「時間」という味方
レオナルドはスケルトンやゾンビを倒し続けたが、手応えは薄かった。倒したところで、それによって得られる経験値は微々たるもの。スズメの涙ほどの経験値しかもたらさない敵を相手にするのは、果てしなく気の遠くなる作業に思えた。しかし、彼にはモンスターとしての「時間」があった。朽ちることのない肉体は、もはや人間だった頃のように寿命を気にする必要もない。成長は遅いが、どれだけ歳月を重ねても、いつかは確実に強くなれるという確信が、彼の中に宿っていた。
「焦る必要はない。今の俺には、時間だけは有り余るほどある」
その考えが彼の心に少しの余裕をもたらし、あらためて敵に向き直る意欲を湧き立たせた。目の前に現れるスケルトンたちも、次第にただの障害物ではなく、成長の糧として見えるようになっていく。微々たる成長でも、それが確実に積み重なれば、いつかはデスナイトにも届くだろうという希望が、彼の胸の奥で静かに燃え始めたのだ。
その思いを胸に、彼は再び剣を振るい、スケルトンやゾンビたちを次々と倒し続けた。時間が味方であることを知る者にとって、どれだけ小さな経験値でも、無駄にはならない。それが、レオナルドの歩みを止めることのない理由だった。
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