第7話 何かトラブルのようですが解決出来そうなので行ってきます。(対策は全部動画で見たので問題ありません)
[栗雛霧谷side]
(そろそろかな)
「……栗雛様」
マヤがスマホ画面を見ながら無表情で声をかける。
「?」
マヤの様子を見て違和感を感じた。
「……」
口をパクパクする。
「……どうやらトラブルが起こっているようです」
(トラブル?)
栗雛はマヤを見る。
「はい」
マヤはスマホを見て答える。
「……迷惑系配信者が今、入学式に突撃をかけていますね」
(なんでそんな迷惑なことしているんだ?)
栗雛はマヤを見る。
「……おそらく再生数(収益)、登録者を稼ぐためだと思います」
(迷惑なことをしたら動画アプリの運営側からアカウント使えなくなったりとかされるだろう)
栗雛は疑問に思いながらマヤを見る。
「アカウント使えなくなっても作り直して何度でも迷惑系配信者はしつこいほど復活しますからね」
マヤは疲れた様子でスマホを眺めている。
「……」
栗雛はマヤのスマホを覗き込むとライブ配信で動画が映っていた。
「今、ライブ配信している迷惑系はかなり厄介な奴ですね」
マヤは動画の様子を見て観察している。
(どういうこと?)
栗雛は疑問に思いながらマヤを見る。
「今回突撃している迷惑系はかなり戦い慣れした武闘派ですね」
「……」
栗雛は動画を見ていると体格の良い人達を余裕の笑みを浮かべて倒していた。
「……」
カメラ目線で動画に映った男はどや顔で言葉を発する。
『サイレントクリエイターがこの学園に入学しているはずだ!』
「?」
誰だろうと栗雛は無表情で見ていた。
『サイレントクリエイターに会わせろ!!』
男は校門前で暴れており大人や警備員を容赦なく倒していた。
「……とりあえずトラブルが収まるまでヘリポート到着したら待機を!?」
「……」
突然、立ち上がり栗雛は口をパクパクする。
「栗雛様!何を!?」
(マヤ、パラシュートあるよね?)
栗雛は手足を軽く伸ばしてストレッチをし始める。
「……はい、パラシュートはあります」
マヤは栗雛に言う。
(手伝ってマヤ)
栗雛は真剣な表情でマヤの瞳を見る。
「……怪我はしないようにして下さいね」
マヤは心配そうな表情で言う。
(大丈夫だよ。全然対処出きる範囲だから)
栗雛は余裕そうな表情で言う。
(迷惑系の戦いを配信で見た感じ平均以下だから全然行けるよ)
マヤは栗雛にパラシュートのセットを装備を手伝い始める。
「……栗雛様、スカイダイビング経験は?」
(動画を見て覚えたから問題ないよ)
栗雛は緊張や不安な様子もなくマヤの瞳を見る。
「それじゃあ行って来るよ」
ヘリのドアを開けて迷いもなく栗雛は上空から飛び降りた。
[燐海マヤside]
「……」
栗雛は丁度校門のグラウンド付近当たり目がけて下りているようだから迷惑系の男は気付かないかな。
(付き人としては止めなければ行けませんが)
マヤは心配そうな表情になる。
(霧谷が何かをしたいと思ったら止められないな)
マヤは操縦者に目を向ける。
「ヘリポートに向かいなさい」
操縦者に指示を出してヘリポートに向かう。
[迷惑系配信者side]
男は感情が高ぶり暴れ回っていた。
校門前の受付の机は壊されて飾りも破壊されていた。
「サイレントクリエイターを出せ!!」
男は大きい声で叫ぶ。
サイレントクリエイターは顔出しをしてない動画編集者である。
世界ではトップクリエイターだ。
サイレントクリエイターが動画編集に携わるだけでブランド力が上がる。
だから、俺様はサイレントクリエイターのことを必死に調べたがわからなかった。
唯一の手がかりはSSS学園にいるだろうという情報を掴んだ。
サイレントクリエイターの正体がわかれば俺はもっと有名になれる。
仮にアカウントが使えなくなっても何度でも復活させればいいからな。
俺には人脈があるから問題ない。
回りの大人達は立ち上がれずにいた。
「早くサイレントクリエイターを出!?」
迷惑系の男は何かを感じ始める。
視界を見渡すと気付いたら眼鏡をかけた陰キャそうな少年がいた。
「お、視聴者が100万人を突破しそうだぞ!」
動画の数字を見ていると突然ドローンで撮影していたカメラが壊れ配信が止まった。
「おい?どうなっている?」
迷惑系の男は連絡をしようとする。
「……」
「え?」
気配も音もなくメガネの陰キャそうな少年が後ろに立っていた。
「なんだ!?」
迷惑系の男は身体の力が入らなくなり膝をつき手足が思うように動けなくなり意識を失っていた。
[栗雛霧谷side]
(平均以下だったから全然対処出来たから結果オーライだったな)
栗雛は迷惑系の男からすぐに離れていた。
(とりあえず両腕、両足の間接を外して意識を失わせたからこれでおさまるかな)
ざわついており回りの人が事態を納めようと声を出していた。
(さあてと一度ヘリのいる場所に戻りますかね)
迷惑系のいる場所から離れる。
「きりちゃん?」
「!?」
聞き覚えのある声が聞こえて僕は振り向いた。
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