第20話 明日の魔王様との面談に用意する物

栗雛霧谷side

「……」


 霊歌の殺意の籠った声を聞いた栗雛は冷や汗をかき始める。


「……」


 周りを見ると半数以上の生徒は失神したり、心が折れて泣いたりしている。


(ヤバすぎるな)


 栗雛は近くを見るとマヤの気配が消えていた。


(マヤちゃん撤退したのは正解だな)


 栗雛は汗を手でぬぐい霊歌を見る。


「……きりちゃん、逃げた方が良くない?」

「?」

 だるそうな声で愛美は栗雛に声をかける。


「……(逃げない方が良いと思うな)」


 栗雛は手話で愛美に伝える。


「……過去にアイドル業界でもかなり大物級のヤバい人とあったりしたけど」


 愛美は疲れた様子で声を出す。


「あたしがあった中であれは化物だよ」


 愛美は弱々しく声に出す。


「(愛美ちゃん、呼吸整えて椅子に座って)」


 栗雛は手話で伝える。


「……うん、そうするね」


 愛美は椅子に座ってゆっくりと呼吸を整える。


(早く終わらないかな)


 栗雛は霊歌の様子を観察する。


『それでは、明日の面談拷問、処刑に関して用意して貰いたい物があるのでよろしくね』


 ステージ教壇のマイクで笑顔で話をする。


「……」


 栗雛や倒れてない生徒は真剣な表情で言葉を待つ。


『まず、1つ目に絶縁状を準備してね』

「?」


 栗雛や周りの生徒は?になる。


『あたくしの面談の結果次第では、その日に霧島家の養子になって貰う可能性があります』


 霊歌は周りの生徒がわからない様子を見て補足で説明をする。

 

「!?」


 栗雛、生徒も驚く。


(無茶だろ)


 栗雛、生徒はありえない表情を見せている。


『大丈夫だよ。あたくし霧島霊歌魔王なら全て力で解決することが出来るから問題ないよ』


 霊歌の言葉に重みがます声で説明をする。


「……」


 栗雛は心臓を何かに握りしめられるように締め付けられる。


「……」


 栗雛は周りの生徒を見ると倒れている生徒が増えており、先生も救急車を呼んだり保健室に連れて行ってるようだ。


『……仮に何かが起こったとしても、


 霊歌は笑顔で声にを込めて言う。


(今まで見た動画の人物の平均を余裕で、越えるレベルの化物だな)


 栗雛はゆっくり呼吸を整えながら、霊歌の様子を見る。


「グスグス、きりちゃん」

「?」


 愛美に声をかけられて栗雛は見る。


「グスグス、あ、あれは人の皮を被った化物だよ」


 泣きながら愛美は栗雛に言う。


(霧島霊歌がまとっている空気オーラは人の域を越えている)


 栗雛は汗が止まらず震えながら霊歌を必死に見る。


『それでは、2つ目に用意する物を言うね』


 霊歌は優しい声で話をする。


「?」


 先ほどの重い空気が軽くなる。


「……」


 周りの生徒も顔色が良くなり始める。


『2つ目に用意する物は』


 優しい声でゆっくりと霊歌は言葉にする。













『遺書を準備してね』


 霊歌はゆっくりとささやくような声で言う。

 

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