第17話 燐海マヤは作り上げる(過去side③)
過去side
「……」
ゆっくりと子供は起き上がる。
「話せるか?」
「……」
子供はマヤを見て首を横に振る。
「喋れないのか?」
「……」
栗雛は無表情で首を縦に振った。
「……」
マヤは子供の表情と様子を観察する。
「確認だが、君は今の状況をわかってるのかな?」
マヤは子供に聞くと
「……」
子供は考えながらゆっくりと首を縦に振る。
「そういえば、知らない人が入っても君は全く驚かないんだな」
マヤは子供の瞳を見て聞く。
「……」
タブレットPCに文字を打ち込みマヤに見せる。
「[お姉ちゃんは話やすいし悪意を感じない]」
マヤはタブレットPCを読み上げる。
(4才だよね?)
タブレットPCで打った文字を見てマヤは驚く。
「……君?名前は?」
「……」
タブレットPCで子供は打ち込みマヤに見せる。
「[栗雛霧谷]」
マヤはタブレットPCの名前を読み上げる。
「……栗雛様、では私から提案があります」
「?」
マヤは真剣な表情で栗雛の瞳を見て言う。
「私を雇ってくれませんか?」
マヤは栗雛の瞳を大きく覗き込んで言う。
「……?」
タブレットPCで打ち込み調べていた。
「……」
マヤは栗雛が調べている様子を無言で観察する。
「……」
タブレットPCで調べながら栗雛は動画を見始める。
「……」
栗雛は頷きタブレットPCで打ち込みマヤに見せる。
「[ごめんなさい、お金ないので無理です]」
マヤは返事の回答を見て頷いた。
「栗雛様、私を雇うのにお金も対価も入りません」
マヤは真剣な表情で栗雛の瞳を見て言う。
「……?」
栗雛は首を横にしてわからない様子になる。
「栗雛様が将来、稼げるようになって余裕出来たら返してくれれば良いですよ」
優しい声でマヤは栗雛の瞳を見て言う。
「……」
栗雛はどうすれば良いかわからない様子になる。
「……私は栗雛様を助けたいんです」
マヤは真剣な表情で栗雛の瞳を見る。
「……?」
タブレットPCで打ち込みマヤに見せる。
「[どうして初対面の僕を助けるの?]」
マヤは栗雛が不思議そうな表情をしている。
「……私、
マヤは栗雛から視線を反らし言葉を言う。
「?」
栗雛はマヤが言っていることに良くわからない様子になる。
「でも……今、初対面で栗雛様に会って話をしたら考え方が変わりました」
優しい表情で栗雛の瞳を見る。
「……?」
栗雛は首を横にしてわからない様子になる。
「あなたを助けたいんです」
マヤは栗雛の瞳を覗き込む。
「……」
マヤの瞳を栗雛も覗き見返す。
「今は私を信じて雇ってくれませんか」
マヤは栗雛に近づき目線をあわせて手を出す。
「……」
栗雛はゆっくりと小さな手を出しマヤの手を握る。
「栗雛様、これより
マヤはワクワクした表情で栗雛を見る。
こうして燐海マヤは動き出す。
リカの指示が大きな人選ミスだと気付かないまま時は流れて今に至る。
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