無名の詩
しゔや りふかふ
無名の詩
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの生前に売れた絵は
たった一枚
買ったのは 弟のテオ
画商だった
スーラが 若くして世を去ったとき
批評家たちは彼を讃えたが 作品がないと 言った
盟友であったシャニックは こう言って反駁
「絵画のすべてに新しい見通しを立て 白と黒との効果を整理し 線と形態とのバランスを考え 構図の取り方や色彩の対照と ハルモニアすべてを検討し 確立した
彼の仕事は完成し 成就している 一人の画家にこれ以上何を求められるのか」
栃木に生まれた田中一村は 数え八歳にして 見事な紙本墨画淡彩の南画を描き
五十にして奄美にわたって 独り描き続けた 崇高に
無名の詩 しゔや りふかふ @sylv
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