第34話 凪と魔王様
凪side
「あたいはれいかちゃんの第一夫人になった覚えはないよ」
凪は静かな声で電話越しに言う。
『なぎちゃんはあたくしとベッド上で愛し合った仲なんだから第一夫人でしょ』
霊歌は呆けた声で言う。
「……語弊のある言い方だな」
凪はため息をつきながら言う。
『でも、なぎちゃんも楽しんでやってるでしょ』
「……」
凪は無言になる。
『クスクス、なぎちゃんは無言は肯定かな』
「……責めがいがあるからな」
凪は小さい声で言う。
『なぎちゃんは唯一あたくしをベッド上で敗北させたんだからそこは誇っても良いわよ』
霊歌は楽しそうな声で言う。
「……誇りたくないかな」
凪は小さい声で言う。
『ちなみにあたくしのお友達ちゃんにはなぎちゃんのことをいっぱい話しているよ』
「……すまないが恥ずかしいからやめて欲しいかな」
凪は顔を赤くして小さい声で話をする。
『ええ、だってあたくしを唯一ベッド上で敗北させた人がいるって話をして自慢したいじゃない』
霊歌は上機嫌な声で言う。
「れいかちゃん、自慢じゃなくて自虐じゃないか?」
凪は静かな声で霊歌の言葉に突っ込む。
『あたくしにとっては自慢だよ。なぎちゃん』
「……コホン、とりあえず、報告だけはするが」
凪は軽く咳払いをして霊歌に話をする。
「マヤをれいかちゃんの
『OK、マヤちゃんの手配はすぐするね』
霊歌は上機嫌な声で言う。
「……」
凪は無言になる。
『嫉妬かな?』
「嫉妬はしていない」
凪は即座に否定をする。
「今回、マヤが
『あたくしの喉元を食い破る犬の方があたくしは好みだよ』
霊歌は上機嫌に答える。
「マヤの躾はしっかりとさせますので大丈夫です」
凪は真剣な表情で言う。
『別に躾なくても良いわよ』
「流石に……」
『躾てもマヤちゃんは言うことを聞かないと思うよ』
「……そうですね」
凪はゆっくりと頷きながら言う。
『まあ、仮にマヤちゃんが喉元を食い破りに来たら』
霊歌の声のトーンが高くなる。
「……」
凪は無言になる。
「あたくしがベッド上でたっぷりとマヤちゃんを躾て上げるから問題ないよ」
電話越しから霊歌は呆けた声で言う。
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