第104話 巨大魔法陣
ハックロンのところに行くとヘイロンの姿が見当たらなかった
「ご無沙汰しておりまして申し訳ございません
ハックロン ところでヘイロンの姿が見えないのですが、今どこかに出ているのでしょうか」
「ああ、リル久しいな
ヘイロンは実は、コウロンというヘイロンが姉のようにしたっている龍がおってな
そのコウロンがこの三日前から行方知らずなのだ
今ヘイロンはコウロンを探すためにずっと出ておるのだ」
すごく胸騒ぎがした
ヘイロンは今、テレパシーが通じる精神状態なのだろうか?
そう思いながらもヘイロンにテレパシーで呼びかけてみる
「ヘイロン・・・・・・ヘイロンわかるか俺だ
ヘイロン届いていたら答えてくれ」
ヘイロンが答えてくれるまで何度も何度も送った
時間が経つごとに焦りが募っていく
「ヘイロン・・・・・・頼むから返事してくれ・・・・・」
「リルか? リルどうしたんだ?
何かあったのか? 」
いつもの飄々とした感じでヘイロンがやっと答えた
「何かあったはこっちのセリフだ!
ずっと呼びかけているのに返事がないから心配したじゃないか」
「ああ!ごめん、ごめん 気が付かなかった」
「それでお前今どこにいるんだ? 」
「龍の渓谷の近くだ・・・・・・実は友達がいなくなって探していたんだが、龍の渓谷から彼女の気配を感じるんだがそれとともに恐ろしく邪悪な力を感じるんだ」
「!! ヘイロン一人で行くな
俺たちも今からそこに行く
わかったな 絶対に一人で行くな 待ってろ」
「わかった」そういってテレパシーを切った
「ブルーお前は今すぐティコのところへ行ってティコと一緒に龍の渓谷まできてくれるか」
「わかった」
そう言ってブルーは風を纏い空をかけていった
「シファー、ホクトは俺と一緒に今すぐ龍の渓谷へ向かおう」
龍の渓谷の近くの魔獣の山の頂のところでヘイロンは待っていた。
「リル!」
「ヘイロン、確かにお前のいう通りだな
いやな魔力の匂いがぷんぷんするな」
「ああ、多分あの中央部分の岩場の切れ間のところあの部分が入り口になっている」
「入り口はあそこだけか」
「確かそうだと思う」
魔塔のグリー師匠に連絡をし、少し様子見をしティコたちを待つ。
ヘイロンがずっと渓谷を見つめながら震えている
「おい、ヘイロン・・・・・お前暴走するなよ・・・・」
「ああ・・・・・・わかってる・・・・・」
そうしているうちにティコが到着した
「待たせてすまない」
「いや、やはりお前抜きでは進めないからな・・・・じゃあ、行くか」
「ヘイロン、シファーとホクトを乗せて降りてくれ」
静かに空からおり、渓谷の川沿いにそっと降りる
渓谷の岩と岩の間を抜けると奴らがいた
「ああ、さすがだね見つかっちゃったね」
「イーリス、この前のようにはいかない
お前にもパトリシアにも今までの罪を償ってもらわないとな」
「はん、何を言ってるんだ
リル、お前この世界の王にでもなった言い草だな」
「本当にお前ひん曲がった性格だな
それでコウロン・・・メスの龍はどこにやったんだ」
「コウロン・・・・・そんな名前だったのか
彼女ならこの私の使い魔に相応しい
龍の女王に相応しい姿に今まさに変わろうとしているところだ」
「なんだと!貴様!コウロンに何をした!! 」
ヘイロンの怒りが絶頂に達し
「龍の雷」を立て続けにイーリスに向けて放ったのである
ヘイロンの「龍の雷」を直に受けたはずのイーロンがヘイロンの攻撃を跳ね返し笑いながら仁王立ちに立っていた
「はは、そのくらいの攻撃なんともないに決まっているだろう
ところでお前らの探しているドラゴンはこいつだろう」
もやがはれ大きな鎖で繋がれたコウロンが現れた
「コウロン!! 」
「ふっ!リルお前のお仲間の龍の番の龍なのか?
こいつは? それはちょうどいい
お前たちの前でこいつが悪魔の使い魔になる姿を見せてやろう」
そう言ってイーリスは胸元から赤くかがやく魔石を出した。
「おい、まさか・・・・・イーリスその魔石は」
「やっぱり気がついたか
そう俺の胸にずっと抱いてあげていたんだ
なあパトリシア」
そう言って魔石にキスをした
「いかれてるな」
ティコがそういった
「やあ、ティモシー汚れた血の弟よ」
「弟なんて初めて呼ばれたな
お前パトリシアまで魔石にしたのか」
「初めは可愛かったんだけどね
だんだんこの俺を束縛しようとしたりうるさくなってしまってね
本当に訳のわからないことばかりいう女だった」
訳の分からない女その部分だけはリルたちも同意してしまったがそれにしても酷い話だ
イーリスは巨大な蛇の紋章を作り口論を包み込もうとする
「コウロン!」そう言ってヘイロンが飛び出した
ヘイロンがコウロンを抱え鎖を引きちぎり飛び上がる
「何しやがる!こいつ」
とイーリスがヘイロンをなじるその時だった
「全員そこから離れろ!禁忌の魔術の闇に吸い込まれるぞ!」グリー師匠の叫び声が聞こえる
ヘイロンはコウロンを抱えて外へと飛び出した
蛇の紋章から大きな魔法陣が浮かび上がる魔法陣から大蛇が現れた
「おお、紋章の主よお前がとうとう現れたのか」
「イーリスよ、このように大きな魔法陣を浮かび上がらせ本当に発動させるのか」
「主よ、もちろんだ、私はこの時をずっと今まで待っていたのだ」
「どのような願いなのだ」
「あの邪魔な奴らを排除してくれ
そうだな亜空間、真っ黒な闇の中に飛ばしてしまうのがいいな」
「それはいいが発動するためには等価交換が必要だということを忘れていないか」
そんなやりとりをしている間に、グリーがみんなにここから出ていくよう促す
「早く、みんな出ていくのだ、ほらリルも早く」
「では、師匠ご一緒に参りましょう」
「私はこの場を納めてから出ないと出て行かれない、魔塔の塔主として禁忌の魔法陣をこのままにしておくわけにはいかない」
「師匠、では私も残ります」
「リル!だめだ、ティコ!リルを連れていけ」
「リル!」ティコが俺の腕を掴むが振り解き俺は白く光る結界の球を作りみんなをその中にいれみんなを外に放り出した。
「リル!何をするんだ!どういう気だ私まで放り出すなんて! 」
「師匠、俺に任せてください」
「さて、イーリス
俺たちだけになったな
もういいだろう
ここで決着つけようぜ」
結界の球が見えなくなったのを確認しイーリスと大蛇の方へ振り返った
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