第106話 会いたい
闇の中に一人沈んでいる
本当に真っ暗で普通暗闇でいると目が慣れるものだが一向になれない
不思議と恐怖は感じない・・・・・
ただ、考えてしまうのは自分がいなくなってしまった後の自分いた世界のこと
そして、やはり後悔することばかりだ 父上にも、母上にも伝えられていないことが沢山ある。双子の弟と妹にも兄らしいことが何一つできていなかったな・・・・・・。
そうだ!シファーの結婚についても聞けていない
ティコとヨハンともまだまだ話せていないことが沢山ある
カリアス師匠、グリー師匠にもまだ恩返しできていない ダメダメな弟子だったよな
何よりもズメイルインペリアル帝国・・・・・・まだ建て直しできていないまま・・・・・・途中でこんなことになるなんて・・・・・・お父様・・・・・・お母様・・・・・本当に申し訳ございません
ひとしきり、反省してやはり、心残りは、ハイネ・・・・・大切な一言まだ伝えられないまま別れてしまった
出発する時、振り返りかけもどりせめて一言伝えればよかった・・・・・・
「ハイネ・・・・・会いたい・・・・・・」思わず声に出して呟いてしまった
その時だった、ハイネにもらったペンダントの緑の石が光輝いた
大きな光が放たれて光に中からハイネが現れた
「ハイネ!! 夢か? 」
思わず目の前に浮かぶハイネを抱き寄せた
「あたたかい・・・・・・夢じゃない・・・・・・ハイネどうして? どうして?こんなとことに来たんだ 」
「リル、あなたが会いたいとそういってくれたから・・・・・・私に会いたかったんでしょう」
「ハイネ・・・・・君って子は本当に・・・・・」涙が溢れて止まらない
「リルって泣き虫ですよね」
そう言って笑いながら俺を抱きしめ俺の胸に顔をうずめる
「ハイネ、ふたりでゆっくりできるのがこんなところなのに君は笑うんだな」
「はい、だってリルあなたと一緒にいるのだもの」
その言葉に思わずハイネをぎゅっと抱きしめる
「こんなところにどうやってきたんだ」
「緑の魔石にコーンに転移魔法をこめてもらったの、あなたが私に会いたいと言ったらすぐあなたの元に行けるようにって」
「そうか、でもこんな真っ暗闇のところにくるとは、思わなかっただろう」
「なにいってるんですか
わたしはあなたの見守り隊ですよ
どんな場所でもどんな空間でも時空の果てでもあなたを見守れるだけで、傍にいられるのであれば・・・・・・でも・・・・・」
「でも・・・・・・? 」
「まさか、リル私たちの場所に帰ることをあきらめていませんよね」と 微笑む
ハイネは時々俺が、挫けそうになるとこうして発破をかけてくる
そういうところが最近母上に似て来た気がするのは気のせいかな
「あたりまえだろ、君がここにきたのなら尚更さ」
本当はさっきまで少し諦めそうになっていたけどハイネがこの手にいるのならそういうわけにはいかない
「ハイネ一緒に必ず帰ろう」
「リル」
そう言ってわらってもう一度強くハイネは俺を、抱きしめた
「ハイネ・・・・・・俺一人でいるとき君に伝えていないことがあったって凄く後悔していたんだ」
「そうなんですか・・・・・」
「ハイネ、好きだよ、愛してるよ」
「リル・・・・・・、私もです
ずっとずっと大好き」
もう一度ぎゅっと彼女を抱きしめると俺の体から白い光が沸き上がってきた
「? 」と戸惑っている俺たちの間に俺のフードで寝ていたマシロが飛び込んできた
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