第107話 星の認証
その頃、龍の渓谷では、ティコたちが急に結界が解除され、渓谷の奥に戻ったがリルの姿もイーリスの姿も消えていて戸惑っていた
「二人ともどこに言ってしまったんだ・・・・ 」
ニコラス・グリー魔塔主がその場に残された一枚の羊皮紙を見つけた
「少なくともイーリスはもうこの世にはいなくなったようだな・・・・・」
「リルは!リルはどこに行ったんだ!」
ティコが叫ぶ、その時ヨハンから通信が入った
「兄さん、ハイネが消えた!俺たちの目の前でお茶を飲んでいたのに急に姿が消えたんだ」
「消えたって! 一緒にいたんだろう?」
「そうだよ、本当にふっと消えたんだ」
「もしかすると、リルと一緒にいるかもな」
グリーがそうつぶやいた
リルの使い魔であるブルーとホクトは何故か落ち着いていていて何故か空を見上げていた
「お前たちが1番落ち着いているな」
カリアスがそう言いながらホクトの頭を撫でた
ブルーとホクトは急に立ち上がりまた外に出ていった
「なんだ何かあるのか? 」
みんながブルーとホクトについていくように外に出ていくとコントレール・ジーザメリウス辺境伯が佇み空を見上げていた。
「コンティ、来てたのか。何か感じたのか・・・・・・リルの姿が見当たらないんだ」
「ああ、ニコラス 感じないから来たんだ
あいつの気配を感じなくなった・・・・・
でも・・・・・」
「でも? なんだ? 」
「どうやら、始まったみたいだな・・・・・
ニコラス 空を見てみろ」
「空? ああ! 始まったのか・・・・・」
「大丈夫だ 俺たちの息子は必ずここに帰ってくる・・・・」
そう言ってジーザメリウス辺境伯は星のなくなった真っ黒な空を見上げた
そのころ、亜空間の中で俺の体の中から白い光がどんどん溢れ出てくる
マシロがふわりと浮かび上がりその光を吸収していきどんどん大きくなっていく
どんどんどんどんおおきくなったマシロの針から光が放たれた
まるで亜空間のなかが星がきらめく夜空のようになった
マシロがくるり、くるりと回りながら光を纏う
俺とハイネは抱き合いながらマシロにみいっていた
「マシロ・・・・」
くるりと最後に大きく回るとマシロの周りに光の渦ができた
そして、その中から女神が現れた
真っ白なドレスをまとい銀色に光る長い、長い髪
「星の女神・・・・・・」
「リル、とうとうこの日がきましたね」
「この日って? 」
「私、星の女神から「星守りし帝国を守っていく皇帝「ズメイルインペリアル」
リル、あなたを認証いたします」
「認証・・・・・・星の女神からの認証だったのか」
「そう、あなたはまだ未完全な青年だけど、だからこそ可能性が無限大に広がっている
あなたの優しさ、勇敢さ、そして人を引き付ける力
この世界の国の多くが今、人の心の闇によって大きく傷ついている
でもリルあなたなら、あなたの友人たちなら手を取り合った笑顔溢れる世界を作れるはず」
「女神様・・・・・」
「マシロでいいわ
どんなに姿・かたちが変わっても、わたしはあなたとずっと一緒にいたマシロよ」
「そっか、そうだなマシロ」
「リルあなたも、色が変わってもあなたはあなたなの
あなたのすきな色で生きていけばいいのよ
この色でないといけないなんてかんがえないで」
「それは・・・・・マシロ・・・・」
思わず言葉につまった
「マシロ、おれはこれからも「リル・ジーザメリウス」として皇帝の座に座ってもいいのか」
「もちろんよ、リル素直になりなさい
あなたはその自分が一番大好きなのね」
「マシロ、ありがとう」
「ハイネ、まだまだ未熟な子だけど支えてあげてね
あなたならこの世界を緑でいやし笑顔が絶えまないこの世界の聖女でいられるわ」
「ハイネ、聖女だったのか・・・・・」
「ばかね、この子の力、そして妖精たちに愛されているのにいままで気づかなかったの!
本当にリルあなたって子は・・・・・」
そういいながら嬉しそうにマシロが笑う
「さあ、リル認証後最初のお仕事よ
あなたの剣に光を集めてあのひときわ光る星に放つのよ」
「アトリボット(解放)」
ミスリルソードに光を集めひときわ光る「北皇星」に放つ
ぱぁんと 闇の世界が、割れたガラスののように砕けた
光の渦の巻きこまれ、闇へと落ちていく
「星と共に暗闇に落ちていく・・・・」
「リル、またね、でもいつも見守っている
またいつか会いましょう」
そういって落ちて行く俺たちの逆にマシロはのぼっていった
星が雨の様にふたりに降り注ぎながらゆっくり、ゆっくりと落ちていく
「ハイネ、ゆっくりおちていくな
俺さ、ずっとおちてばかりなんだよ
今度は一体どこにいくんだ」
「きっとみんなのところですよ
それにリル私はどの世界にいても、どんな姿でもあなたがわかりますよ」
「そっか」そういってハイネを強く抱きしめておちていった
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