第15話

急いで箒で飛び立ち、あの男の家へと急いだ。



なんとか着き、透明になり、扉を通り抜け、中に入る。


男は今、お風呂に入っているところのようだ。シャワーの音が聞こえてくる。



「よしっ!今のうちに『ピンポーン』



早々になったインターホンの音に肩を振るわせた。



いや、早すぎる。まだなにもできていない。


…ということで、5分だけ時間を止めることにする。



カチャリ。ネックレスについた時計の針が止まると世界中の時が止まった。


が、私の思考は止まらない。



「えーっと!えっと!」



だめだ、どうしたら良いのかわからない。



「お主がならば良いではないか」


「へっ!?」


「なにをウジウジしているのだ。お主らしくないぞ?」


「マ、マオ!?」


「今はそんなこと良いではないか。吾輩の話を聞いていたか?」


「き、聞いてたよ。聞いてたけど…」


「とりあえず、あの男の記憶を一時的に書き換えるとしよう。後のことは今を乗り切ってから考えれば良いだろう」


「わ、わかった!」

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