第42話 あたいの握力カンストしてるんだけど頭を握り潰せるのかな?

 霧島拓也side

「あのーすいません男子部屋だ!?」


 拓也の頭を掴んでいる手の力が強まりミシミシと鈍い音が出る。


「痛い!イタイ!!頭が割れる!!?」

「一度、頭を割りたかったんだよな」


 拓也の頭を掴んでいる手の力が強まり更にメキメキとヤバい音が聞こえ始める。


「ぐぎらかなはらや」


 拓也はしばらく痛みに悶え苦しむ。





栗雛霧谷side

(ヤバい、やばい)


 頭を万力のように締め付けて、痛みに悶え苦しみ過ぎた結果、拓也は失神して倒れていた。


「さあて、次は栗雛霧谷君の番だよ」

「!!」


 後ろから声が聞こえる。


「特別サービスで選択肢を上げる」

「!?」


 優しい声で言う。


「1.後ろからあたいに頭を締め付けられる」

(絶対嫌だ)


 栗雛は抵抗したいが宙に浮いておりどうすることも出来ない。


「2.あたいと正面から頭を締め付けられる」

(どっちも嫌だ)


 栗雛は冷や汗をかきながらどうするか必死に考え始める。


「早く決めないと今すぐ」

「!?」


 栗雛は反射的に手で2を作る。


「よろしい」

「!」


 栗雛の頭から手が離れて床に足が着く。


「……」


 反射的に正面をすぐ見ると眼鏡をかけたピンクの髪の女性が立っていた。


(確か、マヤちゃんを連れていった人かな)


「自己紹介がまだだったな」

「!?」


 眼鏡をかけた女性が栗雛の頭を再び手で掴まれて宙に浮く。


「あたいは麟憧凪、れいかちゃんにクリエイター学園に雇われた臨時教師であり、このマンションの監視者も兼務している」


 凪は青い冷たい瞳で栗雛の瞳を見る。


(監視者?)

「あたいは、れいかちゃん経由で霧島拓也君や他の生徒がサボったり、規則を破ったり、ハメを外す奴を容赦なくお仕置きする仕事だよ」


 僕の考えていることを凪に言う。


「後、どうでも良い情報だが、ウーファイの拷問教師のキャラモデルはあたい何だよね」

(いらない情報すぎる)


「さあて、今回あたいがどうしてここにいるかの説明をすると霧島拓也君と栗雛霧谷君が規則を破ったから来た」


(規則なんて破ったかな?)


 栗雛は時計を見ると20:00過ぎだった。


「あたいの点呼のアナウンスをしたにも関わらず全く来なかったからだよ」


 作り笑顔で凪は言う。


(マジかよ)


 栗雛はゲームに集中し過ぎて気付かなかった。


「さあて、栗雛霧谷君」

「!?」


 冷たい声で凪は栗雛に声を掛ける。


「今回は特別に許してやろう」

「!?」


 栗雛の頭から手が離れる。


(助かった)


 栗雛は疲れた表情を浮かべる。











「次は授業処刑台で語りあおう」


 凪はその場から去って行った。

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