第39話 First mission
昨晩は結局、泣きながら眠ってしまった
目が覚めるとベッドのサイドテーブルの上に可愛い花束がお気に入りの花瓶に行けられていた
お花の横には可愛く包まれた美味しそうなお菓子も…
「あっ!お嬢様お目覚めになられました?
お花とお菓子を先ぶれとご一緒にいただいたようですよ
本当に旦那様ったらこんな素敵なプレゼント頂いていてお嬢様にお伝えしていないなんて……」
「お父様〜〜〜!!」
本当にひどい!…… でも気分が一気に軽くなった
「お嬢様やっぱり目が少し腫れていますね
でも私にお任せください」
とサラが自信満々に言ってくれた
サラ〜!いつもありがとう
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今日は、今までに無いくらい母上とマーサに気合いが入っている
朝起きて食事が終わるとマーサの気合いの入ったマッサージ&身支度を受けた。
「リル様、これで申し出をお断りする令嬢であればこちらからお断りくださいまし! 」
と汗を拭った。
「にーさま、かっこいい ! 」
と双子が声を揃えて言う
お前達は、世界一可愛いよ
屋敷一同のお見送りを受けながら屋敷をでる
本当に、父上、母上だけでなく屋敷の使用人みんなも俺に過保護だとつくづく思う
グランシス領地までは、馬車で一刻程だ
単調な揺れに少しウトウトしてしまった
馬車がガクンと揺れ目が覚める
窓の外を見るとグランシス領は、ぶどうの産地で有名だ。ふと見るとぶどう畑が広がっている
領民の子供が馬車に気づき手を大きくふる
窓を開けて大きく手をふると窓から冷たい風が入り持ってきた花束にイタズラした
あ!やってしまった 慌てて窓を閉める
そんな様子の俺に気がついたのか従者に笑われてしまった
少し花びらが散ってしまったとへこんでいるうちにグランシス邸に到着
考えてみれば、全く他人の邸にひとりで訪問するのは、はじめてかも知れない
そういえば、今回のこういうのは、前世でも経験したことがない
はじめてづくしだな
それは、楽しまなきゃなと思ったら気持ちが楽ななった
「リル様、ご到着致しました」
グレイシス侯爵邸に到着するとすでに侯爵夫妻、ハイネ嬢、クラウス先輩が玄関で出迎えてくれていた
「ご無沙汰しております
グランシス侯爵、この度は突然の訪問にも関わらずこころよくお受けいただきありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ大したおもてなしはできませんがゆっくりしていってください」
とそのまま応接室へと招かれた
「それで、早速ですが本日は、どのようなご用件にてお見えになられたのかな?」
「はい、それでは失礼致します」
とソファから立ち上がりハイネ嬢の前に片足を跪き、薄いピンクの薔薇の花束を掲げ
「ハイネ・グランシス嬢
どうか学園の舞踏会にて私のパートナーとしてエスコートさせていただけないだろうか」
よし、これでいいんだな
カリアスとグーゼラスに言われた通りにしたぞ
あれ? でも反応がない……… 花束も受け取らない…… ダメだったか……
とそーっと顔を上げる…… あれ?ハイネ嬢 ? 固まってる? と思った途端
バターン
「ハイネ!!」 「お嬢様!」
ハイネ嬢が、倒れた!
思わず持っていた薔薇をそこに置き、彼女を抱きかかえた
「どちらにお連れいたしましょう
夫人お連れしていいお部屋にご案内ください
侯爵様侍医をお呼びください
そこの侍女殿 気付け薬をお持ちください」
といい、夫人に案内され部屋に彼女を運んだ
どうやら、彼女の部屋のようなのでベットにそっと寝かせ早々に部屋を出た
入れ違いで侍医がやってきた
侯爵も夫人も侍医と共に入っていった
クラウス先輩が廊下にいたので、
「クラウス先輩大変申し訳ございませんでした
大変申し訳ございませんが本日は突然お伺いした上にハイネ嬢を気絶する程追い詰めてしまって……
パートナーの件は、遠慮なくお断り頂いても大丈夫だからおもいつめないでくださいとお伝え下さい
それではお大事になさってください」
ご長居してもご迷惑だからおいとましょう
とグランシス侯爵邸を後にした
リルが邸を後にした後、ハイネの部屋から侯爵が出てきた
「あれ、リル様帰られたのか?」
「はい、長居したら迷惑だろうからって、それと気絶する程追い詰めてしまって、パートナーの件は、遠慮なくお断り頂いても大丈夫だからおもいつめないでくださいって帰ったよ」
「え? ハイネは嬉しすぎて気絶したのではないのか?
今の話だとハイネが嫌がっていて思いつめれて気絶したように思われているぞ」
「ああ〜そうですかね?まあまた改めて来るんじゃないですか?あいつ」
「クラウス!お前のそう言うところがだな!
う〜む もうよい・・・これは、なんともどうしたらよいものか」
とグランシス侯爵は、頭をかかえた
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