第37話 マヤちゃんがワンコ化?

「……」


 燐海マヤの頭を撫でられている手をみる。


「(マヤちゃんよしよし)」


 栗雛はマヤを撫でながら口をパクパクする。


「ワン!!」


 マヤはしっぽをふりふりする勢いでおとなしくなり始める。


「……」


 拓也はマヤの態度の変化に戸惑いを見せる。


「[]」


 栗雛は手話で拓也に伝える。


「……今回だけですよ」


 拓也は少し考えてから栗雛に言う。


「[ありがとうございます]」


 栗雛は拓也に手話でお礼をする。


「[マヤちゃんお手!!]」

「ワン!」


 栗雛の手にマヤが触れる。


「(マヤちゃん、今回だけ許可出たから良いよ)」

「!!」


 栗雛は口をパクパクして身体の力を抜く。


「抱き抱きしますね」

「……」


 マヤは栗雛を抱きしめる。


「栗雛様の匂いを補給出来て満足です」


 マヤは栗雛を力強く抱きしめて行く。


「……」


 栗雛は抱きしめられながら、ゆっくりとマヤちゃんの頭を撫でていた。





「栗雛様の匂いを補給出来たので落ちつきました」


 マヤはすっきりした表情で言う。


「2度目はれいかちゃんに報告するからな」


 拓也は不機嫌そうな表情でマヤに言う。


「見逃していただき、ありがとうございます」


 マヤは上機嫌な様子で拓也にお礼をする。


「次からは何か受け渡しする際は自分が受け取り対応しますからね」

 

 拓也は不機嫌な様子でマヤの瞳を見る。


「大丈夫です。栗雛様の受け渡しは最初で最後ですので、ご安心ください」


 マヤは笑顔で拓也に言う。


「……そうですか」


 拓也は頷く。


「栗雛様、道具一式になります」


 マヤは栗雛に大きいリュック、バックを渡す。


「(ありがとう)」


 栗雛は口をパクパクしてお礼をする。


「他に何か足りない物があったら連絡くださいね」


 マヤは栗雛に言う。


「(了解)」

 

 栗雛は口をパクパクしてマヤを見る、


「それじゃあ戻るか」


 拓也が栗雛に声を掛ける。


「……」


 栗雛は頷き。カバン、リュックを持って拓也と一緒に部屋に戻った。



「……」


 栗雛は部屋に戻りカバンからタブレットPCを取り出し起動する。


「何かやるの?」


 拓也は栗雛がやることを気になり聞く。


「[動画編集をしようかなと思ってね]」


 栗雛は拓也に手話で説明をする。


「動画編集?」

「……」


 栗雛は無言で頷く。


「[そういう訳で集中するのでよろしく]」


 栗雛は拓也に手話で伝える。













「それなら今から自分と一緒に配信しない?」


 拓也は笑顔で言う。

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