第8話 あたしは幼馴染みの雛風愛美(ひなかぜえみ)です。趣味は栗雛霧谷をストーカーすることです。
[栗雛霧谷side]
「?」
後ろを振り向くと聞き覚えのある声の人はいなかった。
(気のせい?)
「だーれだ?」
「!?」
突然、首元から手をかけられて冷たい何かが首に触れる。
「……改めて、だーれだ!?」
優しい声で栗雛の耳元で言う。
「……」
僕は見えるように手を出す。
「(
僕は手話で愛美に答える。
「正解だよ。きりちゃん」
真木は、ごきげんそうな声で栗雛の首元に触れている物を構えながら言う。
「……(ところで聞きたいんだけど)」
栗雛は冷静に手話で愛美に話をする。
「何かしら、きりちゃん」
愛美は元気そうな声で栗雛の耳元で言う。
「(何で僕の首元にナイフを突きつけられてるの?)」
「何で突きつけられてると思う?」
栗雛の質問を愛美から質問で返される。
(えみちゃんには、何も悪いことしてないはず)
栗雛は愛美にたいして何かした覚えがあったか考える。
「ちなみにあなたがパラシュートで飛び降りたところを見ていたよ」
「!?」
愛美の冷たい声を聞いて驚く。
(どういうこと?)
栗雛はわからない様子になる。
「女の勘だよ」
(嘘だな)
栗雛は頭の中で違うなとすぐに思った。
「あたしの視力(2.0以上は)カンストしてるからすぐにきりちゃんを見つけられるんだよ」
「(どうしているの?)」
栗雛は気になって手話で話をする。
「調べたらきりちゃんがこの学園に転入するということを聞いたから、すぐに手続きしてあたしも転入することにしたんだよ」
真木は不機嫌そうな声で言う。
「(あのー転入手続きをした記憶がないんですが)」
手話で栗雛は愛美に伝える。
「恐らく、お嬢様方とマヤちゃんが転入の手続きをしたんでしょ」
愛美は栗雛に言う。
(なんで勝手に転入の手続きをしてるんだよ)
栗雛は心の中で突っ込んだ。
「(あのーえみちゃん、ナイフを引っ込めて貰えないかな)」
栗雛は手話で伝える。
「嫌だ」
「!?」
愛美は怒気のこもった声で栗雛の耳元で言う。
「(悪いことしたなら謝るから)」
栗雛は愛美に謝ることを伝える。
「謝らなくて良いよ」
「?」
栗雛の首元に当てられてるナイフが離れた。
「……」
栗雛は安心した表情を見せる。
「変わりに」
「!?」
突然栗雛の首元に何かが触れる。
「(……えみちゃん何をしているの?)」
愛美の顔の位置が変わり首元が温かい感触がした。
「カプカプ」
「!?」
栗雛の首元を愛美が甘く噛み始めた。
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