第18話 過去から今へ、そして入学式からの……
[リカside(現在)]
マヤが一生懸命に霧谷を面倒をみていたし、裏とりもした。
定期的に別な付き人、部下も派遣していたがマヤは怪しい動きもなく、霧谷のことを考えて常識、教育をしていたと報告があったので安心していた。
それでも、人がいないから霧谷の家にマヤを派遣したのは失敗だった。
なぜ、失敗だったかの理由は霧谷と久々に会って話をするたびに距離感、話し方が絶妙過ぎる。
適度に不快にならない距離感と言葉選び。
拾う言葉と拾わない言葉の選択。
そして、目線、表情も意識しているのか拾われないようにしているのだろう。
あえて言葉や動作を拾わせて言葉にさせる。
話しをして不快にもならないし話しやすい。
だけど、霧谷との距離が縮まらないでいた。
霧谷が鈍感なだけかと思ったが……。
根本的な原因はマヤにあることがわかった。
「マヤには家族会議で聞き出さないとな」
小さい声でリカは言う。
「……」
栗雛はリカの表情を不思議そうに見る。
「霧谷、そろそろ入学式が始まる見たいだから行くよ」
リカは笑顔で栗雛に声をかける。
「……」
栗雛は首を縦に頷く。
入学式の会場に2人は向かい始める。
生徒会室を出たらシア、ミナ、愛美が廊下にいた。
「皆、揃ってるね」
リカは笑顔で言う。
「それじゃあ行くよ」
リカの声にあわせて4人は会場に向かう。
会場に着くとたくさんの生徒が集まっていた。
「それでは、これから挨拶、準備があるから行くよ」
「「……」」
シア、ミナ、リカは会場のステージに向かって行く。
「霧谷、愛美は生徒が集まっている場所で座る場所から待機していてくれ」
「「……」」
2人も頷いた。
栗雛side
「……」
栗雛と愛美は空いている席に座る。
「これから始まる学園生活が楽しみだねきりちゃん」
ワクワクした様子で愛美は栗雛に言う。
「……」
栗雛も笑顔で頷く。
(さあてこれからどうなるのかな)
栗雛は生徒の回りを見て考える。
(ステージに行ったリカ先輩、ミナ先輩、シア先輩は忙しそうだな)
座っている席から栗雛はステージを見る。
「?」
何か空気がゆらぐ感じがした。
(何だろう?ステージから何かおぞましい気配を感じるんだけど気のせいかな?)
「栗雛様、気のせいではありません」
突然、聞き覚えのある声が聞こえた。
(マヤちゃん)
「ご無事で何よりです」
右隣に銀髪のスーツを着た女性がいつの間にか立っていた。
「……栗雛様、付き人の勘ですが、これからヤバいことが起こりそうな気がします」
「?」
マヤの話を聞いて、栗雛は良くわからない表情になる。
(……どういうこと?)
「来ます」
「!?」
「皆さん、ハロハロ」
ステージの真ん中にサングラスをかけた真紅のドレスを着た女性が笑顔を向けて立っていた。
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