第13話 俺は真龍(しんりゅう)リカだ。趣味はRTAinNTR?

[栗雛霧谷side]

「……」


 栗雛は生徒会室に入る。


「良く来た」

「……」

 静かで綺麗な声で金髪の男の子が座っていた。


「?」


 栗雛は違和感を持ちリカを見る。


「……」


 リカは無言で立ち上がり栗雛に近づき始める。


「(リカ)!?」


 リカは栗雛との距離を詰めて行く。


「(リ)」

「霧谷!!」


 勢い良くリカは栗雛を壁に追い詰める。


「(リ)」

「霧谷!!!」


 ドン!と栗雛の首元横部分めがけて手で大きい音を立てた。


(なんで、壁ドンされてるの?)


 栗雛は急に壁ドンされて言葉に詰まる。


「……」


 リカは栗雛の唇が当たるぐらいまで距離を詰める。


「(リカちゃん?)」


 手話で聞く。


「カプリ」

「!?」


 リカにも首元横を噛まれる。


「……5人に求愛マーキングされた気分はどうだ?」

「!?」


 首回りを見ると5箇所に赤いアザやキスマークが着いていた。


(流石にやばくない?)


 栗雛は顔色を悪くする。


「俺は今からRTAinNTR配信を霧谷と!!」


 リカは興奮した様子で言う。


「(リカちゃん、何で男装しているの?)」


 栗雛はリカに手話で聞く。


「霧谷が来るまで隙間時間でRTAinNTR配信をしていたんだよ」


 呆けた声でリカは言う。


「……(具体的には?)」


 栗雛はリカに手話で聞く。


「初々しいカップルを見ていたら可愛らしい子猫ちゃん過ぎてね」


 興奮した様子で語り始める。


「……」


 栗雛はリカの興奮した姿を見て後ろに下がる。


「そこから彼氏の前で彼女を誘拐NTRからの保健室まで連れ込んでベッドで押し倒してからの甘々タイムしてきたよ」


 顔を赤くして呆けた様子で語り始める。


(どんどんリカちゃんのNTR力が上がるな)


 リカちゃんは昔から男をどんどん引き込む魔性力が凄まじすぎて何股やNTRを無自覚でやりそうになり付き人や家族はかなり困っていた。


 家族や付き人さんにリカちゃんのNTR未遂癖を治す為に男装して、女の子と関われば良いという提案をした。


 何で男装の提案をした理由は、リカちゃんはカッコよさもあり女性にモテてたのもあったので試しに名前も偽り中学を男装で通わせた結果。


 男とのとっかえひっかえの関わりは、ばったりと止まった。


 家族や付き人は喜んで僕にお礼の連絡が来て良かった。


 しかし、今度はカップルの彼氏ではなく彼女をガチでNTRして連れ込んで別れさせるということを始めた。


 さらにリカちゃんは、行動がエスカレートしてNTR配信をし始めてしまう。


 そこからRTA(リアルタイムアタック)inNTRGL(寝取りガールズラブ)配信をしている。


 内容は付きあってるカップルの彼女を配信でNTRして、どれくらいの早さで落とせるかという動画を出している。(NTRされた人から許可はおりてます)


 そして、RTAinNTR配信で大きなトラブルはないがカップルは別れて、リカちゃんに絶対服従しているらしい。




(そして、リカちゃんは気づいたら魔性力で親衛隊が出来上がる程の勢力になっている)

 

「霧谷?どうしたの?」


 ウィッグを外して、綺麗な長い金髪の女性の姿を見せる。


(綺麗だな)


 栗雛はリカの女性の姿に見とれる。


「霧谷、食べて良い?」

「(ダメですよ)」


 手話で栗雛は即座に断る。


「そのうち味見させてね」


 リカは妖気な笑みを見せて栗雛の瞳を覗き込む。


「(機会があればね)」


 栗雛は手話で答える。



[真龍しんりゅうリカside]

(ああ、霧谷)


(俺の魔性力で唯一、引き込めないなんて)


狂おしい感情を圧し殺して栗雛を観察する。













(皆の前で霧谷をRTAinNTRしたいな)


 呆けた笑みでリカは栗雛の目を覗き込んだ。

 

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