第16話

ということで、言われたように男の記憶を変え、自分の身なりを変えた。



『晃〜?いるんでしょ〜。ちょっと話があるんだけど〜』


「どちら様ですか?」


『…は?』



女の戸惑った声が聞こえてきた。



『は…?あんた、誰?』


「私ですか?晃の恋人ですが。…あなたはどちら様でしょうか?」


『わ、私は、晃の…』


「晃の?あぁ…元カノさんですか?」


『…だったら、なに?』


「あなたはもう、晃の恋人ではないのですよね?…そちらこそ、あなたはなんの用なんですか?」



…手強くない?


正直もう帰って欲しいんだけど…。



…そう思っていると、お風呂の扉が開く音が聞こえた。

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