第17話
十ヶ月間、卵を育てるのも大変でしたが、女性の場合は自分の一部として生活し、出産で命を落とすリスクもあるのですから並大抵ではありません。
男が女性に頭が上がらないのは当然です。
私の場合は、卵を温めている間、栄養は充分だろうか、中で本当に育っているのだろうか、気になって、妊婦になれたらどんなに良いかと願っていました。
十ヶ月目の朝に休みを貰い、急いで車を出している頃には卵に大きなひびが入り、後は一気に「オギャー」
元気な男の子です。
卵は胎盤の役目をしていた様で、生まれた時には空っぽになっていました。
私が息子を連れて帰ると、隠し子とかなり騒がれました。
ワイドショーばりに、子供を置いていかれた愚かな男と噂になり、話題提供をしていましたね。
私は子育てで手一杯で、噂話を相手にしている暇が無かったのは幸いでした。
何時間置きにミルクを飲ませるとか、お風呂の入れ方、おしめの替え方、育児書片手の毎日です。
仕事中はいつも背中におぶっていたので、次第に母親の気持ちになっていきました。
公園デビューをしてママ友をつくり、育児の情報を仕入れたり、朝から晩迄子供中心の毎日でした。
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