の事が好き過ぎで他所の女なんて目に入らないし、桜の事しか考えられないぐらい、桜が大好きだ。だけど、それを感情に出さない俺はヘタレと良くメンバーに言われる。


「本当、次は首とかにやりそうだよね。首だと、“執着“だから執着野郎って今度から呼ぶね」


「まだ、やってもねーのに、変なあだ名付けんなよ!」


「ぁ、やるつもりではあるんだ。やっぱ、変態だね」


「お前は俺を揶揄わないと死ぬ病気なのかよ!!」


「あの2人仲良いね〜」


「菜乃葉、本当君はのほほんってしてて可愛い、」


「星治君、惚気ないで」


「みんな、そろそろメイク室に行こうよ」


「ダメだ、菫君、みんな聞いてない」


何て事があって、1時半間後に歌を歌った後、速攻で家に帰った。帰るとそこには、、、、


ガチャ


椿つばき君、、、、ぉ、お帰りなさい ////」


そこには、メイド服を着で立つ桜が居た。俺は一瞬動揺したが気付かれない様に一言、


「、、、、50点、後、すぐにご飯食べるから」


ガチャ


そう言って自室に入った。入ってすぐに、リュックを置いてからベットに倒れ込む。枕を顔に当てて叫ぶ。


「何あの、可愛いメイドは!!!!何天使か何かか!!?恥ずかしそうに言ってる姿を超可愛いし!俺の言いつけ守るところもすっごい可愛い!マジ桜天使!」

「てか、何で50点何て言ったんだよ!!いつでも100点だよ!いや、100億満点だよ!!」


何故、決まった日(演技をした日や歌った日など)に桜に女装させてるか?それは、最も疲れる時に帰ったら癒しが待ってるんだったら、もっと癒しが欲しいじゃんか!だから、女装をさせてるんだよ。良いだろ?俺頑張って仕事してんだから!!

何て事を一通り叫んだ後(約5分)、乱れた髪を整えてスマホを取り出して、明日のシュケジュールを確認などしたりした後部屋から出る。因みにこの部屋は防音だ。


「さく、、ら、、、、って」


部屋を出て一旦洗面所に行って手を洗ってからキッチンに向かうと何か考え事をしている桜が居た。俺はそんな姿を見て、


「(シャッターチャンス!!)」


とばかりに、音が出ない様にメイド桜を陰ながら撮りまくった。容量が無くなるまで撮った事があるが今はそんなヘマなんてしない。一通り桜を撮って堪能したら、桜に気づかれない様に真後ろに移動する。すると、桜が小声で、


「《いつか必ずアイツの弱みを世間にばら撒いてやる》」


何て呟いていたので、意地悪しようと、右手で桜の右手首を掴んだ。


「ガシッ ((右手で桜の右手首を掴む))」

「なぁに、俺の悪口言ってんの??」


「っ、椿君、ぃ、居たの?」


掴んだ瞬間驚いた顔をしながら振り返って俺を見る桜。あぁ、その驚いた顔が見たかったんだなぁ。可愛いから。

俺は桜の質問に答えながら、桜の右手首を動かしてお玉から味見する。


「おう、さっきから居たけど? ズズッ((喋りながら掴んでいる桜の右手首を動かしてお玉から味見する))」


「へぇぇ、気付かなかった〜」


何て言ってる顔は驚きと恐怖が混ざった顔をしていた。本当にそんな顔しては顔も綺麗で可愛い。、、、、本当、俺ってクズなんだろうな。好きなのに、好きな子に意地悪するとか、、、、でもこれででしか、愛情表現できねーんだもん!!

何て思っていたら、桜が離れようとしたので、咄嗟に桜の右手首を引っ張って、その反動で桜が俺の体にスポッと収まる感じになった。そして、俺はすぐに首元に顔を近づけ、、、、


「へ?椿くっ!」


チュッ ((桜の首元にキスをする))


「ピッ‼︎ カァァ/////ドキドキ」


首元にキスをし始めると、桜は一瞬で顔が真っ赤になった事が分かるぐらい身体が熱い。だが、離そうとしないのは、最初、唇にキスされた時離されそうになった時に「、、、、俺の言う事は聞くんだろ?なら、キスした時は離そうとすんな」、って言った事から、離そうとする事がない。まぁ、機嫌悪くしたらやらなくなるし、、、、俺本当ヤバいなぁ。

数分経ち満足したので、桜の右手首を掴んだ手を離して、リビングに向かった。向かう時に、


「早くご飯持って来いよ」


「、、、、ぅ、うん/////(毎回、これやられると変にドキドキするし顔赤くなるから嫌なんだよなぁ、アイツ無駄に顔は良いから)」


顔の赤みをなくしながら、そう言う桜も本当に可愛いし、天使過ぎる!!俺はドキドキしていると、桜が急ぎながらご飯を持ってくる桜。数分経てば全部揃って食べれる様になった。そして、俺は箸でロールキャベツを1口食べると、一瞬で旨味が口の中に広がった。


「、、、、美味い」


「!、、、、本当、良かった。ロールキャベツはトマト缶で作るの初めてだったから、笑」


そんな嬉しそうな可愛い顔をする桜に少し照れながらもすぐさま意地悪みたいな事を言う。


「フハッ 笑、そうかよ。こんな事で喜ぶとか子供だな笑//」


「ムッ そりゃあ、俺はまだ未成年なので子供ですよ〜だ!」


一緒に暮らし始めてから、分かった事が結構ある。料理の腕が上がったり、女装技術が無駄に上がったり、意地悪されてるのに俺に優しくしてくれたりする。て言うか、母さんから昔言われた「桜君、椿の事、「意地悪してくるから苦手」って言ってたわよ」って言われた。もしそれがそうなら、良く苦手な俺と暮らし続けられるなって、俺はずっと思っている。

たまに俺に対して顔を真っ赤にしたりするのはマジで、辞めてほしい。理性が吹っ飛びそうです。本当、本当に俺は、、、、、、、、











好きなのに好きって言えずに意地悪する初恋拗らせ野郎は俺です。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

初恋に花束を 橋本衣 @yuitakahasi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ